第33話 ゴールデンウィークのご予定は?
注)学園コメディーです、確か
「もうすぐゴールデンウィークだね!」
「そうですね。
四月も明日で最後かぁ」
朝の生徒会室。
意気揚々と円型の大テーブルに座るもみじに駿は資料をパラパラと整理しながら感慨深い表情で頷いてみせた。
「今年のゴールデンウィークは2日から6日までの5連休ですか……」
「でも、暫く皆に会えなくなるのは少し寂しいわね〜」
彼はカレンダーに目をやって呟くと、八雲は頬に右手を当てて各々反応を返す。
因みにこの大きな円型のテーブルは、より会議をしやすくする為にと四角い長テーブルから新調したものである。会議の円滑化にかけて丸いテーブルにしたとか。
「八雲先輩はゴールデンウィークは何か予定が?」
「ええ、あるわよ〜」
ふと駿が尋ねると、八雲はのほほんとした様子のまま微笑んで答えた。
どんな用事なのか聞いてみると、再び頬に手を当てて天井を見上げて……
「えーと……
何だったかしらね〜?」
「………え」
「でも、大切なご用だった気がするわよ〜」
「それは……思い出さないとですね」
案の定忘れていた。
まぁ何か用事があるという事は分かったが、これ以上尋ねても恐らく平行線を辿るだろうと彼は苦笑しながら考える。
ところで今朝生徒会室に居るのはこの三人のみ。
静はクラスの用事で、悠一は何か今日は少し所用があって生徒会を欠席しているのだ。
「もみじ先輩は何か予定はあるんですか?」
駿は会長の座っている方に目を向けて同じように質問をしてみせた。
「うん、ちょっと街を出て出掛けるの。都心の方にね」
「首都圏ですか、それは結構遠出になりますね」
この汐咲市は沿岸沿いの港町で、日本の中心である首都圏からは距離のある場所に位置している。なのでここから都心に行くのは結構な時間を要する事になる。
「そう、だから実は忙しかったりするんだよ」
「へぇ……」
「えへ、大忙し大忙し」
もみじはそう言って笑ってみせたが駿はどうしてか、その笑みが寂しそうに見えた。しかしそれもほんの一瞬の事で、彼女はすぐにいつも通りの表情に戻る。
「駿君は何か予定はあるのかしら?」
「あ、はい。俺は実家に帰るつもりです」
隣に座っていた八雲がのほほんと尋ると、彼は我に返ったように答えた。
「駿君は実家に帰省するんだね。実家ってどの辺にあるの?」
するともみじが興味津々といった感じでその会話に入ってくる。
「ええ、ここからずっと西に。山に囲まれたド田舎ですけどね」
「へ〜、でも沢山の自然があるんでしょ?」
「そりゃまぁ」
山に囲まれた場所だから沢山の自然、というか自然だらけだと返すともみじは『私はそういう場所も好きだよ』と言って微笑んだ。
八雲も『私も大好きよ』と柔らかく笑ってもみじと戯れ始める。
その後暫く、ゴールデンウィーク談義で盛り上がって朝の生徒会は終わった。
仕事はいつも通り全く進まなかった。
第33話 ゴールデンウィークのご予定は?
「ストラーイクっ!!」
青空の下、高らかと響くその声はそのまま白い雲に吸い込まれるように消えていく。
「この調子でいけー!!」
「ワンダン!!ワンダン!!」
汐咲学園のグランドでは一年A組の男子の体育、野球が行われていた。
ダイヤ状に配置されたベースの前に、外野に守備につく男子達は気合いの声をマウンド上にいる男子にかける。
守備側は気合い充分のようだ。
「いやー、春なのに熱いねぇ皆は」
「全く、朝っぱらから元気だよなぁ」
一方、隅っこに置いてあるサッカーのゴールポストに寄りかかっている相也と駿はやる気の無い声を出していた。
彼等は攻撃側で、今は打順待ちなので暇なのである。
しかし他に打順を待っているクラスメートは素振りをしたり応援をしたりしているのに、二人はのんびりと試合風景を眺めているだけである。
「お、良い当たり」
バッターボックスで男子がバットを振り抜き鋭い打球を放ったのを見て駿が思わず声を漏らす。
放たれた打球はショートとサードの間を抜ける鋭いヒットに……
「よっと!」
「何っ!?」
ならなかった。
横っ飛びしていたショートのグラブにギリギリ、その白球は収まっていたのだ。超ファインプレー。
「セカン!」
ショートは体制を崩しながらもボールをそのままトに綺麗に送球。
完全に抜けたヒットかと思っていたニ塁ランナーは慌てて戻るが間に合わずにアウト。
セカンドはファーストに送球してゲッツーを狙うが、バッターはギリギリでベースを踏んでいたのでセーフ。ゲッツー崩れだ。
しかし、今ショートがファインプレーをしなければ確実にタイムリーヒットになっていただろう。
ショートのプレーはチームを救った訳だ。
「きゃー!!」
「悠一君〜!!」
野球が行われている場所からやや離れた体育館にいた同じクラスの女子数名がショートに黄色い歓声を送っているのが見える。
そう、今のファインプレーをしたショートは悠一なのである。
「凄いなぁ、悠一。
打たれた瞬間に反応しねーと無理だぞアレ」
「く〜っ!!
悠一ばかりモテモテで羨ましいぞチクショー!!」
悠一のプレーに感心したように口を開く駿とは対照的に、相也は地団駄を踏んで悔しがる。
悠一は容姿端麗で勉強も出来るが、運動神経も相当なもので大体どんなスポーツもさらりとこなしてしまうのだ。故に女子には公式、隠れ共にファンがいるのは言うまでも無いだろう。
「はぁ……同じ人間なのにどうしてここまで差が。
悠一に比べて俺は勉強もからっきしだし、運動神経も並。神様は残酷だ……」
「本当になぁ……」
「そこはそんな事無いよって言えよっ!!」
自嘲気味な彼の呟きに神妙な表情でこくこくと頷いてみせる駿。
「なんつーか、頑張れとしか言えない。いや、もう頑張れとも言えない」
「頑張れとは言おう!?
せめて言おう!?」
ふるふると力無く首を振る駿に相也はツッコミを入れつつガクリと地面に膝をついてしまった。
「ほら相也、オメーの打順だろ。カッコ良い所見せて来い」
「お、おう!
やってやるぜ!!」
バッターボックスの男子が凡打に倒れ、打順が相也に回ってきたようだ。
駿が地面に転がっていたバットを手渡してそう言うと、彼は勢い良く立ち上がってバッターボックスに駆けていく。
「やっほ〜、男子諸君。
体育頑張ってる?」
「ん、天城?」
と、駿達の側に晴香が笑顔でトコトコとやって来た。
上着に青いジャージを羽織り、下は女子用の体操着を着ている。
「何でここに?
女子の授業は良いのか、体育館だろ?」
意外な人物の登場に少し驚いた駿は女子が体育をやっている体育館に目を向ける。
「うん、女子はバレーボールだけど私達のチームは今は休みだから」
「へぇ、バレーボールか」
楽しそうに微笑む彼女に駿は視線を戻して頷いた。
「ちゃんと私も活躍したからね!バッチリ点を決めたよ」
「そりゃ何よりだな」
彼女は運動がそれなりに得意らしく、駿も何となくだかそうだろうなと思った。
勉強がアレな分運動には才があるようだ。
「アレって言うな!」
「誰にツッコんでんだお前……」
空に向かってビシッと指を突きつけていた晴香だが、コホンと咳払いをすると駿の方に向き直る。
「体育館から見てたけどゆっくんも凄かったね。
チームの女の子も喜んでたよ」
「へーへー」
「あれー、ミヤミヤ……ひょっとして拗ねてる?」
クスクスと可笑しそうに言う彼女に背を向けた駿は頭を掻きながら『アホか』と一言返してみせた。
「おーい月ノ宮!
次お前の打順だぞ〜」
「ん?」
今度はバッターボックスの方からクラスメートの声が。ついでに無惨にも三振に終わった相也もガックリと肩を落としながらこちらに戻ってくる。
「もうスリーアウトじゃないのか?」
「授業はアウト四つで交代なんだとさ……
ちくしょう、よりによって三球三振なんて……」
項垂れる彼に尋ねると体育の授業の特別ルールで4つアウトで交代らしい。
決して『あれ?これもうスリーアウトになってて?やべ、ミスった』とかいう執筆ミスでは無いので悪しからず。
「よし、ミヤミヤ頑張れ〜!」
「おー」
晴香の声援に特にやる気の無い返事をしながらバットを片手に歩いていく。
(あれ……?
何か……)
しかし、バッターボックスに着いた途端、彼は周りからくるとてつもなく鋭い視線の数々を感じた。
否、感じた所か敵意の視線がはっきりと分かった。
(アイツ……)
(さっきから天城さんと仲良くしやがって……)
(あまつさえ声援まで……)
マウンド上のピッチャーを始め、内外についている守備からも鋭く睨まれている。
ショートにいる悠一だけはおやおやと口元を緩めていたが。
(何故だろう……ただの体育の筈なのに明らかに敵意のオーラを感じる気が……)
駿は勿論そんな不穏な空気の理由が全く分からない。たかが体育で皆本気になっているのかと首を傾げながらも、バットを構えてバッターボックスに。
「………」
マウンド上、ランナーを背負っていないピッチャーは大きなモーションでワインドアップ。
そして込めた力で思い切り腕を振り切った。
「はぁっ!!」
「っ!?」
放たれた速球はストライクゾーンから大きく反れて駿の頭部に一直線。
彼は持ち前の反射神経をフルに使ってギリギリの所でそれを避けた。
「「……ちっ」」
「おいぃ!!
今ピッチャーとキャッチャー同時に舌打ちしたよ!?」
隠そうともせずに舌打ちをするバッテリー。
守備についていた男子達も『惜しい』と呟いたりしている。
「まだまだぁ!!」
「は!?」
ピッチャーはボールを受けとるなりピッチングフォーム。間髪を入れずに再び速球を放ってきた。
「うおっ!?」
今度はアウトロー思い切りのボール球。避けなければ右足に直撃したであろう危険球だ。
「って待て待て!!
ストライク入れる気無いだろ、完全に狙ってるだろっ!!」
当然の事ながら抗議を申し立てる駿。明らかにこのままでは危険である。
この場合ピッチャー交代の抗議をするのがセオリーだが果たして……
「仕方ありません。でしたら僕がピッチャーをやりましょう」
「って、悠一?」
何と、ショートにいた悠一がそう言ってマウンド上に出てきた。
彼はピッチャーと何やら話を始める。
「分かった、相良に任せる」
「はい」
暫くして、ピッチャーはショートの位置に移っていった。何を言ったのかは知らないが、悠一がマウンド上に立つことに。
「おいおい、良いのかよ?」
いきなりのピッチャー交代に打席に立つ駿は尋ねる。まさかピッチャー交代をするとは思っていなかったのだ。しかし、悠一はニッコリと微笑んで一言。
「大丈夫です。打たれない自信がありますから」
「………」
そのあまりにも爽やかな一言に駿は思わずムッとする。こうまで簡単に言い切られると男としては流石に黙ってはいられない。
「言ってくれるじゃねーか……」
「ええ、言いました」
ギュッとグリップを握る手に力を込める駿と、マウンド上で相変わらずニコやかな表情の悠一。
バッターボックスとマウンドでは二人にしか見えない火花が散った。
「お、駿と悠一が戦うみたいだぞ。面白くなってきたなぁ」
「相変わらず復活早いね、しのっちは」
思わぬ形で始まった駿と悠一の対決に相也はぴょこっと起き上がり彼等の方に目を向ける。
「いや〜、良いね友達同士の対決!!
天城はどっちが勝つと思う?」
「そういうしのっちは?」
「やっぱ悠一かな。アイツの運動神経は群を抜いてるから。流石に、な……」
相也は腕を組んでウンウンと一人頷いてみせるのに対し、隣の晴香は考えるように頬に指を添える。
「私は、ミヤミヤかな?」
「え、マジでか?
何で?あの悠一だぜ?」
「うーん……何となく」
晴香は駿が勝つと思ったようだ。特に根拠は無いらしいが、彼女のその表情は何だか不思議とそれを感じさせないようなものだった。
「よし、だったら賭けようぜ!買った方がジュース一本な!」
そんなやり取りが交わされているとは露知らず、打席では駿がバットを構えて悠一に集中している。
「………」
マウンド上の悠一はスッと両腕を上げてワインドアップ。そこで静止、ゆっくり足を上げて投球モーションに。
体幹を上手く使った滑らかなフォームから、一気にスピードをつけて腕を思い切り振り切った。
(速っ!!
けどこれなら……)
悠一の放った球は軽く100キロはあるだろう速球だったがど真ん中だったので、駿は一気にバットを振る。
(捉えたっ……!!)
鋭いバットの真芯がど真ん中の白球に直撃する、筈だったのだが……
「なっ!?」
バットは思い切り空を切った。驚愕する駿は咄嗟に下を見ると、キャッチャーの前にボールが転がっている。
(フォーク……)
そう。悠一の放った速球はカクンと大きく落ちてバットから逃れたのだ。
ただあまりにも落差があり、キャッチャーが捕れずに前に弾いてしまった。
「おや?振り逃げ出来ましたよ駿」
「んな真似するかよ」
弾いたボールを慌てて拾ったキャッチャーは、悠一に向かってボールを返す。
振り逃げが出来たと口にする悠一に駿はそんな決着の付け方をするかと言い切った。
悠一は再びワインドアップから投球モーション、ピッチング。
「くっ……!!」
今度は先程より遥かに速い速球がインハイに。
駿は何とかカットしてファールで逃れた。
「凄い、あのフォークを見た後でこのストレートについてくるなんて。流石駿ですね」
「凄いのはどっちだよオイ……」
嬉しそうにそう話す悠一を見て駿は緊張からフッと息をつく。取り敢えず悠一は今すぐに野球部に入るべきだと思う。
「まだまだ行きますよ」
「もうツーナッシングだけどな……」
呟く駿を他所に悠一は再び投球フォームから投球を。
マウンドと打席の対決は更に続く。
インロウのストレートはボール、真ん中からのフォークは駿がギリギリでバットを止めてまたもボール。
ツーストライク、ツーボール。
「なろっ!!」
「流石、これでもついてきますか」
速球と思いきやグッと胸元を抉るシュートはカットで何とか逃れた。
カウントは依然ツー、ツー。
「!!」
「ぼ、ボール!」
緩やかなスローカーブはボール半個分足らずにボール。駿はよく手を出さなかったなと自身に言い聞かせた。悠一はますます楽しそうで、カウントは遂にフルカウントだ。
「ほへ〜……
す、スゲーな駿の奴……」
「どんなもんよ、参ったか!」
「何で天城が自慢気なんだよ」
ポカーンと思わず口を開ける相也に晴香は何故だか自慢気にそう言ってみせた。
周りの男子達も完全に二人の勝負に見入っているようだが、こういう時に限って体育館の女子は見ていなかったりする。
「お前って、勝負事に意外と熱くなるんだな」
「それはお互い様ですよね?」
二人は打席とマウンドで挑戦的な笑みを交わす。
それが合図、悠一はキッと足を踏み込み投球モーションに移る。
駿はバッターボックス内で一歩前に出てグリップを握り締めた。
悠一は鋭く腕を振り切り、唸りを上げる白球を投じる。
それをまるで真っ二つにせん勢いで渾身の力でバットは振り切られた。
キーンっと、心地好い音が広がる青空に消えていったのだった。
*
「くー、まさかジュースを奢る羽目になるとは」
「しのっちが言い出した事でしょ?」
一年A組の教室。
相也は残念無念といった表情で晴香にペットボトルを手渡していた。
「おやおや、僕達はいつの間に賭けられていたのやら」
「だな」
悠一と駿は思わず顔を見合わせて苦笑してみせる。
「しかし、相良と駿の真剣勝負か。是非とも見てみたかったな」
「おお、二人とも凄かったからな。悠一のああいう姿は久しぶりに見たぜ」
「ミヤミヤも真剣だったしね〜」
体育の話を聞いた紫は席に着きながらそう感想を洩らした。相也は両手を広げてジェスチャーしてみせ、晴香は駿の方に顔を向けてクスリと笑う。
対して駿は何となく気恥ずかしさから顔を背け、悠一は軽く肩を竦めてみせた。
「あ、そいつは残念。
俺も遅刻しなけりゃその勝負に参加出来たのにな」
「新は今日は寝坊しちゃいましたからね」
残念そうに首を振る新に湊が苦笑混じりにそう付け加える。
「ゆかりんもバレーボールで大活躍だったからね。あの一撃必殺スパイクは凄かったよ」
「お、おかしな名前をつけるな!
それに私は別に……」
体育館での女子の授業、バレーボールの方も色々と白熱したようだ。
「しかしさぁ、もうすぐゴールデンウィークなんだよなぁ〜」
「唐突に話が変わりましたね」
「だってもう四月も終わりだぜ?」
いきなりため息と共に話題を変えた相也。
が、確かに彼の言う通り明日で四月も終わりだ。
「皆はゴールデンウィーク、何か予定はあるのか?」
駿は周りを見回して来るべきゴールデンウィークはどうするか尋ねると……
「それが聞いてくれよ!!」
「おわ!?」
相也がいきなり彼の首根っこを掴んでブンブンと振ってきた。
「いきなり何すんだよ!?」
「何の予定も無いんだよ!何一つ、何一つ無い!隣のクラスの吉田なんて最近出来た彼女と一緒に過ごすとか言ってやがんのに!!」
どうやら何の予定も無い事が酷く悲しいようだった。
「私も特に無いかな。
まぁ学校休めるのは嬉しいけどね」
「僕もありませんね。
生徒会も休みですし」
晴香と悠一も取り分けて用事は無いという。
「私もゴールデンウィークは特に予定が無いな。部活も2日から6日は休みなんで」
紫も部活は休みらしく、五日間は予定が無いという。
「私達はちょっと出かける予定がありますね」
「遠出になるんだよな」
結局、晴香達四人ゴールデンウィークは特に何も無いという事が分かった。
ただ新と湊は遠出の予定があるらしいが。
「あ〜、だったらうちの実家に行ってみねーか?」
「「「?」」」
そこで、駿はある提案をしてみる事にした。
「いや、本家のある田舎に帰省するだ……それで結構デカい屋敷だから皆でどうかなって。山に囲まれた場所で自然は豊かな所だ。
勿論良ければだけど」
それは自分達の故郷に皆を呼ぶという提案だ。
電話で母親が言っていた事も思い出しての考えでもある。
「はいはい!!
俺行きたい!!何も予定無いし」
「ミヤミヤの実家か〜
何だか面白そうだね!
私も行ってみようかな」
「うん、田舎か。木々の自然に囲まれるのも良いな。お祖父ちゃんに聞いてみよう」
「僕も良いと思いますよ。環境を変える事は大切ですからね、家に聞いてみます」
相也と晴香の二人はその提案に賛成、紫と悠一は自宅に確認をとって考えるというかなり肯定的な返事だった。
だが、用事のある新と湊は残念ながら今回は参加出来ないようだ。
「残念だな、俺達も用事が無かったら行けたんだけど」
「ああ、また次回帰る時は是非一緒にな」
「はい、そうですね」
駿は次の帰省の時には一緒に行こうと二人に言ってみせた。
恐らく次の長い休みは夏休みになるだろう。夏休みならば休みが長いので都合の良い時に招待も出来る筈だ。
「静と話して後で場所とか日時とか色々決まると思うから。詳しい話はそれからだな」
「「オッケー」」
「はい」
「分かった」
取り敢えず、ゴールデンウィークは友達と共に月ノ宮家本家に帰省する予定が出来たのだった。
という訳で、駿の友達四人と月ノ宮本家に帰省する予定がたった今回です。
何故か途中スポ根になりましたが(笑)
次回はゴールデンウィーク前最後の学校です。
帰省前の準備とか整理とか、色々です多分。
そして次々回から駿達が遥か(?)西にある月ノ宮本家に帰省する事に。
晴香達もいるので色々と賑やかになりますが、よろしくお願いいたします!!