第8話 誤解は次なる誤解を生むので早めの対処を
第8話です。
タイトルはあまり関係ないかも。
朝のやり取りを書いていて駿と静、もう結婚しろよとか思ったりしました(笑)
学園二日目の前半です。
では、始まります!
「うん、美味い!」
月ノ宮家リビング。
四月の麗らかな陽射しが窓越しに差し込む朝、テーブルに着いた駿はニッコリと笑顔でそう言った。
彼の前にはやや大きめのお皿にハムエッグ、オムレツ、クロワッサン、ソーセージ等が綺麗にのせてある。どうやら今は朝御飯の時間らしく、昨日と違って洋食風だ。
「兄さん。
そろそろ学校に行く時間ですから、あまりのんびり朝御飯を食べてたら遅刻してしまいますよ」
彼に向かい合うように座っている静は壁にかかった時計に目をチラッと見る。
彼女の前には朝食は済ませたようでお皿はなく、コーヒーの入ったカップだけが置いてある。
「嫌だ。静の愛が籠った手料理なんだから、その愛を感じつつじっくり味わって食べていたいんだ」
「も、もう…!!
朝から何言ってるんですか……」
彼の言葉に思わず顔を赤くしてふるふると首を振る静。制服の上からエプロンを付けている彼女のその姿は可愛らしくも言い様の無い美しさがあり、同じクラスメートの男子が見たら悶絶する事は間違いない。
恐らくそんな彼女を朝から独占している兄の存在を知ったら、男子達は激昂して襲撃してきそうだ。。
「アーンとかしてくれたら早く食べれそう」
「しません……!!
もう、兄さんの馬鹿!」
彼女は更に赤らめた顔をプイッと背けると、テーブルからキッチンに行ってしまう。
(うんうん。静はいつも最高に可愛いけど、今日はいつも以上にこの上無いくらい可愛いなぁ……)
そんな後ろ姿を眺めながらのほほんと一人頷く相変わらずの超ド級シスコン馬鹿。
コーヒーを啜って一息、愛しの妹の手料理に舌鼓を打つ。
『お前らは新婚したての熱々カップルかっ!!』
これ以上やっていると何処からかそんなツッコミが入りそうなので時間を進める事にしよう。
・・・・・・
「ふぅ……この分なら間に合いそうだな」
「兄さんが早く起きてくれればもっと余裕を持って出られましたよ」
「ギリギリまで寝ていられるってとても幸せな事だと思うんだ。
ずっとモフモフと布団にくるまれていたいとは思わないか?」
「思いません」
街の南、住宅街から学園に続く通学路を並んで歩く駿と静。
朝っぱらからアホアホな発言をする兄にキッパリと否定する妹。
「早起きより遅起きの方が素晴らしい事があると思うぞ?」
「どんなですか?」
「そりゃまぁ……色々と」
“遅起き”という勝手なワードまで作って自分で言い出した癖に、いざ尋ねられると彼は曖昧に言葉を濁した。
決して思い付かなかったとかそういう訳では無く。
(毎朝可愛い妹が起こしに来てくれるという最大の利点があるんだけどな……)
理由はあったが敢えて言葉は伏せておいたのだ。
口にすれば彼女に怒られると思ったのだ。
「つっても、静に迷惑がかかるのは良くないから……
もう少し早く起きれるようにはしたいとは思うけど……」
とはいっても、いくら朝が弱いからと言って彼女を困らせたくは無い。
そう思った駿は学生鞄を担ぎながら空を見上げてちょっと自信無さげにそう口にする。
「まぁ……兄さんの朝が弱いのは治らないでしょうから、これからも毎朝私が起こす事になると思いますけど」
「う……」
だがクスクスと可笑しそうに微笑む静に痛い所を突かれたような表情をする駿。
雲一つない晴れやかな青空の下、仲睦まじい兄妹は肩を並べて通学路を歩いてゆく。
数分後。
二人が学園の正門に続く並木道に入った時……
「あ、おはようございます。柊奈ちゃん」
「?」
静が少し前を歩く女子生徒を見て声をかけた。
恐らく昨日彼女が話した同じクラスの友達なのだろうが『柊奈』という名前に聞き覚えがあるなと首を傾げる。
前を歩く女子生徒は振り返ると、静を見て笑顔になってこちらに駆け寄ってきた。
「あ、おはよう。静ちゃん」
「うん」
二人はお互い笑顔で挨拶をする。仲の良い友達のようだ。
(流石静。
昨日の今日でもう馴染んでるっぽいな)
静は昨日転校して来たばかりだが、その優しい人柄が周りに溶け込める理由なのだろうと一人納得する駿。
と、女子生徒が隣にいた彼に気付いたのかそっと顔を向けた。
「って、先輩!?」
「あ、お前昨日の……」
そしてすぐに驚いたような声をあげる。
その女子生徒とは、九条柊奈であった。
紫の後輩で剣道部の若きエース、だったか。
「何で先輩がここに?」
「何でって、ここの学生だから」
「いえ、そうでは無く……」
柊奈の問いにさも当然のように答える駿。
しかし彼女は首を横に振ってみせた。
恐らく柊奈が言いたいのは何故彼が自分達二人の側にいるのかという事だろう。
「柊奈ちゃん、兄さんを知っているんですか?」
すると、静はゆっくりと彼に手を向けてみせた。
「兄さん……?」
「はい。この人は私の兄さんです」
首を傾げる柊奈に静はコクリと頷いてみせた。
柊奈は暫し考えるように空を見上げていたが……
「……驚きました」
まじまじと駿を見てそう声を洩らした。
その表情からかなり驚いている事が分かる。
「おーい、何だその目は。
『よりにもよってこんな人がお兄さんだなんて……信じられない、いや信じたくない』とでも言いたげだな」
「よく分かりましたね」
「少しは否定しろよっ!!」
全肯定する彼女に思わず声をあげる駿。
彼を気遣う気持ちは一切無いようだ。
「それで……兄さんをご存知で?」
「あ、うん。
先週の日曜日に剣道場の横にいたんだけど……」
話を元に戻して静が尋ねると柊奈は頷いてみせる。
(いかん……!!
このままだといらぬ誤解が…!!
よし、何か対処を)
駿はこのまま喋らせておけば確実にまずい事態になると察して何とかしようと考えるが……
「一体何をしていたのか気になって声を……」
「だから覗きなんてしてねぇって……あ、」
彼女が言う前に彼は誤解されるような単語を出して否定してしまった。
自供というか口を滑らせて自爆する馬鹿がここに一人。
「……兄さん?」
「いや……違うんだって。これはホント誤解というか……」
「覗きって、一体どういう事ですか?」
静はニッコリと笑顔で駿に尋ねる。
勿論いつもの優しいものでは無く、有無を言わせない何か違う笑顔で。
「学校が始まる前からご迷惑をおかけするなんて……」
「いやいや!?
違うんだってホント!!」
彼は必死で真実という名の言い訳をするも静はジト目のまま。
(そんな事を言うつもりは無かったんだけど……)
そんな二人を見て柊奈は少し困ったように考える。
どうやら彼女は静を前に覗きの疑いがあると告げ口のような事をするつもりは無かったようだ。
恐らく“声をかけた時に知り合った”くらいに留めておくつもりだったのだろう。
しかしあろう事か彼はその配慮を自爆という形でぶち壊してしまったのだ。
元も子も無い奴である。
「行きましょう柊奈ちゃん。早く行かないとと遅刻してしまいます」
「え、でも……」
静はプイっと顔を背けるとそくさくと歩きだした。
その後を追って良いのかと声をかける柊奈だが……
「兄さんなんて放っておきましょう」
そう言ってすたすたと行ってしまう静と一旦振り返るも後に続いていく柊奈。
「………」
残された駿は胸に言葉の矢がクリティカルヒットしていた。
駿に999ダメージ。
「………行くか」
彼は傷心の体を引きずるよいにして並木道を歩き始めた。
静には後でフォローしておこうと心に決めて。
第8話 誤解は次なる誤解を生むので早めの対処を
「はぁ……」
ため息を一つ、駿は一年A組の教室に入ってきた。
そうして教室内の窓側、自分の席に腰を降ろす。
「よっ、転校生」
「ん?」
すると、彼の机の前に一人の男子生徒が近付いてきた。
赤みがかった茶髪の男子、昨日悠一達が『篠田』と言っていたか。
「確か、篠田……」
「おっ、知っててくれたんだ。篠田相也って言うんだ。
相也って呼んでくれ」
駿が昨日の事を思い出してそう口を開くと彼は嬉しそうに手を差し出した。
その様子や言葉から分かる通り、かなり明るい性格のようだ。
「ああ、俺は月ノ宮駿だ。よろしく」
「おう、よろしくな駿」
駿も挨拶を返して、二人は軽く握手し合う。
「しかし昨日は驚いた。
転校生がいきなりモザイク顔で出てくるんだから」
「まぁ、俺も鏡見て教室に入るか暫く考えたしな。結局入ったけど」
相也は案の定、昨日の出来事を言って笑ってみせる。
とはいえその理由をあれこれ尋ねてくる事は無いようだ。
「相変わらず朝から元気ですね、相也は」
と、今度は駿達の後ろから違う男子生徒がやって来た。
「お、悠一。おはよー」
「おはよう」
「おはようございます、相也、駿」
それは悠一だった。
彼は自分の席まで歩いていくと鞄を机の上に置いて二人に挨拶をする。
「ところで、一時限は国語ですが……持ってきたんですか?」
「何を?」
悠一は相也に顔を向けると尋ねる。
その隣で駿は『そうか、国語か』と机の上に教科書を出したが。
「レポートですよ。
相也は提出期限を次回までに延期してもらっていましたよね?」
「だあぁーーーっ!!
わ・す・れ・たぁ!!」
「一々区切らないで下さい。鬱陶しいですから」
レポートという言葉を聞いて頭を抱える相也。
提出物を見事に忘れたようだ。しかも期限を延長していたものを。
「ちょっ!!
今から職員室に行って交渉してくる!!」
かと思ったら彼は慌てて駆け出して教室を後にした。忙しい奴である。
「あ、そうだ。
会長が駿と静さんに放課後生徒会室に来て欲しいって言ってましたよ」
「生徒会室に?」
「はい」
悠一の言葉に駿は首を傾げる。
駿と静の二人、放課後に生徒会室へ。一体何の用事なだろうか。
「はい、席に着きなさーい。HR始めるわよー」
ガラリと前の扉が開いて担任である紗香が名簿を片手に教室に入ってきた。
立っていた生徒達は急いで自分達の席に着き始める。駿と悠一も同じく席に、そして晴香と紫も教室に入ってきた。
「あ、相也たった今出て行ったばかりだけど……」
「大丈夫ですよ。いつもの事ですから」
駿は気付いたようにそう声を洩らすが悠一はニッコリとそう言ってみせた。
それで良いのだろうか。
「じゃあ今日の日程は……」
教卓を名簿がトントンと叩く音と共に、朝のHRが始まった。
・・・・・・・
「じゃあ、今日はこれまで。しっかりと復習しておくように」
初老の教師の言葉で二時間目が終了する。
「ミヤミヤーーっ!!
疲れたよ〜」
「のわっ!?」
終了のチャイムが鳴ったと同時に、晴香が隣の席の駿に抱き着いてきた。
ふわりと鼻孔をくすぐる彼女の良い香りと柔らかい感触(主に胸)に駿は赤くなって思わず間抜けな声を上げてしまう。
「あ〜、ミヤミヤ暖かいね〜」
「だあぁ、引っ付くな!!」
抱き着いたままのほほんとそんな事を宣う彼女を駿は顔を赤くて何とか引き剥がす。
こんな所を静に見られでもしたら一体どうなってしまうのか、想像するだけでも恐ろしい。
「むー、ミヤミヤのケチー」
「オメーなぁ……」
不満気に口を尖らせる晴香だが、彼は先程の下心を悟られまいとわざとらしくため息を一つ。
「晴香、その辺にしておけ」
「は〜い」
紫が助け船を出してくれて、晴香は渋々と了解してくれた。
「いや〜、授業疲れたな〜」
と、相也が駿の机の前にやって来る。
欠伸混じりで確かに疲れてはいるように見えるが。
「お前はずっと寝ていただろう」
「ま、寝疲れって奴だな」
紫の鋭いツッコミに彼はからからと笑って答えてみせた。
彼はただ単に眠っていただけのようだ。
「駿、気分転換に学食でも行こーぜ」
「学食?
昼休みはあと一時限後だろ?」
相也はそう言って学食のある建物を指差してみせたが、駿の言う通り昼休みはまだ先だ。
「何、授業間の休み時間は15分あるからその間で喫茶店みたいな感じで利用する学生も多いんだよ」
「へぇ……」
相也の説明に彼は納得して首を縦に振った。
なるほど、授業間に学食をそういう風に利用すれば気分転換になるだろう。
「んじゃ、行くか」
「おー、そうこなくっちゃ。転入祝いに何か奢るぜ」
駿が財布を片手に立ち上がったので、相也は機嫌良く頷いてみせた。
「しのっち〜?
奢るのは良いとして……私の貸した2000円はいつ返してくれるのかな?」
「ぎくっ……」
が、隣の席の晴香の言葉にピクリと口元をひきつらせる。
晴香は彼にお金を貸していたようだ。
「いや、それはそのうちに……」
「ダーメ。今日返して」
慌てて両手を体の前に出す相也に彼女は詰め寄る。
「っ、悪い駿!!
学食はまた後でな!」
「へ?」
彼はそう叫んだかと思うと一気に駆け出した。
駿が何事かと振り返った時には彼は既に扉の外に。
「あー!!
逃げるなー!!」
その後を晴香が怒ったような声を上げて追いかけていく。
「おやおや、朝から元気ですね」
「まったくだ」
そんな様子をみて和やかに微笑む悠一と呆れ半分感心半分で頷く紫。
(うーむ……)
残された駿はどうしたものかと考えるが……
(行ってみるか)
取り敢えず学食に向かってみる事にした。
気分転換として、軽く休んでいく為に。
・・・・・・・
「ほぅ……」
駿が学食に向かうと、意外と生徒達がいた。
勿論昼休み程では無いだろうが、テーブルに着いて談笑する生徒達や立って飲み食いしている生徒達がいる。
相也の言う通り、授業間の休憩としてこの場所を利用するのは生徒達にとって有意義な時間なのだ。
「俺も何か飲もう」
駿は学食の券売機の隣にある飲み物の販売機の前までやって来る。
缶やペットボトルの販売機では無く、紙コップ式の販売機だ。
彼は色々ある飲み物の中で無糖のコーヒーを選ぶ。
「……」
辺りを見回してちょうど良さそうな席を見付けると、そこまで歩いていって席に着いた。
「ふぅ……」
コーヒーを一口、上を見上げる。
吹き抜けで天井は無く、代わりに青い空が広がっている。陽の光も木漏れ日のように射し込んできて時折キラキラと周りの窓に反射する。
恐ろしく落ち着ける場所だった。
「相席、良いですか?」
「え、あ、どうぞ」
そんな風に和んでいると、不意にそんな女子の声が聞こえてきた。
今は空いているのに相席とは一体、そう思ったが取り敢えず頷いて顔を戻すと……
「……九条?」
「こんにちは、先輩」
その女子とは今朝も会った九条柊奈であった。
彼女はこちらを暫く見つめると、彼と向かい合うように座る。
「えっと……?」
「………」
しかし、一体何の用だろうか。わざわざ同じテーブルに着くとは。
「その、この間は闇雲に疑ったりして………すみませんでした」
「……え?」
どういう風の吹き回しか、昨日の態度から一変して柊奈は謝ったのだ。
彼は驚いたように声を洩らす。
「それはどういう……」
「昨日紫先輩からも聞きましたし、静ちゃんのお兄さんという事は転校生って事ですから、剣道部の事を知らなかったと思いますから……」
「………」
要するに、覗きの疑いは晴れたという事だろうか。
確かに初めて会った時にも昨日にも転校生と名乗った覚えは無い。
在校生だと思っていたならば覗きと疑っても仕方ないだろう。
「あ、でも良かったよ。
理解しても……」
「いえ、まだ疑いは消えてませんけど」
「無いのかよっ!!」
しかし、安堵してそう口を開こうとしたが彼女はあっさり首を振った。
疑いは晴れてはいなかったようだ。
「じゃあ何で謝ったんだよ?」
「無闇に疑った事を謝ったんです。誤解だったと謝った訳ではありません」
「………」
プイっと顔を背けてキッパリとそう言う柊奈。
つまりこういう事だ。
彼が転校生だったという事実を知って、覗きだと決め付けていた事を謝ったのだ。
「疑い半分といった所ですね」
「それは全然疑いが晴れてないんじゃないですか」
「以前は100%疑っていましたけど、今は50%に減ったんですから」
「あんまり嬉しくない譲歩だな、それは……」
さらりとそう言う彼女だが、対照的に複雑な表情の駿。
まぁ、まだ半分も疑いがあるのだからそうなるだろうが。
「………」
「……何だよ?」
もう一度コーヒーを啜ると、駿はじっと見つめている彼女の視線に気づいた。
「いえ、本当に兄妹なのかなと思いまして」
「何か言いたげな表情だな」
彼女の言葉に彼は眉を吊り上げる。
「世の中って理不尽だなぁとか」
「凄いですね先輩、エスパーですか」
「だから少しは否定しろって!!」
相変わらずの全肯定に思わず声を上げてツッコむ駿。
しかし彼女はそれに構わずポンと手を打つ。
「あ、でも考え方によっては納得出来る部分もありますよね」
「どーいう意味だ?」
「クスッ、ご想像にお任せします」
そう言ってクスリと微笑むと柊奈は席から立ち上がった。
「それでは先輩、もうそろそろ授業なので私はこれで」
時計を見ると授業開始まで後2分くらいだ。
そろそろクラスに戻らないと次の授業に遅刻してしまう。
柊奈は軽く会釈をするとその場から歩きだして学食を後にした。
「………」
そんな彼女の後ろ姿を眺めながら、駿も戻る為にコップに入ったコーヒーを一気に飲み干す。
(つーか、結局アイツは何しに来たんだ……?)
ふとそんな疑問を頭に過らせつつ、ゴミ箱に紙コップを捨てると彼も学食を後にするのだった。
相也
「くぅーーっ!!」
悠一
「相也?どうしました?」
相也
「どうしたもこうしたもあるもんかっ!!」
悠一
「?」
相也
「駿のヤロー!!
朝からあんな可愛い妹とイチャイチャしやがって!!
恋人のいない俺に見せつけやがってるんだなチクショー!!」
悠一
「いや、静さんは彼の恋人では無いですよ?
妹じゃないですか」
相也
「あんだけラブラブしてたら恋人みたいなもんだろ!!」
悠一
「………要するに何が言いたいんです?」
相也
「めちゃくちゃ羨ましい!!」
悠一
「………」
相也
「しかもあの後輩で剣道部の九条とも仲良くするという!!」
悠一
「あれが仲良くみえるんですか?相也は?」
相也
「見えまくりだ!!」
悠一
「まぁ、確かに。
険悪な関係では無いみたいですね」
相也
「何となく……九条がアイツにデレそうな気がする。リア充殲滅隊のメンバーとしては見過ごしておけないぞ!!」
悠一
「そんな組織、いつ出来たんですか?」
相也
「今だ!!ナウ!!」
悠一
「……馬鹿は放っておいて、次回予告にいきましょうか」
相也
「お前ってさりげに辛辣だよね」
悠一
「次回は今回の続きですね。お昼休みや放課後のお話というわけです。
会長が生徒会室に呼んだ理由も分かります。まぁ大した理由ではありませんが」
相也
「つー訳で、次回もよろしくお願いしまーす」
悠一
「急に出しゃばらないで下さい」