第1話 『ヴェルガディア・オンライン』
初投稿です。
つたない文章ではありますが、少しでも読者様方の暇つぶしになればと思います。
「ハァ……ハァ……冗談だろ……っと!」
視認すら危うい攻撃を何とか避け、大きく距離を取る。
改めて状況を確認すると、一層あり得ないという気持ちが湧きあがってくる。
なにせ目の前には、全長500mはありそうな闇より黒いドラゴンがいるのだから……
「何で、俺の目の前に邪神龍『ティアマト』がいるんだ……まだ邪神龍の迷宮に入れたなんて話は聞いたことねぇし、やっぱ『アレ』が原因なんだろうな……」
――時は少し遡る――
俺は仙道明、両親は俺が小学生の頃に事故で他界した。
それからは、祖父の仙道宗元に引き取られ、育てられた。
まあ、育ててくれたのには凄く感謝してる。
しかし宗元は『仙道流古武術』の師範だった。
しかも、息子(俺の父さん)は武術が嫌いで全く興味を持たなかったらしく、じーさん(宗元)はかなりヘコんだらしい。
そんなところに俺を引き取ったもんだから、これ幸いと鍛え始めたんだそうだ。
最初の頃はまだ小学生だったし体力トレーニングくらいだったが、中学に上がった頃から組み手が始まって、それからが地獄だった……
俺は自分で言うのも何だが、才能があったんだと思う。
じーさんも次々と教えた型を覚え、腕を上げていく俺を見て嬉しそうだった。
それを見て俺は(今思えば)調子に乗ってたんだと思う。
じーさんの企みに気づかずに……
話は少し変わるが、仙道流はあらゆる武器を使う古流の武術だ。
格闘術に始まり、刀術、槍術、杖術、色々ある。
だから、門弟には他流派の人も結構いたりする。
様子がおかしくなり始めたのは、中1の夏休み前からだ。
明日から夏休みで何をしようかと楽しみにしていた俺は、道場の前に高弟や門弟の人達が食糧や調理器具を運んでるのを見た。
合宿でもするのか?――と思ったが、その時は大して気にしてなかった。
綺麗なお姉さん達もいたのは、少し気になったが……
そして夏休みの初日、日課になっている朝稽古に出た俺はすぐに後悔した。
何故かじーさんと高弟の人達が勢揃いしているのだ。
嫌な予感がしてすぐに道場から出ようとしたが、その時には出口を固められてた……
その日、俺は気がつくと道場でぶっ倒れてた。
夕飯は綺麗なお姉さん達が用意してくれた……
滅茶苦茶美味かった……
じーさん、何で俺の(女の)好み知ってんだよ……
それから毎年、夏休みと冬休みは毎日鍛えられた。(シゴかれたとも言うが……)
俺の逃げ道を門弟達で塞ぎ、綺麗なお姉さん達の作る美味しいご飯と稽古という飴と鞭で、徹底的に鍛えられた。
そんな日々も、高1の冬に終わりを告げた。
俺がもう限界だったからだ。
「俺が勝ったら、この無茶苦茶なシゴキは止めるからな!」
「稽古じゃと言うとろう。ふむ、おまえがワシに勝てるほどの腕前になっとるんなら、それも良かろう」
「その言葉、忘れんなよ!」
結果から言えば勝てなかった……
一撃を当てるのがやっとで、後は良いように遊ばれた……
このじーさん本当に人間か?
「ふむ、その歳でワシに一撃を当てるか。良かろう、夏と冬の集中稽古は終わりにしてやろう。ただし、朝稽古には毎日出ること。良いな?」
「ハァ……ハァ……マジか?」
「マジじゃ。それと一撃入れた褒美に……何じゃったかのぅ……『コクーン』じゃったか? あれも買うてやろう」
「マジか? 後で『やっぱり嘘じゃ』とか言うなよ」
「言わんわい」
「マジか!! ありがとう、じーさん」
「うむ、体には気をつけて遊ぶんじゃぞ。朝稽古も忘れるなよ」
「わかってるって。ウォー!! 滅茶苦茶嬉しい!!」
それから2週間後、俺の暮らしてる離れに『コクーン』が運ばれてきた。
『コクーン』は5年前に発表された次世代型ゲームの筺体だ。
今までのゲームと違い、モニターもコントローラも必要ない。
何故なら『コクーン』では、自分の思った通りに自分の分身である『アバター』を動かすことができるからだ。
所謂、VRと言うヤツだ。
このシステムは瞬く間に世界中に広まった。
それから5年、初期の筺体はかなりでかかったらしいが、最新の筺体はシングルベットくらいの大きさだ。(これも十分でかいと思うが……)
値段もかなり下がったが、まだ国産の軽自動車を新車で買うのと同じくらいの値段はする。(ちなみに今現在、車は全て電気自動車だ)
買えない値段ではないが、子どものお小遣いで買える値段ではない。
なので個人で所有しているのは、それなりに裕福な家庭かコアなゲーマーくらいだ。
専用の施設はかなり格安で借りられるので、ほとんどの人達はそこで『コクーン』を使用してる。
俺はじーさん――高弟の人達によると結構な孫馬鹿らしい、聞かされた時はかなり恥ずかしかった――がかなりの金持ちらしいので手に入れることができた。
「さあ、早速試してみるか」
もちろん遊ぶのは、『ヴェルガディア・オンライン』(以下『VLO』)だ。
これは『コクーン』の発売から1年後に発売されたVRMMORPGというジャンルのゲームで、今や世界中で人気になっている。
俺も以前からずっとやってみたいと思っていたのだ。
『コクーン』の蓋が開くと中には青いジェルが満たされていて、横たわるとちょうど首から上だけがジェルの外に出る感じになる。
当然、入る時は全裸だ。(なので、専用の施設は全て個室で施錠できるようになっていてセキュリティーのレベルはかなり高い、当たり前だが)
ジェルの少しひんやりとした感触が、何とも言えない。
「その内、慣れるだろ」
今はあまり気にしないことにした。
ちょうど頭のところにフルフェイスのヘルメットのような物がある、これが『コクーン』のインターフェイスだ。
インターフェイスをかぶると『コクーン』の蓋が自動的に閉まり、眩しくないくらいに抑えられた青いライトが点灯する。
ここまで来れば、後はこう呟くだけで良い――
「コネクト」
『VLO』の舞台となる世界――『ヴェルガディア』には、多種多様な種族が存在している。
人族、亜人、妖精、魔族、不死族、そして神族。
かつてはどの種族も共存していたが、ある時些細な切っ掛けで争いが起こってしまう。
その争いは、瞬く間に全種族を巻き込む大戦争へと発展した。
そして、その戦争の結果、それぞれの種族は自分たちだけの種族で国を作った。
即ち、人族の国『桜花』、亜人の国『ウェルテス』、妖精の国『ティルナノーグ』、魔族の国『アーリグリフ』、不死族の国『サーフェリオ』の5つの国だ。
神族は神界に帰り、この『ヴェルガディア』を創造した二柱の創造神にこのことを報告した。
すると、片方の創造神は深く悲しみ、もう一方の創造神は激しく怒った。
その怒りの激しさ故に創造神は邪神龍へと堕ち、『ヴェルガディア』に生きる全ての種族を滅ぼそうとした。
残された創造神は己の身を神龍へと変え、精霊王たちや他の神族の力を借りて、邪神龍を『ヴェルガディア』の西にある島に封印した。
その後、神龍と大精霊たちは邪神龍を滅ぼせる『英雄』を見つけ出すために各地に迷宮を作り、試練を突破した者に神龍の力を引き継がせることにした。
精霊王たちの試練と己が課した試練を突破する者が現れるまで、神龍は五つの国の中心に迷宮都市『グランドティア』を創り、その時が来るまで、神界で眠りに就いた。
これが、『VLO』の公式サイトに載っている公式設定だ。
サービス開始から4年経っているが神龍の試練どころか、精霊王の試練も突破した者がいないほどの難しさだ。
しかし、それでもプレイヤーが離れないのは膨大な数のクエストや定期的なイベント――武道大会など――があるためだろう。
これは『VLO』の大きな特徴の1つだ。
もう1つの大きな特徴として良く挙げられるのが、多種にわたる武器の数と、それに付随するスキルの数の多さだろう。
片手剣、両手剣、刀、短剣、槍、斧に始まり、馬上槍、鞭、大鎌、魔導銃、鎖鎌、トンファーなど、まだまだあるらしい。
しかも、ある迷宮では素材を持って行けばオリジナルの武器が作れるらしい。(知り合いはフライパンとおたまで戦ってる女の子を見たとか……)
スキルにしても、それぞれの武器(『VLO』ではカテゴリーと言う)の熟練度が増すごとに習得できる『アーツスキル』、【索敵】や【気配隠蔽】などの戦闘で役立つ『パッシブスキル』、【鍛冶】や【錬金】などの『サブスキル』と様々なスキルが用意されている。
さらに、『アーツスキル』もオリジナルで作れるらしく(完全にオリジナルのものはかなり難しいらしいが、既存の『アーツスキル』を使いやすく弄るのは結構簡単らしい)、その数はまさに無限だ。
種族も多く、プレイヤーが選ぶことのできる種族は確認されているだけで23種もあるそうだ。
「俺は『人族』だな。ほとんどの武具(武器と防具)を装備できるのが、気に入った」
俺が選んだ『人族』は、どのステータスも平均的(各種族の優れているステータスより一歩劣る程度)でほとんどの武具を装備でき、『魔導兵装』(所謂、レアな武具)も装備できる。
そして転生を繰り返せば、どの種族にも勝てる可能性がある。
ここまで聞くと『人族』はかなり人気がありそうだが、使っているプレイヤーは初心者を除くとほとんどいない。
何故なら、Lvを上げるのに必要なExp(経験値)が他の種族と比べて膨大だからだ。
Lvが上がるごとに次のLvUPに必要なExpが指数関数的に増えていく『VLO』では『人族』を1Lv上げるのに必要なExpがあれば他の種族は2~4Lvは上げる事ができるのだから、どれ程膨大か、わかってもらえるだろう。
「やっとアバターの作成が終わったな」
俺のアバターは黒髪、黒目で身長は180cmくらいで顔もほぼ変えてない(少しは格好良くしたが…)、アバターネームは『ディーン』にした。
特に理由は無いが、何となくしっくりきた名前だ。
「さあ、チュートリアルも終わったし、装備を整えて迷宮を探索してみるか!」
――あれから5年が経った。
この5年で色んなことが変わった。
一番大きな変化はじーさんが亡くなったことだろう。
俺が高校を卒業してからしばらくして、眠るように逝った。
じーさんはかなりの遺産を残していたらしく、見たこともない親戚がかなり来たが、高弟の人達に追い払われていた。
実は高弟の中にはかなりのお偉いさんもいたらしく、じーさんの遺言で家や道場、財産などは俺の好きにさせるように、と言っていたそうだ。
なので道場は高弟の人達に任せた。
悪いようにはしないだろう。
家も俺は離れを使っているので、高弟の人達や門弟たちの寝泊まりなどに使ってもらうことにし、財産は取り敢えず、俺の大学の学費と家の管理費などに使ってもらうことにした。
しばらくは俺もショックだったのか、『VLO』はやらずに朝稽古をして大学に行き、バイトをしながら過ごした。
それからさらに月日が流れて、気づいてみると『VLO』をやり始めた時からちょうど5年が経っていた。
「キリも良いし、久しぶりにやるか」
早速準備して始める。
「コネクト」
「ここに来るのも久しぶりだなぁ」
俺が今いる場所は、プレイヤーホーム(以下ホーム)と呼ばれるプレイヤー専用の家だ。
ホームを持つにはそれなりの金(『VLO』では『ティル』という単位だ)が必要になるが、かなり便利なので上位プレイヤーはほぼ全員持っている。
俺も今や、かなりの上位プレイヤーなので、それなりの大きさのホームを持っている。
なにせ俺は基本ソロでしか活動しない(できない?)のでホームには、かなりの金を注ぎ込んで色々な機能を持たせた。
基本的な神殿の機能(迷宮などで死んだ場合にホームに帰還できる機能。普通は最後に立ち寄った街の神殿に帰還する)を始め、【鍛冶】スキルで武具を製作できる鍛冶場や【錬金】スキル、【加工】スキル、【裁縫】スキルなどでアイテムなどを製作できる工房も作った。
どの機能も大抵の街に行けば金を払って借りることができるのだが、俺はあまり街などに行って目立ちたくないので、ホームに可能な限りの機能を持たせた。
「しかし、当たり前だが変わってないな、ここは……」
懐かしいなと思い、少しの間感傷に浸った……
「いかん、いかん。こうしてても意味はない。装備を整えて、迷宮に潜るか」
装備を整えるついでに、ステータスの確認もしておくことにしよう。
俺の今のステータスはこんな感じだ。
Name:ディーン
種族:人族(転生2回)
称号:人族最強の戦士
Lv:230/500
HP:30000/40000
MP:30000/40000
SP:15000/20000
STR:1500/2000
DEX:1500/2000
VIT:1500/2000
AGI:1500/2000
INT:1500/2000
WIS:1500/2000
スキルスロット:50/100
まず目に付くのは異常なステータスの値だろう。
「我ながら無茶苦茶なステータスだな」
だがこれこそが、俺が『人族』を選んだ理由だ。(ちなみに、左側の数字が現在値で右側が上限値だ)
成長が途轍もなく遅い『人族』だが、各ステータスの上限値はどの種族すらも遥かに凌ぐ。(理由は、『人族』が『神族』に似せて創られた種族だからだそうだ)
『人族』以外はその種族と相性の良いステータス(『獣人』ならAGI、『エルフ』ならINTやWISといった感じ、無論、実際はもっと細かく分かれているが長くなるので別の機会に……)の上限値が1500なのを考えると、『人族』の異常さが良くわかるだろう。
さらに『人族』は他の種族と違い、同じ種族に2回まで『転生』できる。(他の種族は1回だけ)
『転生』とは上限レベル(500)に到達した時に、種族を変更できるシステムだ。
同じ種族に『転生』した場合はその種族の上位種(『エルフ』なら『ハイエルフ』といった感じ)にステータスをそのまま、他種族の場合はステータスの半分を引き継ぐことができる。(俺は当然、2回とも『人族』に『転生』している)
ステータスはレベルアップ時に貰えるポイントを割り振る事で増えていく。(ポイントは1LvUpするごとに10ポイント貰える)
HP、MPは1ポイントで100、SPは1ポイントで50増やすことができる。(これはどの種族も共通だ)
他のステータスは、種族によって1ポイントでの増え方は様々だが、例えば伸びの良いステータスで1ポイントで1.5、伸びの悪いステータスで0.5増やすことができる。(『人族』はどのステータスでも1ポイントで1増える)
このポイントはステータスを増やす以外にもスキルスロットを増やしたり、カテゴリーやスキルの熟練度の代わりにも使えるので、使い方は人それぞれだ。
ただし、俺みたいにステータスにほとんどのポイントを注ぎ込んでる奴は、まずいない……
それもそうだろう、『人族』以外ならそこまでステータスにポイントを割り振らなくても、上限値に達することができるのだから、スキルスロットを増やして戦術の幅を広げたり、熟練度の代わりに使うのが普通だ。(スキルスロットは60ポイントで1つ増え、熟練値は1ポイントで1増える)
熟練度はモンスターなどとの戦闘で徐々に増えていき、Maxで1000まで増える。
熟練度がMaxに達したカテゴリーやスキルは更に上位のカテゴリーやスキル(ハイカテゴリー、Exスキル)に変化することがある。
ちなみに、熟練度も100ごとに上昇率が減っていき900からMaxにするには途方もない努力(苦行?)が必要だ。(しかし、ポイントを利用する場合は必ず1ポイントで1増えるのでかなり便利だ)
熟練度は戦闘以外にも、街にある訓練所や道場などでも増やすことができるが、その上昇率は戦闘での上昇率の1/10以下なので、余程のことが無い限り初心者しか(熟練度を上げるためには)利用しない。
訓練所などの機能はホームにも付けることができるので、俺のホームには道場がある。
普通のプレイヤーにはほとんど意味のない機能だが、俺の場合はステータスにポイントを割り振るために熟練度はコツコツと地道に上げていくしかなかったから、それなりに便利な機能でもあった。
称号を確認すると『人族最強の戦士』とあった。
この称号は、まぁそのままの意味だが、『人族』で最もレベルの高いプレイヤーに与えられる称号だ。(当然、他の種族にも同様の称号がある)
この称号に効果は特にないので、記念や名誉的な称号なのだろう。(そもそも、俺の場合は『人族』自体がほとんどいないので、名誉も何もあったもんじゃないが……)
次はレベルか。
俺のレベルは230だ。
ただし、2回『転生』をしているので総合的に見れば俺のレベルは1230ということになる。
『人族』でこのレベルは異常だろう。
俺が目立ちたくない理由の1つだ。
スキルも特に変わっていない(当たり前だ)ことを確認し、次に装備の確認をする。
「やっぱり、『こいつ』は目立つなぁ」
俺の武具は全てレアな素材から作られた高性能な物だが、これくらいの装備は上位プレイヤーなら多少の程度の差はあるが全員持っているだろう。
しかし、左腕に装備している『こいつ』は別格だろう。
装備欄にはこうある――魔導兵装クラスⅤ『アイギス』と。
『魔導兵装』とは、魔導紋章が刻まれた魔力を込めることで様々な効果を発揮することのできる武具のことで、クラスⅠ~クラスⅤまであり数字が大きくなるほど、レアな物になっていく。
代表的な『魔導兵装』は『魔導盾』や『魔導銃』だろう。
『魔導盾』は腕輪型の『魔導兵装』で、魔力を込めると魔力障壁を展開できる。
『魔導盾』には3つのタイプがあり、展開できる魔力障壁の大きさや展開するまでの時間に差がある。
『バックラータイプ』は、腕輪を中心に半径20cmほどの円形の障壁を0.1秒程で展開でき、防御力は低めだが障壁の展開に必要な魔力も障壁を維持するのに必要な魔力も少なくて済むので、近接戦闘を得意としているプレイヤーが良く使っているタイプだ。
『ナイトシールドタイプ』は、腕輪を中心に半身を隠せる大きさの盾状の障壁を0.3秒ほどで展開でき、展開や維持に必要な魔力は『バックラータイプ』よりは多いものの、防御力もそこそこあるので多くのプレイヤーが使っているタイプでもある。
最後は『タワーシールドタイプ』で、これは腕輪を中心に全身を隠せるほどの盾状の障壁を展開できるが、展開までに0.5秒ほどかかり、防御力はかなり高いが展開時や維持に必要な魔力がかなり多いので、魔術による遠距離攻撃が得意でMPを多く持っている『妖精族』の『エルフ』や『シルフ』のプレイヤーなどが良く使っている。(重さ自体は軽いので、STRの低めな種族でも扱える)
『魔導銃』は名前そのままな武器で、金属製の弾丸の代わりに魔力の弾丸を射出することのできる銃だ。
威力は込めた魔力の量で決まり、込めることができる魔力量はクラスによって変わり、クラスが高い物ほど込められる魔力量も増える。
しかも、クラスが高い物は、込めた魔力を小出しにして連射ができたり、魔力の性質を変化させ
『炸裂弾』や『散弾』として撃ち出すこともできる。
他にも『魔導狙撃銃』や『対物魔導狙撃銃』なんて物もある。
クラスⅠ~Ⅱまでの『魔導兵装』なら、多少の値は張るが街の魔導具のショップに行けば買うことができる。
しかし、クラスⅢ~Ⅳはクエストの報酬だったり、迷宮のトレジャーボックス、ボス級モンスターのドロップでしか手に入らない。
しかも、クラスⅤに至ってはプレイヤーの間で存在が確認されているのは、公式サイトで公開されているロングソード型の魔導兵装クラスⅤ『ラグナレク』だけだ。(入手したプレイヤーは未だいない)
なので、クラスⅤの『魔導兵装』は全プレイヤーが血眼になって探している物なのだ。
「何の因果で、俺がこんな物を持ってんだろうな……」
『アイギス』を手に入れた時のことを思い返してみる……
その頃の俺は、もう少しで1回目の『転生』ができるレベル495だった。
しかし、『人族』のプレイヤーは基本的に他のプレイヤーから嫌われている(酷い時にはPKされたりもする)のでパーティーを組めるはずもなくソロで迷宮に潜っていた。
あの時は、確か『火の精霊王の迷宮』に潜っていたはずだ。
そして最深部まで辿り着き、ボスモンスターを倒して帰ろうとしていた時、部屋の隅に『歪み』があるのを見つけた。
『歪み』とは二柱の創造神に並ぶ大神である『時空神ディオス』が気まぐれで創るモノで、『歪み』に入ると大抵は迷宮の外に放り出されるが、偶に宝物庫に繋がっていて『魔導兵装』やレアな武具を手に入れたプレイヤーもいるようだ。
「どうせ帰るところだし、試しに入ってみるか」
ちなみに、俺は今まで外に放り出されたことしかなく、この時も帰る時間が短くなってラッキーくらいにしか思ってなかった。
『歪み』の向こう側は小さな部屋になっていた。
てっきり外に放り出されるものだと思っていた俺は、しばらく茫然としてしまった。
「これが噂に聞く宝物庫か? それにしては、何にも無いぞ」
上がり始めたテンションが、瞬く間に下がっていく。
「ハァ~、期待して損したな。帰るか……」
諦めて帰ろうとした時、部屋の真ん中辺りで何かが光った。
「あれ? さっきまで、あんなトレジャーボックスあったか?」
あんな部屋のど真ん中にあったら、気づかないはずはないんだが……
「まぁ良いや。取り敢えず、開けてみよう」
【罠確認】のスキルで罠が無いことを確認し、開けてみた。
「これは『魔導盾』か?」
中には腕輪が入っていた。
まず間違いなく、『魔導盾』だろう。
取り敢えず、腕輪をインベントリに収納し名前を確認してみる。
「なっ!?」
そこには魔導兵装クラスⅤ『アイギス』とあった。
「クラスⅤだと!! あり得んだろ!!」
もう一度確かめてみる、やっぱりクラスⅤとある。
しばし愕然となったが、驚きが過ぎ去ると半端ではない喜びが湧いてきた。
なにせ、全プレイヤーが探し回っているクラスⅤの『魔導兵装』を手に入れたのだ。
「と、取り敢えず装備してみるか……」
装備ウィンドウから『アイギス』を装備してみる。
『現在のステータスでは装備できません』
「…………」
当たり前か……
最高位の性能を誇る『魔導兵装』を、『転生』すらしていないのに装備できるはずがなかった。
喜びが大きかった分、落胆との落差がキツい……
ちょっと泣きそうだ……
「いや、これからレベルを上げていけば、いつか装備できるはずだ!! 気持ちを切り替えよう」
しかし冷静に考えてみると、これは厄介な物を手に入れてしまったのかもしれないな。(嬉しいことには違いないが……)
それには1つ理由がある。
ここしばらく、『VLO』の攻略は停滞している。(それでも、することは色々あるので飽きはしないが)
それは神龍の迷宮の攻略が、200階から進まないのだ。
200階に異常に強力なボスがいて、様々なパーティーが挑んでいるが全く歯が立たないのだ。
過去に何人ものプレイヤーがゲーム会社にバランス改善のメールを出したそうだが、返信されてきたメールには、毎回『条件が満たされていないだけです』という主旨の内容が書かれていたらしい。
それから、プレイヤーたちはその条件を探し始めた。
最有力の仮説は公式サイトにもあるように、各精霊王の試練をクリアするというものだ。
精霊王の試練というのは各地にある『精霊王の迷宮』をクリアする事と思われていたが、いざクリアしてみても何らかの証が貰える訳でもなく、精霊王に会える訳でもなく、何も起こらなかったのだ。
それでも根気強いプレイヤーたちは、普通にクリアするだけではダメなのでは?――と様々な方法でクリアを目指した。
ある者はソロで、またあるパーティーは最速で、また別のパーティーはボス以外のモンスターを殺さずに……
実に多様な方法が試みられたが、一度として精霊王に会えた者はいなかった。
そこで次に候補に挙がって来た仮説が、クラスⅤの『魔導兵装』を集めるというものだ。(これには精霊王の試練のクリア報酬なのでは?――という意見もある)
今現在、最有力なのはこの仮説で、全プレイヤーがクラスⅤの『魔導兵装』を探し回っているのである。
「これは迂闊に持っていることを知られると、下手をすればPKされて奪われるな。例えそこまでいかなくても、根掘り葉掘り質問攻めにあうことは目に見えてる。隠しておいた方が良さそうだな」
幸い俺はソロプレイヤーなので、基本的に他のプレイヤーとは繋がりがほとんどない。
何とかなるだろう……
そうして、俺はこの『魔導兵装』のことは秘匿することに決め、迷宮を後にした……
その後レベルアップのついでに他の『精霊王の迷宮』にも潜ってみたが、クラスⅤの『魔導兵装』を見つけることはできなかった……
それから、俺は人気の少ない迷宮に籠り、ひたすらレベル上げに勤しんだ。
そして1回目の『転生』を行い、試しに『アイギス』を装備してみた。
今度はちゃんと装備できた。
それにしても、凄まじい性能だ。
魔導兵装クラスⅤ『アイギス』
常時…精神異常、毒、麻痺、即死攻撃無効化
魔力障壁展開時…物理ダメージ90%カット、全属性ダメージ100%カット、龍種のブレスによるダメージ100%カット
特殊固有スキル…【SP減少半減】、【取得経験値倍加】、【障壁展開制限解除】
『アイギス』そのものの性能もあり得ないが、固有スキルがさらに凄い。
【SP減少半減】と【取得経験値倍加】は、スキル名そのままの効果だ。
【障壁展開制限解除】は、展開できる障壁の大きさを自在に変えることができるスキルのようだ。
さらに展開速度も、他の『魔導盾』に比べて半分ほどになっている。
どの固有スキルも魅力的だが、『人族』の俺にとって最も魅力的なのは、【取得経験値倍加】だろう。
成長が遅いのが唯一にして最大の欠点の『人族』には、これほど嬉しいスキルは他には無いだろう。
『アイギス』を入手した時のことと、『アイギス』の出鱈目な性能を改めて確認した俺は、他の装備もざっと確認し、ウィンドウを閉じた。
ちなみに、俺が必要以上に目立ちたくないのも、『人族』にしてこんな高レベルに到達しているのも全て『アイギス』が最大の要因だ。
次は道場に向かうとするか。
俺がホームに作った道場は、俺が扱える全ての武器(魔術を含む)の熟練度を上げれるようにしたために、かなりの広さになっている。(流石に俺の対物魔導狙撃銃は、最大射程が2kmもあるので無理だ)
一通りの武器の『アーツスキル』を確認していく。
俺はただでさえ珍しい『人族』なのに、さらに珍しい【多重武装】のスキルをマスター(熟練度Max)している。
【多重武装】とは普通1つしか装備できないメインウェポンを、熟練度に応じて最大5つまで装備できるようになるスキルだ。
珍しい(というか人気の無い)理由は、1つのメインウェポンでも熟練度を上げるのに非常に苦労するのに、さらに2つも3つもメインウェポンを増やしても、どの武器も中途半端になることが火を見るより明らかだからだ。(実際、そんなプレイヤーはかなりいる)
しかし、俺はソロなのであらゆる状況に対応できるように、このスキルを選んだ。
幸い、俺には『アイギス』があったので、熟練度上げもそれほど苦にはならなかった。(【取得経験値倍加】の効果が熟練度にもあったため)
そんな訳で、俺は5つまでメインウェポンを装備できる。
俺のメインウェポンは【片手剣】のハイカテゴリー【魔法剣】、【両手剣】のハイカテゴリー【斬馬剣】、【刀】のハイカテゴリー【二刀流】、【魔導銃】のハイカテゴリー【双銃】と【大鎌】だ。(【大鎌】にはハイカテゴリーが無い)
これに、常に使える【格闘術】を組み合わせたものが、俺の基本的な戦術だ。
この6つのカテゴリーの熟練度は当然Maxまで上げている。
他にも状況次第で換えられるように使える武器はあるが、最も使い慣れているのはこれらだ。
常に実体化させているのは【双銃】で、腰の後ろの留め具に留めてある。
後1つは、使い慣れている【二刀流】の刀を実体化させてあることが多い。
武器を変更したい場合は『換装』と心の中で思うか、口に出せば良い。(後者はかなり恥ずかしい、というか痛いので俺はやらない)
そうすれば、0.2秒ほどで武器を変更できる。
近接戦闘中にはちょっと使いづらいが、いちいちウィンドウを開いて変更するよりは格段に早い。
そうこう考えている内に一通りの『アーツスキル』の確認が終わったので、いよいよ迷宮に行きますか。
「とは言っても、俺が行ける迷宮はあそこくらいか……ハァ……」
理由は当然、目立つことができないからだ……
「相変わらずだな、ここは……」
ここは『闇の精霊王の迷宮』だ。
この迷宮は『VLO』に存在する全ての迷宮の中で、最も人気の無い迷宮だ。
理由は幾つかあるが、まず暗い。
【暗視】スキルか暗視装置を持っていなければ、まともに進めないくらいだ。(俺は【暗視】スキルをマスターしている)
2つ目の理由としては、臭い。
下層はそうでもないが、上層は生ごみの腐ったような匂いが充満している。
慣れてしまえば気にならないが、好き好んで潜りたくはないだろう。
そして、匂いの原因にして、不人気の最大の理由がここに出現するモンスターの種類だ。
もうわかってもらえると思うが、ここのモンスターは『ゾンビ』などのアンデッド系だ。
しかも、矢鱈とリアルなのでその恐怖感はかなりのものだ。
この3つの理由から、この迷宮は女性プレイヤーを始め、ほとんどのプレイヤーから嫌われている。
しかし俺には色々と都合が良いので、レベル上げなどにお世話になった迷宮だ。
「相変わらず、ここのモンスターはキモい!!」
近寄ってきた『ゾンビ』5匹を大鎌で切り払う。
『ゾンビ』はキモいが動きは遅く、それなりに経験値を持っているおいしいモンスターだ。
この『闇の精霊王の迷宮』はかなり高難易度の迷宮でモンスターのレベルも高いが、俺の異常なステータスの前では苦労する相手でもない。
『カサッ、カサカサッ』
俺の耳にこんな音が聞こえてきた。
「これはアイツか……」
この迷宮でこんな音を出すモンスターは、アイツしかいない。
「近付かれる前に、倒してしまいたいな」
俺は腰の後ろから双銃の片方を抜き左手に構え、右手には愛刀を構えた。
アイツは何処からでも襲ってくるので、油断なく周りを警戒する。
その時、フッと頭上に気配を感じた!!
慌てて見上げるとかなり近くに、全長1mほどのGで始まる『あいつ』がいた。
こいつの名前は『ギガローチ』、要するにでかいGだが、全モンスター中最も嫌われているモンスターだ。(俺も初めて見た時は逃げた……)
「チッ」
後ろに飛び退きつつ、左手の魔導銃に魔力を込め、すかさず撃つ!
「よし」
魔力の弾丸は、狙いを違わず『ギガローチ』を撃ち貫く。
しかし、こいつは1匹見れば5匹はいるので覚悟を決める。
「やってやろうじゃねぇか」
俺は武器を構え、『ギガローチ』、『ゾンビ』、『グール』の群れに突っ込んだ――
「ふぅ~、終わったな」
最下層のボス『ゾンビドラゴン』を倒し、一息吐いた。
取り敢えず、HP、MP、SPの回復速度を速める『キュアポーション』を飲んでおく。(ちなみに、この『キュアポーション』はサイダーみたいで中々美味い)
「さぁ、帰るか」
ボス部屋の奥にあった、トレジャーボックスも取ったことだしな。(中にはそれなりの額の『ティル』が入っていた)
そのとき、ある物が目に入ってきた。
『歪み』だ。
「何!?」
脳裏に『アイギス』を入手した時のことがフラッシュバックして、動悸がしてきた。
あの時と状況が似ている。
「入ってみるか……?」
何となく嫌な感じがしたが、俺は『歪み』に入っていった――
「何処だ、ここ……?」
『闇の精霊王の迷宮』に匹敵するくらい暗く、かなり広い空間だ。
【暗視】スキルを起動し、奥に進んでいく。
「何だあれは……?」
奥に小山のような影が見える。
急速に悪寒が全身に広がっていく。
『GYAAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!』
「ぐわっ!?」
凄まじい叫び声だ。
やばい、やばい、やばい……
何て存在感だ。
膝がガクガクする……
その時、フッと影が横切った。
『バキィィィ!!』
「ッ!!」
な、何だ!?
全身がバラバラになりそうな衝撃が襲ってきた。
「グハッ!!」
壁まで飛ばされていた。
一体何m飛ばされたんだ……
HPゲージを確認すると一撃で1/4も減っていた。
「あり得ねぇ……」
しかも、体を見てみると鎧がボロボロになっている。
いくら軽装鎧とはいえ、レアな素材を使った現時点では最高級の装備なのだ。
それがたった一撃で破壊されるとは、とてもじゃないが信じられない。
「これが邪神龍『ティアマト』か……これは死ぬな……」
圧倒的な力の差を感じる。
しかも、『ティアマト』の方を見ると、身体を包んでいる邪気か瘴気のようなものから、次々と魔物を産み出している。(魔物とはモンスターと違い、『邪神龍の眷属』といわれるものでモンスターよりも凶悪で凶暴だ)
もうすでにかなりの数を産み出していて、魔物たちがこちらに迫ってきている。
「逃げるのは……無理か……」
『歪み』はすでに消えているし、見渡せる範囲に出入り口のような物は無い。
「死ぬのは確実としても、せめて一撃は喰らわせてやる!!」
覚悟は決まった。
しかし、鎧を破壊された以上『ティアマト』の一撃を喰らえば即死だろう。
その前に、こちらの最強の一撃を喰らわせなければならない。
俺の使える『アーツスキル』の中で最も威力があるのは斬馬剣のアーツスキル『ファイナリティ・エッジ』だ。
武器を斬馬剣に換装し、俺は魔物の群れに突っ込んだ。
当たるを幸いに、魔物を次々と屠っていく。
『リザードマン・ロード』の首とその隣にいた見たこともない魔物の上半身を斬馬剣で斬り飛ばしつつ、反対側から飛びかかってきた『コボルト・キング』の頭を【格闘術】のハイカテゴリー【闘気術】で闘気を纏わせた左手の拳で打ち貫く。
そのまま体を回転させ、『コボルト・キング』の後ろから飛び出してきた『アビスジーガ』を闘気を纏わせた蹴りで吹き飛ばす。
囲みが崩れた隙に、上空から魔術を放とうとしていた『ワイバーン』を左手で抜いた魔導銃で撃ち貫く。
『ワイバーン』がポリゴンを撒き散らしながら爆散するのを横目で見つつ、近づいてきた魔物を魔導銃の銃身に下向きで付いている刃で斬り裂く。
フッと悪寒を感じ、『ティアマト』の方を確認すると、頭を引いて溜めのモーションに入っていた。
「マズい、あれはブレスのモーションか!?」
急いで『アイギス』にありったけの魔力を込める!!
次の瞬間――
『GOAAAAAAAAAAAAA!!』
『ティアマト』の口から闇の奔流の如きブレスが放たれる!!
「くぅぅぅぅぅぅぅ!!」
『アイギス』はブレスを100%カットするはずだが、凄まじい衝撃だ。
衝撃が収まった後周りを見てみると、あれほどいた魔物がほとんど消し飛んでいた。
「何て威力だ……」
だが邪魔がいなくなった、これはチャンスだ。
俺は斬馬剣を構え、【加速】のExスキル【縮地】でまさに瞬間移動のようなスピードで『ティアマト』の懐に飛び込む。
そして、『ティアマト』の首に『ファイナリティ・エッジ』を叩き込む!!
アーツスキルによる紅い閃光を纏った刃は『ティアマト』の丸太のような前足で防がれる。
「構うかぁぁぁぁぁ!!」
かなりの抵抗を感じたが、俺はそのまま斬馬剣を振り抜いた!!
『GYAAAAAAOOOOOOOOOO!!』
風を感じ咄嗟に顔を引いた。
『ザクッ!!』
左目から胸の辺りまでを掻き毟られたような痛みが走る。
その瞬間から左側の視界が真っ暗になった。
「クソッ!!左目を潰されたか……」
現実でこんなことが起こればこの程度の痛みでは済まないが、これはあくまでゲームだ。
痛みはある程度抑えられている。
しかし、今回の左目のように部位欠損が発生すると、しばらく不快感が続く。(戦闘が終了すれば修復できる魔術が使えるし、神殿に行って金を払えば修復してもらえる)
『ティアマト』の方を確認してみると、斬り飛ばした腕が瞬く間に再生していた。
「なッッ!?」
再生を行う魔物やモンスターには出遭ったことはあるが、この再生速度は異常だ……
「これは駄目だ……どうにもならん……」
諦めの気持ちが湧きあがってきた……
『ティアマト』の尾が迫ってくるが避ける気力も湧かない……
「ここまでか……」
次の瞬間、激しい衝撃が襲い視界に幕が下りてきた……
何て言うか……、長いですね。
途中で切ろうかとも思いましたが、結局最後までいってしまいました。
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それではまた次話で。