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行宗道子の浮かび上がる過去4

「あのー、そのー、滝川さんとはその後はどうなったんですか」

 ここでも桜木が好奇心に駆られて聞き続けている。

「妹は両親の反対を押し切ってまで一緒になろうとしたから勘当されました。それで京都まで押しかけて一緒に暮らしたようです。でも結局は滝川さんとはそのあと妹から連絡が来なくなってそれ以後は解らないのよ」

 だからなにも言ってこないから、今もその後の経過は解らずじまいらしい。

「そうですか、あの写真に写ってる車は当時としては最新の水冷式エンジン車ですね」

「あの車は自慢していたそうですよ、そうまだ中古車の空冷式が結構走ってましたからね。水冷式って言うのは新車でも、ちょっとお値段もしたでしょうね」

「それを滝川さんは買われたのですか」

 空冷はエンジンをそのまま露出させて載せてあるが、水冷式エンジンは他に余分な冷却装置を載せて絶えず水を流して循環させるから空冷に比べてお金と手間が掛かる車だ。

「大企業で中年の役職者ならいざ知らず、あの人は若いのに結構、車にはお金を掛けてましたからね」

「二人が行き詰まったとすればその辺りですか」

「それもあるかも知れないけれど、あたし達とは遠く離れて暮らしていたからハッキリしたことは分からなかったし、妹は殆ど連絡しないのよ、だから今まで亡くなった山下さんと住んで居たのも知らなかった次第ですから」

「じゃあ滝川さんについてもご存じないでしょうね」

 気落ちする桜木を見て、励ますように彼女は滝川について語ってくれた。

「それでも滝川さんについては、道子の居場所を知らせて欲しいと謂う手紙を再三にわたって貰ってるから居場所は分かるけれど、最近では四、五年前で、今は歳も八十に近いらしいからお元気かどうか解らないけれど……」

 と語尾は不安げに濁された。それで道子さんが住民登録を避けたのは、滝川さんに知られたくなかったのではないか、という疑問が新たに湧いて来た。


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