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行宗道子3

 まだ確定ではないが、道子さんが山下姓だけならこうも簡単に糸口は見つからなかった。やはり苗字は本当に大事で、これで自分の氏素性の由来が解ると今回はしみじみと感じた。

「だからこの中では俺の米田姓が一番軽く感じられる。それで急にこの追跡調査が気になってきたんだ」

 家柄はともかく橘と片桐なんかは格式が在るように見えても、本人達はどうだろうと米田は名前に嫉妬しているようだ。

「米田、お前は気にする柄じゃないだろう」

 桜木に云われて、其れもそうだと直ぐに納得して尾を引かないところがみんなには受けている。

 車は宍道湖をぐるっと回り込み、その北側の美保に在る二階建ての老人ホームに着いた。ここは中海側と違って日本海に付き出た小さな漁港以外はなにもない場所だ。そのせいかこの建物は静かな保養センターのような感じを受けた。ここでは季節を巻き戻すように桜の蕾みはまだ固かった。

 今度は全員が車から降りて中へ入ると、ロビーの隅にある受付には、片桐夕紀が一人で聞きに行った。残りはロビーにあるソファーセットに座り込み、夕紀の母は運転で走り詰めで凝った身をくつろいでいる。

 夕紀が事情を説明して面会を求めると、受付のおばさんは内線で伺った。

 ここはちょとした高台でロビーからは日本海が一望できた。

「こう謂う処に在る老人ホームって静かで良いけれど、周りは山でなにもないのに唯一、開けてる海も夜は真っ暗で、せめて反対側なら宍道湖と松江の夜景が見えて良いのに、ここは何にも見えないから夜は寂しそうね」

 優香は地元の橘美紀に話しかけた。

「あたしも、ここは来た事がないから知らなかったけど、いつも見る宍道湖の山の向こう側ってこんなに殺風景なんだ」


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