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行宗道子2

 美紀には、道子さんには興味を持たない米田が何で付いて来るのか解らないが、桜木の話には残念ねと肩を持った。当然この旅は夕紀と美紀が積極的に関わっている。今も三人はこれから行く恵子さんに話題を振り向けて、関心の無い米田は論外だ。 

「お姉さんの恵子さんはもう八十近いらしい」

「で子供は?」

 無視された桜木もこうなれば小泉八雲伝に代わって、これから行く恵子さんの話に乗ってきた。

「そこまで調べてないらしいの」

「そりゃそうだろうな。さっきの行宗さんにしたって忘れていた系図まで引っ張り出して調べてくれたからなあ、俺ならそこまでやらんよ」

 これはまずいと一人だけ蚊帳の外を嫌う米田もやっと関心を示した。もっとも母親は物見遊山らしく運転に徹してずっと蚊帳の外だった。

 どういう風の吹き回しかと夕紀は驚き、美紀も珍しく反応しながらも、行宗家では外で待たした三人に説明した。

 当家の行宗家は調べてもあんまり著名な人がいなくて、家の人もこの系図は家宝にはならないとぼやいていた。息子夫婦もこんな物が納屋の奥に眠っていることさえ知らなかった。だからわしが亡くなったら永久に日の目は見ないところだった。それを丁寧に書き写してくれて感謝された。と美紀は変な処で誤解されて、広めるためにやったのじゃないと訂正しなかったのを悔やんでいる。

「それは訂正しなかったのが俺は正解だと思う」

 と米田か言うから、美紀はちょっとびっくりしたようだ。

「どうしてよ」

「だってそうだろう。あの人は希少価値のある自分の姓を広めてくれれば自慢の種になると思いきや、そうじゃあない。孤独死の身元調査に他ならないと知ればがっかりされるよ」


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