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美紀の実家へ3

 三人を乗せると、そのまま後は何処にも止まらずに、一気に名神豊中から中国縦貫道に入る。高速に入ると街中の喧騒から遮断された車の中は完全な個室になる。後は母が運転する車の単調なエンジン音が響くと、居眠りをし出す者も出始める。ここが学生と社会人の違いだと、母に弁明してしまえばそれまでだが。母は何処まで気にしているのか、黙ってハンドルを握り続けている。スピードメーターは百キロを超えた辺りで止まったように動かない、それだけ足で調整してくれている。後ろを向くと美紀は窓から外の景色を見ていた。ああ、ちゃんと起きてくれている人もいたとひと安心した。それが実家に向かう美紀なのが心強い。

 高速に入って一時間も走れば、中国横断道路に入って日本海側に向かった。そこから三十分で米子に着いて、高速道を降りて海が見える国道九号線を走り出すと、車内はみんな元気に騒ぎ出した。直ぐに宍道湖が見えてくると美紀が俄然張り切り出す。

「美紀、こっからあんたの出番だからしっかりナビゲーションを頼むわよ」

 任しておいて、と美紀は後から身を乗り出して来た。

「美紀の家はまだ遠いの」

「ううんもう少し先だよ」

 宍道湖はいつ見てもいい。此処で生まれたことに誇りが持てるのもこの湖が有ったからと言うと、でも琵琶湖の方が大きくて広々として、それに比べると貧弱だと米田に言われた。

 これに美紀はまた頭に来たようだ。

「あれじゃあ桜木くんの言う可愛さ余ってでなく、憎さ足らずに百倍じゃあないの」

 それは違うだろうと米田を擁護する一方で、米田にはお前ももっと女ごころを汲んでやれよ、気の利かんがさつな奴だ。それでは女は寄り付かないぞと桜木は呆れる。


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