祖母の便りを待つ2
桜木は夕紀の祖母がいかにしっかり者か聞き出すと、祖母の見る目に狂いはないが、幾ら全国を観光しても限りがある。
「だがなあ、道子さんはもう四十年も関西に住んで居たそうじゃないか、そこを多少は割り引く必要があるだろう」
と言うのも島根の方言は早とちりで広島、鳥取、山口県辺りの訛りと取り違えもあると桜木は見ている。それよりも資料を分散して当たれば効率は良くなるが、今回はそれが裏目に出た。夕紀の気まぐれで見つけられたが、このまま見落としていればとんでもない事になってしまう。それでも島根の行宗家から、道子さんとの繋がりが見つからなければ、また作業は振り出しに戻る。
「しかし、さっきも言ったとおり米田は責められんぞ」
「それは解るけど、もっと情報を共通させて横の繋がりをもっと密にする必要性が有るんじゃないの」
「夕紀の話に異論はないが、そもそも何で米田がこれだけ深入りしてくるのか俺には解らんよ。それより残りの私物が入っていた箪笥などの家具は米田に頼むしかないからなあ」
それにあれだけの本をフリーマーケットで売るのなら、石田や北山にも手伝ってもらわないと売れ残れば、またあの家に戻すとなると大家さんが困るだろう。
「それよりは親類に道子さんの名前が載っていれば、あの写真を持って確認に行かなけゃあならないね」
確認に実家へどう帰るか美紀は「いつ頃解るんだろう」と楽しみにしている。
「事情を説明して直ぐにって言う訳にはいかんだろう。やはり先方の都合もあるからなあ」
桜木は言うが、おばあちゃんは良いと思えば直ぐに行動を起こすけど、美紀には米田が気に障るらしい。




