新たな遺品の発見4
軽トラが来るとさっそく石田と北山に、電化製品とダイニングセット、ソファーセット、ベッドに椅子等の調度品に限定された家具の運び出しを頼んだ。これに桜木と米田も加わった。私物が収まっている机や本箱やタンス類は今回は置いておく。しかもリサイクル店で売れる物に限定されて男四人はそれを選んで運び出しに掛かった。
夕紀と美紀だけが引き続いて道子さんの痕跡が遺る私物を調べる。軽トラは三回分で調度品を運び終えた。残りは私物が収まっている家具と本だけが残り、石田と北山は三回目を運び出すとそのまま帰り、軽トラを返却して彼らの仕事は終わる。石田と北山は運搬途中で昼食を摂り、残り四人はその場でコンビニの弁当で済ませた。
一階の水屋にある箪笥は終わり、昼から石田らが三回目を運び出した頃に、二階の茶箪笥から最後に残った小さな引き出し類を調べた。そこで美紀が引き出しを引きすぎて落としかけた。桜木はその引き出しが少し短いのを見て、抜いたタンスの奥を覗くと品物が見えた。
「変だ、なんで人目のつかないこんな所にあるんだろう」
桜木の指摘にみんなも首を傾げた。
暗くて狭い奥に、思い切って手を突っ込んだ。そこで桜木が古くなった布で巻かれ、手に乗るほどの細長い小物を見つけた。みんなが注目する中で、何だろうとその古い布を慎重に広げると、中に印鑑のケースらしき物が出てきた。
「可怪しいなあ通帳に印鑑類はここにはなくて、大家さんが然るべき処へ預けてあるはずなのに」
通帳に記された遺産でみんな大騒ぎしていた。
夕紀が手に取って開けてみれば、それは当家とは違う変わった苗字が彫られた印鑑だった。




