祖母の見立て2
落ち着いたところで、向こうで美味しいお茶でもと祖母は起ち上がった。
喋り方の癖に気付いてもらえるか、話の出だしに思案した二人だったが、これでスッカリと祖母に気に入られて、居間からキッチンテーブルに座り直した。そこで二人はばあちゃんが淹れてくれたお茶で寛ぎ出した。
夕紀が国道沿いに出来たお店を話すと、アレはもう五年前から知ってるそうだ。
「どうして知ってるの」
「浩三の店が出来てから食材の仕入れが生協じゃあ手に入らない物が有るの、それで浩三に聴かされてチョコチョコ行きだしたんだよ」
「あッ、そこで山下道子さんと確か知り会ったんだねおばあちゃんは」
夕紀はこのタイミングで山下道子さんを持ち出した。
「ああ、そうそう夕紀ちゃんは良く思い出してくれたわね」
ばあちゃんは熱いお茶をすすりながら、山下さんは背筋もしゃんとしてしっかり歩いてらっしゃったからお歳を聞くまでは七十代とは思わなかったわ、と云う処は宇田川さんと同じ見立てだ。そこから玄関で倒れてもまだ暫くは意識はあったのかも知れない、と夕紀は想像してみた。これには美紀も同感だ。
「それがまあ気の毒に亡くなられて、もっと早ように知り合っていればねぇ。気兼ねなく連絡してくれたかも知れないから悔やまれるわね」
「そうだねー、……それでばあちゃんが生協に頼んだのは近くにそう言うお店がなかったからだ、じゃあご近所はそこで食材を求めていたのか」
「でも野菜なんかは近くに畑があるからそこで分けて貰ってたの、もちろんお金は払うけどまあお野菜だけは新鮮なのが一番ね。特に夏のトマトなんか瑞々《みずみす》しくって美味しかったわよ」
「じゃあ山下さんは多分ご主人が車を使っていたからあの国道沿いのコンビニで買ってたんだ。そして亡くなってからは歩いて行ってたんだね」
夕紀に促されてばあちゃんもそうだと頷いた。




