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祖母の見立て1

 芳恵は孫の夕紀ゆきが帰って来ても、いつもと変わらず特になにもしないで、奥の居間で寛いでる。だが今日は珍しい来客に目を留めた。

「おやまあ夕紀のお友達なの珍しいわね。家まで連れてくるなんて」

 連れて来たくなくとも、おばあちゃんを無理に三千院に誘うより、夕紀の方から出向いただけだ。そこですかさず美紀が挨拶をした。

「あら地方から来ているの?」

「解りますか」

 流石はばあちゃんだ。美紀の言葉のニュアンスを立ち所に聞き分けたようだ。先ずは上々と夕紀は安堵した。美紀が島根から来ていると聴いて、ばあちゃんは「おやおや随分遠い所から、じゃあ寄宿舎、あ、最近はかなりモダンなワンルームが流行っているそうね」と言われても「似たようなもんだけどちょっとランクが落ちるけどロフト付きだから広くて良い」と言うとロフトってなに? と来たから簡単に屋根裏部屋って答えると益々祖母は困惑してきた。

「ばあちゃん、入り口の流しとバストイレの居住空間でない上に、物置か寝室になりそうな天井の低い中二階のような部屋があるの」

 おやまあどうして上がるの、ときたから「階段でなく梯子で登るの」と説明すると一度お邪魔して見てみたいと言い出した。そこで丁度テレビがリフォーム番組なのかロフト付きの部屋を映していた。夕紀が慌てて「ばあちゃんアレアレ」と指さして解説して見せた。

「子供の頃の秘密基地みたいで良いわねぇ」

 それどころか登ってみたいと言い出すから流石の夕紀も「落ちたらどうするのよ。骨折だけじゃ済まなくて寝たっきりになるかも知れないわよ」と言い出すと「それもそうね」とこの話はやっと一段落した。これには美紀もただ唖然とした。


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