表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/157

美紀は夕紀の家に4

 両親が一緒に成るときに見つけた物件だが、離婚して母が出て行くと、こんな風な屋根にしてしまった時、父はおばあちゃんとは毎晩議論していたのを子供心に覚えていた。居間であたしがテレビを見ていて、キッチンテーブルではデッサンされた物を見せては、ああだこうだと言って、眠たくなって二階の部屋へ行った。

「そうだろうなあ、矢っ張りおばあちゃんは、あれでは目たちすぎて反対だったんだ」

「いや、そうじゃないのお陽さんを取り入れるだけの窓じゃあダメってばあちゃんが言って、じゃあどうするってなってばあちゃんがあの破風窓に決めちゃったの」

「エッ、それじゃあ、あれはおばあちゃんが決めたのッ」

 どうやら父も驚いたが反対しなかったどころか、面白いって言っちゃって決めたらしい。これには美紀も開いた口が塞がらない。よくよく聞くとおばあちゃんは任された孫がテレビを見ていても「勉強しろッ」なんて何にも言わないどころか「なるほどねぇー、面白いわね」と孫と一緒になって見ることもある。

「それで良く京大受かったねぇ」

 と美紀が言うと、テレビは社会科のお勉強とおばあちゃんに言い流される。それと受験勉強とどうリンクしているのと聞けば、視点を変えればどんな問題が出るか見えてくると彼女が言うから。それって予備校の教師に向いてると揶揄からかわれた。

 とにかく面白可笑しく繕って、夕紀はただいまと玄関を開けた。余り広い家ではないから直ぐに奥のばあちゃんに伝わったらしく。お帰りと直ぐに顔を合わさずに反響が来るから美紀も、素早い反応に耳も遠くなく、これで七十八歳? と驚き、何なのこの家はと美紀は少し戸惑いを隠せない。

 でもまあいいか、天才と奇才も似たもので紙一重で繋がっていると言うから、案外面白い話が伺えるかも知れない、と美紀は勝手に決め付けて敷居を跨いだ。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ