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苔むす庭の石仏2

「でも一番愛し合っていたのはあの向かい合ってる石仏のような二人なのに、その子供達がどれだけ親を愛しているのか、疑問であってもその権利だけは絶大なのよね。逆にどんなに深く結ばれていても、内縁関係だと法的には弱者になる。それが余りにも切なすぎる」

 と夕紀はしみじみと云う。

「なんか夕紀らしくない。二人の愛が確かならそれで良いんじゃない。屁理屈な考え方ッ」

「でも夕紀さんの云うのは一理あるわね。だっていちいちそんなもの考えて恋する人なんかいないもんね。本当の恋は盲目、相手以外何も見えないから感動するのよね」

「鋭い、宇田川さんも恋した事があるんだ」

 エヘヘと彼女は誤魔化し笑いをしても、それが可愛く見えるから、恋した人は得かも知れない。

「夕紀ちゃんはないのね」

 ちゃん扱いと来たか。そうハッキリとは言えないが、高校時代にクラスメイトの男の子を好きになった。多分あれば立原道造と水戸部アサイのような、プラトニックな恋なんだろう。今度桜木にこの二人の恋が、どんな恋か聞いてみたいものだ。

「そう言う美紀は本当に桜木を思っているのか」

「これからよ。だって恋は二人で作るもん」

 なんか判ったような判らんような講釈を並べ立てて、要するに恋に目覚めたっていうことか。そうやってペチャクチャ喋りながら三人はお堂を巡り、変わった石仏を見つけては独自目線で批評を加える。そうするうちに壮麗な堂内に鎮座する仏像よりも、風雨にさらされた石仏に親しみが湧く。

 国宝とただの石仏と言ってしまえばそれまでだが、見詰め続けると訴えかけるものに違いがないように見える。仕舞いにはここに埋もれる石仏は、村はずれの石仏より、果報者ものかも知れないと言い出した。


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