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今日の反省会1

 四人は取りあえず、中里介山の大菩薩峠全二十巻だけを、四人が分散して出町柳に有る桜木のアパートに運ぶことにした。男は六冊、女は四冊に分けて近くのバス停まで歩く。B5の箱入り全集六冊は四キロは有るだろうか。重いと米田が何でこれだけ運ぶんだとぼやくが、彼女たちも四冊で三キロになる。だけどバスに乗ってしまえば膝に抱えていれば楽勝だろうと急き立てた。

「米田ぼやくな、お前の想定外のやつをわざわざ外してやってるんだ」

 魂胆は別にして、売れにくいなら貰うと美紀が言った本を、処分する品物に紛れ込まないように先ず外した。

「アラ、じゃあ立原道造のはいいの?」

 夕紀の問いに、どうやらここには立原道造のめぼしい本は余りなかったようだ。

「ああ、なかった。それに文庫本の方が嵩張らなくて良いからなあ。こう言う装丁の凝った本は案外と見てくれで全集を揃えている奴もいるからなあ」

「あの家もそうなの」

「会ったことのない人にそんな判断出来るわけがないだろうが、来客が少なければあの全集は飾りじゃないだろう」

 なるほどそう言う推理も成り立つか、と美紀が感心した。

 めぼしい成果のない帰りのバスは、行きと違ってみんな喋るのも億劫なのか、膝の荷物が堪えるのか口数も少ない。

 着いた出町柳から桜木のアパートは、通りから外れた小道が続く、静かな佇まいの二階の端部屋で、窓から比叡山が見えた。六畳一間にバス、トイレ、キッチンと月並みのこぢんまりした部屋だ。なるほどこのスペースなら文庫本でも荷物になりそうだ。取りあえず全集二十巻は、部屋の角に山積みして、出町柳から電車に乗って三条京阪で降りた。


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