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遺品を調査する4

「でも道子さんの隣に写っている人が五年前に亡くなった旦那さんなの?」

「旦那さんが昭和十七年生まれか。じゃあこの写真の人は若すぎるから別人かも?」

「勝手に決めるな、若い頃は今より若作りかも知れんし。だいたい亡くなったご主人の最近の写真が見つからない以上は比較は出来んだろう」

 十三ほど違えば恋愛より妥協結婚かも知れん、と米田は可笑しな解釈を展開する。それよりどうして写真が少ないのか、しかもかなり昔のものばかりだ。とうとうアルバムは見つからなかった。これは珍しいと云うか、ひょっとしたら道子さんが処分したのか? それでは何で?

 例の古い茶箪笥にはいろんな物がゴチャゴチャ詰まっていて、丁寧に調べないと見逃しそうだった。それでも一つ一つの紙切れを広げてみても各種レシート、領収書、電化製品の説明書などの日用品に関する物ばかりだ。とにかく若い頃の色褪せした写真が数枚見つかっただけだ。その中の一枚だから、かなり想い出のある男性ではないか、と勘ぐられるのも無理もない。

 どうもこの写真の男女は年齢が近いように見える。亡くなったご主人とは歳の関係で、この写真とは別人な気がする。ご主人と道子さんは一回り離れている。この写真の二人は、同じ歳かそれに近い人に見える。そこで写真の男性はご主人じゃ無いという結論に達した。丁度その頃に宇田川由香さんから、喫茶店のマスターがどうかしましたかと云う問い合わせのメールが入った。

 夕紀は直ぐに山下道子さんの詳しい情報が知りたくて、お会いしたいと返事した。折り返し今度は、宇田川由香さんから直接電話してくれた。電話で遣り取りするうちに、また三千院へ行きたくなった。そこで亡くなられた山下さんについてもう一度、思い起こしたいと云って来た。


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