孤独死した家の調査2
一階は浄化槽のトイレと風呂場と台所で、何処も似たり寄ったりの作りだ。他に同じ六畳の和室と洋室があり、洋室のぐるりは入り口を除いて背丈ほどの高さの書棚に囲まれてその殆どが全集で埋められていた。中央に置かれた応接セットは恐らく読書空間として使われていたようだ。
二階は文庫本と、その他の雑誌だ。家財道具を調べる米田の仕事は大した物は見当たらず、殆ど桜木が調べる書物の整理を任された。
二階へ上がった夕紀と美紀は、二階の二部屋が細い廊下で仕切られて、変な間取りと云う。美紀も釣られて、そうねーと普通は襖とか壁で仕切られているのに、この廊下の分だけ片側の部屋が狭いわよ、と二人は二つの部屋を見回した。やはりここも下と同じように和室と洋室だが、廊下がなければ六畳二間に成るところが、六畳と四畳半になっていた。その四畳半の和室には、文机と背丈より低い本棚には文庫本と趣味の物らしい月刊誌が並んでいる。その横には引き出しだらけの茶箪笥が並んでいた。前の窓からは田畑がよく見える。此処が彼女の居間のようだ。
「どっから調べる」
気だるそうに美紀が訊ねる。
「下の洋室の本棚よりここは本が少ないし文庫本は後回しにして趣味の本から片っ端から見ていくか」
そうだねー、と二人が調べだして「こりゃあ大変な数の本だなあ」と思っていると、下から米田が「昼はどうすんだ」と云って二階へ上がって来た。
「しゃあない、中間報告と中休みを兼ねてお父さんの店へ行くか。でもちゃんと料金は貰うわでも珈琲はサービスするわよ」
店の珈琲は生豆を仕入れて使い、直前に煎っている。だから通には受けているとアピールした。それで店の珈琲は注文を受けて、その場で作る昼のランチより、手間暇が掛かっていると夕紀は自慢した。




