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三千院へ3

 貧乏くじを引いた米田以外は、桜木の云うとおり同感だ、とにかく男どもの金銭欲望を粉砕したのは夕紀だった。彼女は整理は二の次で、先ずは山下道子さんの遺産の行方をハッキリとさせなけゃあ、と言う思いに駆られているのであり、そこが本の虫の桜木とは違う。それでもあいつらは売れる物は全て売って仕舞おうとしている連中だ。思慮深い桜木を引き入れたのは、山下道子さんの過去の何かが解る物を見付けてくれると期待しているからだ。

 バスは終点の三千院に着いた。昨日のうちにお父さんは、大家さんから家の鍵は預かって、それを夕紀が受け取っていた。そこで父から鍵以外に、この前に訪ねてきた神戸の女性から得た山下さんの印象を伝えて、何か彼女に付いての手掛かりでも在ればと期待している。

 バスを降りた夕紀たちは三千院に向かう乗客から離れて別の道を歩き出した。運賃を払うのに手間取った桜木が取り残された。

「みんなあっちの道へ行くからこれは参道からの外れ道ですか」

 と桜木は降りて尋ねた乗客に釣られて行きかけた。良く見ると居なくて周囲を見回して、見付けた夕紀達の後を慌てて追っかけて来た。

「ボヤボヤしてたら置いてけぼりを喰らうわよ」

 美紀が追いついた桜木に「本ばかり読んでないでちょっとは外のお陽さんに当たらないとみんなに付いて行けずにはぐれるわよ」と地理音痴の彼を揶揄した。黙って付いて来る米田は、欠席した二人の穴埋め的要素が強く、家財道具の処分を伴わない今回の整理には、余りにも消極的な行動に徹しているようだ。


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