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滝川は道子の家に来る2

「なるほど関西の人が雪国を憧れる心理に似たものですか。でも喧騒を離れて終活を送るには打って付けのような気がするけど、その辺りはどうですか」

「家におばあちゃんがいますけれど結構此処は気に入っているようです、アッ、内のおばあちゃんですけれど道子さんとは亡くなる前にはさっきのコンビニで良く会っていたそうですよ」

 おばあちゃんに依ると、道子さんは五年前に伴侶を亡くされたけれど、めげずに元気に家事をやっていたそうだ。滝川もそれを聞くと気を良くした。

「そうでしたかそれは何よりで、お相手をして下さった夕紀さんのおばあちゃんには感謝ですね」

「でも最近まであたしも含めて道子さんが近くに居ながらにして生活習慣の違いで知らなかったんですよ」

「そうでしたか」

 少し残念がっている滝川さんの顔にはまだ想いが残っていた。

「以前に訪問したあのアパートは長いんですか?」

「そうですよ。もう道子が此処に住み着いた四十年と同じですけど、それは三千院での、あの出会いを私より道子の方が大切にしていたんでしょうね」

 滝川は、この時に道子は私自身でなく私が(とりこ)になった生活態度を儚んで、長い年月を此処に住み着いたんだと語っているようだ。

「道子の死を知って、今になって道子の愛の重さを知るなんて、つくづく人生を無駄にしたと思える時もあれば、これでいいんだと自分に言い聞かせる。そんな日々が最近はあるんですよ。それをあなた方のような時代に気が付けば……」


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