表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/157

滝川は道子の家に来る1

 お母さんが離婚して家を出たのは、おばあちゃんとそりが合わなかっただけで、決してお父さんを嫌いになった訳じゃ無い。母の最近の行動でそう確信したが、お父さんの母への理解が足らなかったのも一因だ。夕紀はそう思うと気持ちが軽くなった。そうでないとサークルでの対立が起これば、めげずに立ち向かう気力を養う必要があるからだ。先日の鴨川デルタでの一件から夕紀はそう(おも)うようになった。

 道子さんの遺品に付いては最終的には滝川さんが納得すればこれで終わる。今日の案内は夕紀に取っては、これで肩の荷が下ろせて気持ちを楽にになり、バス停へ向かう足取りも軽くあぜ道の花にも目が向いた。

 出町柳が始発の三千院行きのバスの到着より早く着いて、夕紀がバス停で待っていると滝川さんはやって来た。

 桜木君に付き添われて一緒に降りた滝川さんを迎えた。道子さんは想い出が詰まった三千院の近くで暮らしていた。それを知った滝川さんは胸がキュンとなっているようだ。それはやって来る足取りからも解った。どうやら桜木君からここに店を出している事情を説明したのか、父についても滝川さんは羨ましがっている。

 三人はバス停を離れると一路、道子さんの借家へ向かった。新学期が始まる前の最後の春休みを(わたくし)(ごと)で潰して申し訳ない、と滝川に言われたが。これで終わると思えば悪くない気分でもある。桜木君もそう言う顔をして快く引き受けたらしい。

「市内からかなり外れた郊外だけあって長閑な所ですね」

 バス停に繋がる国道沿いから裏道に入ると、滝川はスッカリ気に入っている。

「でも、近所にはスーパーマーケット(もど)きのコンビニに足が生えたような店が一軒在るだけですから、日用品以外の物が欲しいときは苦労しますよ」

 桜木君が夕紀の不満をホローしてくれてありがたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ