波乱の予兆3
「俺を当てにしてもお前の相談には乗れないぞ」
「まだ頼んでないぜ」
「言われなくてもさっきのひと悶着を見ていればお前の言いたい事は解る」
「なら何とかしろよ。このままじゃあ福祉活動は支離滅裂になってしまうぜ」
一人蚊帳の外で、見物としゃれ込んでいる。それで良くもそんなことが言えるもんだと米田は食って掛かって来た。
「しょうがないだろう俺は部外者、オブザーバー、招待者に過ぎないんじゃん」
このまま福祉活動したければ(そんな訳ないが)北山や石田のように、同じサークル仲間でも他のグループでやっているじゃないか、だからお前もそうしろと忠告して別れようとするが、米田はまだ食い下がる。
「正直言って俺は美紀が好きなんだ」
「なら嫌われないようにしろ。このままだとその内にストーカー行為で訴えられるぞ」
「俺がいつ付き纏ったと言うのだ。ただ部活で一緒に付いてるだけだ」
「あのな、断っても俺にこうやって付いてきているのも一種のストーカー行為に認定出来るんだ」
俺がいつお前に付き纏っているって言うんだと米田は尚も付いてくる。鬱陶しい奴だと桜木は意を決して「解ったお前の気持ちは美紀に伝えておくがその後はもっと遣りにくくなっても俺は知らんぞ」と脅迫まがりに言えば米田は引き下がった。やっとこれで米田を振り払ってホッとしていると、奴が急に追いついて「なにも言わんといてくれ」と哀願すると、あいつは直ぐに踵を返して去った。
やれやれと桜木は自室のアパートに帰った。




