新たな波乱3
「そうねー、それはネットじゃつまらないから、絶対に新入生歓迎バザーか市民フリマに出さないと、それなら桜木君をまた呼べるじゃんね」
「そうだけど。滝川さんが片思いも立派な恋だとつまらない恋談議したから米田も来るよ。どうする、美紀」
とりあえず本を処分する前に桜木君が今一度滝川さんの了解を取るらしいから、滝川さんが彼女の遺品に関心を示せば桜木君があの家に案内するらしい。
「ところで美紀はあの本を本当に読んでるの」
「読んでるけど余り進まない」
「そうだろうな。美紀が読む本じゃないと思ったから、でも向こうはもう大分読んでるかもよ、じゃあどうやって話し合わすの」
と聴けばエヘヘと笑って誤魔化された。
何やってんだー、と前を歩く桜木に怒鳴られた。見ればあいつら二人に離されて二条城の大手門前でこっちに向かってぼやいている。彼女らは急いで追い付くと、そのまま行きしなに降りたバス停から乗り出町柳で降りた。
此処の鴨川デルタ地帯で四人は、依頼を受けた目的は達成され、あとは唯一の遺留品である本をどう整理するか話した。
先ずは滝川さんからの一報を待ってからだが。娯楽性のある時代小説、歴史小説が大半を占めている。だからあの人が引き取る本は有っても数冊と思う。残りはバザール形式でほぼ問題はないだろう、と云う桜木君の提案に沿って進められる。
彼は滝川さんにも山下さんが所蔵していた本の一覧表を渡して「どうもご主人は体裁を気にしたのかも知れなくて全集は殆どが新品同様で傷んでいないから読んでないでしょうね」と付け加えた。これには滝川も納得していた。桜木から受けた一覧表から彼の意見も参考にして、ごく一部の本が滝川の希望によりリストアップされている。




