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新たな波乱1

 滝川の住まいを辞した四人は、改めて彼が絶賛した二条城堀端の散り始めた桜を愛でた。

 千年前の(いにしえ)の人々もこの桜を愛でたのかと感傷に浸る間もなく通り過ぎた。

「これはソメイヨシノで当時はおそらく山桜だ」

 米田に言われてせっかくの情緒をぶち壊される。

 ソメイヨシノは江戸時代に改良されたから、平安時代には目の前の桜じゃないのは解りきって浸っているのを米田に台無しにされた。

「要するに米田はその場の雰囲気を酌み取れない男なんだろう」

 それはさっき滝川さんの部屋の談議で解った。いやその前から解りきっている。

「お前がなぜこのサークルにしがみ付くのか俺には解らん、いや解りたくない。第一ガキよりも我が儘で、それでいて理屈っぽい老人を相手にしてお前は何処(どこ)が面白い」

 桜木が苦言する。米田曰く、福祉に携わる学生には女子学生が圧倒的に多いのを知ってこのサークに入り、そこで美紀が気に入ったらしい。ここまでは夕紀から聞いたものだ。

 その先は全く進展していないのは誰の目にも明らかなのに、米田はなおも付き纏っている。これはまさしく滝川さんの片思いも立派な恋を実践しているとしか思えない。米田は桜談議にかこつけて誰かに振り向いて貰いたいのだろうが、美紀はさっきからずっと桜木を見ていた。それが米田には気に入らなく、さっきの桜にケチを付けたらしい。米田にしてみれば、かなり背伸びしてやっと届いた教養を武器に、桜木に一線を挑んだが、肝心の美紀に毛嫌いされてそのままとぼとぼと掘端を歩いて行く。

 ちょっと(いら)つかせた美紀に、夕紀がどうしたんと声を掛けた。


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