子悪魔のこまりごと~寝る姿勢
「うぅ……」
夜中に眠りから目覚めたルルリアはうめき声をあげた。
悪魔と一緒に寝るのは、まるで天国と地獄を挟まれているような気分だ。初めて体験したルルリアはそう思った。
小悪魔は別に落ち着きのない眠り方をしていたわけではなかった。
真夜中になると、彼女《母親》を失うことを恐れているか、激しく彼女を包み込んだ。
紛れもなく愛らしい愛情表現だが、この生き物はその小さな体からは想像できないほど重かった。
まるで5頭の巨大な象の下に挟まれているようで、その重さは25トンに相当しまった。
重い。。。折れた肋骨を魔法で治しながら、心の中でぶつぶつとつぶやいた。
まっ、でも全く悪い事じゃない。。。幸い、赤悪魔の羽は快楽だ。
その柔らかくて贅沢な羽毛は、ふかふかのマットレスや暖かい毛布のような感触だ。
不思議なことに、洗濯したての服を思わせる素敵な香りも放っていた。
よろめくような重苦しさの中で、羽は安らぎを与えてくれた
。。。普通の人なら、もう10回は死んでいただろう。
治癒魔法に長けた種族である天人として生まれて良かった。
死ぬほどの抱擁と治癒のサイクルが夜明けまで続く中、ルルリアはそう思った。