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プロローグ 出会い

「大聖騎士ルルリア、面をあげよ。過去百年にわたる重要な働きは大義であった。我々は異界の侵略者に勝利を勝ち取った。なお、武器を置き、新たな人生を歩むことを許す。今後、双子の女神の御加護があらんことを」


っと教皇は大聖堂の壮麗な身廊で宣言した。


ルルリアは隣の大きな窓から、笑い声と祝賀会で賑わう活気ある町を眺めていた。

それはまるで夢のような光景で、現実とは思えないほど眩しい。


カエレスティス暦10347年。


エルニア大陸は、異形の者たちがこの世界を侵略した700年以上もの間、戦争が続いていた。

その忌まわしい容貌、とどまることを知らない野蛮さ、そして恐ろしく難解で破滅的な力から、人々は彼らを「悪魔」と呼んだ。

世界中のあらゆる種族が団結し、この全能の脅威と戦った。人類の生存をかけた長く過酷な戦いの後、先月ついに人類は悪魔の最後の軍勢を全滅させることに成功した。

今、残された唯一のことは、長きにわたる戦争の混乱を一掃することだ。

しかし、《大聖騎士(パラディン・セイン)》の役目はここで終わり。


新たな時代を迎えるにはボクの存在は邪魔になるだけか……?


ルルリアが頭を下げると、唇に小さな笑みを浮かべた。


「承知しました、聖下様」


抗議せずに解雇を受け入れた。優雅に立ち上がると、プラチナゴールドのツヤツヤ髪がステンドグラスのプリズムの色合いの下できらめき、波のように肩まで流れ落ちた。


水晶の置物のような魅惑的で繊細な容貌とは対照的に、若い乙女は数え切れないほどの地獄を目撃してきた熟練の戦士の穏やかなオーラを放っていた。


「こんな結末で良いのか?」


「ええ、これでいい」


小さな銀の宝石のようにきらめく塵の霞を浴びながら、ルルリアは引退して人生の新たな一歩を踏み出す、これから待ち受ける穏やかで平穏な日々を満喫しようと決心した。


「では、失礼いたします、聖下様」


ルルリアは振り向いた。天人の証である真っ白な翼を広げ、大理石の床に美しい影を落とした。

決して振り返らず、堂々と扉に向かって歩いた。

一歩一歩が、澄み切った、自信に満ちた音で響いた。


凛々しく洗練された身のこなしは、彼女の幽玄な魅力をさらに高める。

その息をのむほど美しさには、誰もが魅了される。

にもかかわらず、生涯を通じて、自分の魅力にまったく気づかなかった。


単なる殺戮のための道具だったからだ。


でも、これから違う。

これから人生の新たな1ページを始める。


爵位を捨て、大切にしていた伝説の武器と信愛なる仲間を別れ、ルルリアは荷物をひとつに詰めて、一人で世界に旅立った。


そして。。。


永遠の存在である天人にとって、時間は取るに足らないもの。

20年が瞬く間に過ぎ去った。


「うーん...この辺りにラスコヴニク草があるはずが...おや、あれは...」


ルルリアは瞬きをし、足を止めた。


尽きることのない魔法の研究欲と未知なるものへの好奇心を抱き、北大陸をあてもなくさまよっていたルルリアは、卵を抱いた悪魔の死体に出くわした。

運命的な出会いは、危険な魔獣や有毒植物が生息し、ほとんどの人が近寄らない不思議の森の奥深くで繰り広げられた。


生い茂る葉の隙間から暖かな日差しが降り注ぐ開けた木陰で、卵が孵化した。

暗い影がむくむく動く、漆黒の瘴気を放ち、周囲の植物を萎縮させた。

くるりくる、貪り食う、ゆらゆらり祟り。

舞い踊る闇、絶望の囁き。


頂点捕食者。


「……上位の悪魔?」


放つ濃い魔力は紛れもなく。


ルルリアは慎重に一歩を踏み出し、ローブの下のナイフを掴んだ。


ルルリアの気配を察知した影の塊は、首を傾げ、煉獄の底から聞こえてくる苦悩に満ちた魂の慟哭のように響く、不協和音のような声を発した。


【&*+#+=#*+】


森全体がまるで生き物のように震えた。

その血も凍るような遠吠えに、あらゆる形や大きさの魔物が狼狽して逃げ惑う。

一方、母親の朽ちた死骸をかじっていた掃き溜めの鳥たちは恐怖で麻痺し、すぐに意識を失った。


悪魔、

太古の昔から人々に恐怖を植え付けてきた凄まじい存在であった。


悪魔は、世界自体が完全に忘れ去った原始的な言語で話る。

発する言葉はすべて呪いのかたまり。

彼らと会話することは混沌を招く、生き残れる者はみんな狂気への転落。死を迎える行為違いない。


「え……?」


しかし、ルルリアはまったく恐怖を感じていない。

何度も戦い、研究を重ねるうちに、ある程度は悪魔の言葉を覚えたので、小悪魔の言葉《呪》の意味は理解できる。


ドクンドクン心臓の音が聞こえる。


【ママ……?】


間違いなくこの悪魔そう言った。


かわいい...うっかり、心の中でそう思っていた。


は!いやいやいや、何を考えてるのルルリア!?あれは人類の宿敵、悪魔だ!

自分の考えの愚かさに気づき、元《大聖騎士(パラディン・セイン)》は、突然現実に戻り、理性を取り戻そうとぶんぶん頭を振った。


悪魔は訝しげに彼女をじっと見つめた。

その後、まるでひらめきを得たかのように、彼女の動きを真似し始め、羽毛のような頭をブンブン振った。


真似してる!? まさか…この小悪魔は、アヒルの赤ちゃんが最初に見た人物刷り込みするようにボクを母親だと意識してる!?


ありえぬ。


動揺したルルリアは、ゆっくり後ずさりして距離をとった。

小さな悪魔は慌てて羽をばたばたつかせ、彼女を追いかけようとしたが、残念なことに、尻は卵にしっかりとくっついたままだ。

滑稽な動きで、ローリーポーリー おもちゃのようにゴロゴロ地面を転がり、ルルリアの足元から少し離れたところで止まった。


一瞬、気まずい沈黙が流れたが、悪魔は頭を上げ、翼を大きく広げ、ぎこちない追いかけっこを褒められるのを期待しているかのように胸を張った。えへん!ドヤ顔してた。


雷が落ちた。その瞬間、彼女の精神は宇宙へと吹き飛ばされた。


ひゃああああああ!かわいい!可愛すぎる!めちゃくちゃ可愛い!尊い!超絶可愛い!

心の中で悲鳴を上げながらポーカーフェイスを保ったまま、ルルリアは震えている。


今までにない母性本能が目覚め、その愛らしさに心を奪われ、気づかないうちに、ルルリアは悪魔の子を自分の子のように育てていた。


【%#&&】


「そうよ、ボクはキミの母だ」

ルルリアは小さな悪魔の前にひざまずき、優しく宣言した。


「よろしくな」


手を伸ばし、有害な瘴気が指の周りを渦巻き、肉を蝕んでいくのを感じた。体中を駆け巡る苦痛にもかかわらず、温かく愛に満ちた微笑みを浮かべた。


はじめて諸説書けました。よろしくお願いします。変な言葉使いすみません。

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