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脱出からの邂逅

目が覚めて確認してみるとどうやら透明化は解除されないまま無事1夜を明かせたらしい。

「どうにか無事過ごせたか。この透明化便利すぎないか?因みにこれを解除すると・・・?」

透明化を解除した途端。森のあちこちから雄たけびやら咆哮が響き渡り。強烈な気配と共に凄まじい足音がこちらに向かって来るのを告げる。

「拙い!透明化!」

透明になった途端。周りの気配が消える。

「もしかして、これも勇者の称号のせいか?これもなんとかしないと動くこともままならないか」

昨日散々な目にあわされた勇者の称号がここでも邪魔になる。

「何かスキルでどうにかならないものか・・・そういえば’’隠蔽’’スキルを取得してたな。これで称号まで隠せたりして?」

’’隠蔽’’スキルを使用すると、うまい事勇者の称号が消えた。

「よし!これならどうだ?」

透明化を解除しても辺りは静まり返っていた。

「これで大量の化け物に襲われることもなくなったか?」

そしてどんどん取得したスキルを有効化させていく。

「武器は今のところないけれど魔法関係は全部あるからな・・・これだけでもどうにかなるか?でも武器や防具はあった方がいいだろうし、なによりジャージのままじゃなぁ。そういえば取得したスキルの中にそれっぽいものが・・・」

コウイチは取得したスキル一覧の中に該当の物を見つけ出す。

「武器作成と防具作成とアイテム作成か。3つ全部別れているのが何とも言えないし、しかもこれポイントを使って作るのか。まあ有り余っているから別にいいけどさ」


そして作成できるリストを見ていく。

「まあ取りあえず剣なんて使ったことないんだし鈍器の類なら使えるか?」

剣や槍、弓等様々な武器が作れるが勿論そんなものを使った事が無いコウイチにはシンプルに殴る鈍器を選択することにした。

「折角ポイントが有り余っているんだから一番いいやつを作成しよう。お、オリハルコンなんて如何にもじゃないか。これにしよう」


オリハルコンの棍棒+10が作成されました。ポイント1000消費します!

オリハルコンのナイフ+10が作成されました。ポイント1000消費します!

オリハルコンの防具一式+10が作成されました。ポイント5000消費します!

アイテムボックスが作成されました。ポイント500消費します!

最上級ポーションが作成されました。ポイント100消費します!


ポイントが有り余っているせいか一番良いものを作成してもまだまだ余裕があるこのポイント。どうやら武器防具の類には+1~+10までのボーナスポイントが加算されていくようで、一番いいものをと作成したところ全てに+10が付いた。

取りあえず全身を装備してみる。重いかと思いきや、取得したステータスの余りの高さに重さは全く気にならなかった。

「おぉでもこれ・・・目立つな・・・隠蔽?でもそうすると真っ裸になるのか?」

隠蔽スキルを使うと見た目が鉄のような質感になりオリハルコンの輝きは消えた。

「そもそもずっと鎧を着こむ訳にもいかないからな。軽装というか服も用意しておこうか」

そうやって適当に服も作成した勿論+10のボーナスが付いた。

「かなり丈夫そうだな?これだけでも十分な防御力ありそうな気がする・・・」

ジャージから適当な自分が思う旅人風?の服装に着替えて、鎧やら他の服をアイテムボックスに全てしまった。アイテムボックス自体も肩掛けの鞄のようにしている為、ぱっと見ただの鞄にしか見えない。

「あんなに詰め込んでも重さを全く感じないって便利だな。お次は自分の場所を把握してみるか。’’地図’’っていう雑な感じのスキルがあったな」

そうして’’地図’’スキルを使用すると一気に世界地図が頭のかなに広げられる。

「デカすぎる!縮小してくれ・・・」

そうするとスルスルと縮尺されていき自分の居る森の全体像が出てきた。

「これくらいか?しかも名前までご丁寧に出ている。ここは・・・魔王の森だって⁉」

ナビのごとく自分の居る地名に名前が出ているのを読み上げるとそこは魔王の森と書かれていた。

「と言うことは地図を少し拡大して・・・あった。この城が?魔王城って書かれてある・・・」

地図を見ていくと自分の居る北側の森を抜けた先に禍々しい趣向の城が表示される。そこには魔王城と書かれていた。

「何でどうにか脱出できたと思ったらピンポイントで魔王の目の前に・・・俺がなんちゃって勇者だからか?」

自分の勇者の称号が原因ではないかと呪いたくなる。

「こんなところに何時までも居られないな。また出たとこ勝負で瞬間移動に掛けるか・・・」

そういってスキルを使用しようとすると、急に後ろから声を掛けられる。

「おぉ!君が今回の勇者だね!」

「は?」

そこにいたのは、銀の長い髪を靡かせ青い肌をした長身の美女であった。オマケに額に立派な角まで生えている。自分の居た世界ではゲームの中くらいでしか見たことがない人物の登場に思わす思考がフリーズする。

「私が、この森とあの城の主。魔王アミナだ!歓迎するよ勇者君!」

そういって満面の笑みで握手を求めてきた。


「え?魔王?ちょっとまて!」

即座に瞬間移動を行使しようとするコウイチ

「あぁ!待ってくれ危害を加えるつもりはないのさ!どちらかと言うと味方かな?君を召喚し滅茶苦茶にしてきたやつらのことを知りたくないかい?」

アミナの言葉に心を揺さぶられ、移動をためらうコウイチ。

「どうゆうことだ?魔王はあの場所にいたのか?」

「アミナで構わないよ。私はあの場には居なかったが、遠目のスキルで状況を把握していたのさ。いや私の軍団が統率も取らずに一斉に集中攻撃し始めるから何が起こったのかと思ったね!」

あの場で起こったことを全て把握しているという魔王。

「最初は君の後方にいた敵の軍と正面からぶつかる算段だったのさ。それがその丁度中間地点で君が現れた。訝しむ部下たちを他所にいきなりあの糞女が『勇者様!』だもんね。その瞬間我を忘れて部下たちが君に一斉攻撃。その隙にあいつら広域魔法をどんどん打ち込んできやがった。」

苦々しく表情をゆがませるアミナ。

「一応今までも勇者は現れたし。そいつを目にすると怒りが湧いてくるんだけどね。今回はそれが特に顕著だね。我を忘れてなんてありえないんだから。」

「と言うことは巻き添えになったのは魔王。君の部下達か・・・」

「その通りだよ。君には今信じられない程ポイントを持っているんじゃないか?私の部下たちはそこら辺の野良のモンスター達とは一線を画す精鋭だからね。まあそれが全滅しちゃったんだけど・・・」

力なくうなだれる魔王。非常に気まずい空気が流れる。がそれを変えたのも魔王であった。

「ま、単純に被害にあった君に言っても仕方ないことだけどね!そんな君が部下たちが全滅したと同時に消えたから、何が起こったのかと不思議に思っていたんだ。そうしたら森から凄まじく嫌な気配が一瞬してね?もしや勇者かと探していたのさ!」

つまりあの透明化を解除した瞬間の咆哮の中に魔王も含まれていたのかもしれない。コウイチは冷や汗をかいた。

「まあ色々スキルを使った結果目の前で見ても嫌悪感も現れないってことは隠蔽でもしたのかな?まあ話が出来るって有難いね?解除はしないでね?首を刎ねたくなるかもしれないから。」

ますます冷や汗が止まらないコウイチ。

「色々と話したいことがあるんだ。折角だからこのまま魔王城まで一緒に来てくれないかい?勇者君!」

いきなりこの世界で殺されまくり、滅茶苦茶に移動した先で出会った最初の人物が魔王とは・・・

だがこちらも聞きたいこと復讐したい相手と知りたいことは沢山ある。

「分かった向かうとしよう。後、俺の名前は勇者君じゃない。コウイチだ。魔王アミナ」

その言葉に満足したようで

「ありがとう。コウイチ」

そうして2人は魔王城に向けて歩き出した。




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