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集結からの完

「~♪アギも倒したことだし。これで一連の戦いは終結かな?」

「鼻歌が出ているところ悪いが、これからなんじゃないのか?」

戦いの元凶も倒し、色々な解決したと思って上機嫌なアミナ。そこに水を差すようにコウイチが口を出す。

「ん?何でだい?」

「この国もそうだが、あちこち力で無理やりに従わせている感もあるだろう?それにこの魔王城。インパクトはデカいが、こんなところにあって大丈夫なのか?」

「あー・・・そこはまあ・・・大丈夫なんじゃない?」

その返答に訝し気な表情をするコウイチ。

「コウイチがモンスターを色々召喚してくれたおかげで、こっちはまず人型で話の分かる部下を沢山作れたからね?どこせこの国は城がこんな状況なんだから殆ど生き残っていないでしょ?」

「まあ確かに?非戦闘員なんかは、無理やりでも退去させているはずだが戦闘員はほぼ壊滅しただろうな」

「コウイチの事だから文官やら大臣やらも捕らえてあるんでしょう?」

「そいつらなら、ほらあっちで一塊でいるだろう?」

城の敷地内の隅で固まるようにして豪華な服装の連中が一塊になっていた。一応ライゼルとザナンもそこに放り込んである。

「そう言えば城を召喚したってことは、地下も魔王城仕様に?」

「そうだね。元の城の地下エリアは全て魔王城エリアが上書きしちゃった」

「まあもう祭壇にも用はないからいいか・・・」

「取りあえずここが魔王の支配地域ってことを周知するためにも早く文官たちから色々聞いた上で体制を整えないと」

確かに辺りを見渡すと、魔王と同じ青い肌をした人物が魔王城から出ては何人も動き回っている。

「なるほど。でもまあそれならあのライゼルとザナンもまだまだ使い道がありそうじゃないか」

「そうだね!彼らにはもっともっとそれこそ死ぬまでこき使ってあげようと思うよ!」

元凶も倒したのでもうどうでもよくなっているコウイチからすると南無としか言えなくなってしまう。

「そっかーじゃあ俺のやることももう終わりだな?」

「何を言っているんだい?これからが勇者であるコウイチの大切な仕事が待っているんだよ!」

「何・・・?」


「一応魔王に忠誠を誓います!なんて言って口だけなら何とでもなるからね!後付けでも色々と話を誤魔化しておきたいんだ!」

「まあ絶対心の中では魔王許さない奴も居るんだろうなぁ・・・」

「そこでだよ!まず今回の元凶である元魔王!これに操られた哀れな王女!」

「哀れか・・・?」

「そこは気にしない!そしてこの危機に現れた別世界の勇者コウイチ!」

「お、そこで俺が出てくるのか」

「勇者コウイチは危うく元魔王の操り人形になっていた王女に殺されそうになりながらも脱出!そして転がり込んだのが今の魔王!つまり私!」

「まあ大体あってるな」

「そこで勇者は魔王を説き伏せ味方にし!元魔王を倒すべく立ち上がった!」

「おぉ~」

「元魔王の様々な障害を乗り越えて、見事王城に乗り込むも王族は悉く殺されていた!」

「障害そんなにあったか?」

「怒りを力に変えて魔王と共に見事元凶である元魔王を打ち破った勇者!流石は勇者!魔王を味方にするなんて前代未聞!最高!」

「・・・つまりはこちらの国では勇者が全て解決した!ってことにしたいのか?」

「ま、そうゆう事だね。流石は勇者!ってことにしておけば勿論魔王の同盟国なんかだと逆になるけど。そんなの何年も経てばきっとどっちがどっちだか分からなくなるって」

「そうゆうもんかね?」

「そうだとも!それじゃ行こうか!」

「ん?何処へだ?」

「勿論魔王討伐の祝賀パレードってやつさ!練り歩かないと皆良くわからないまま城が建ったって事になっているからね!現在」

「えぇ・・・それ俺も出るのか?」

「勿論!勇者はコウイチ、君だろう?」

・・・早くも巨大な馬車が用意されているし、魔王討伐の経緯を言って回っているやつや、何かを配り歩くやつもいる。随分と準備がよろしいようで・・・

「さぁ2人で乗ろうか!仲良く手でもつないでみるかい?」

「あぁそうしようか」

「え・・・えぇ・・・照れてくれたりしないのかい?」

「そんな年齢でもないしな・・・と言うかこれ上ががら空きなんだが、遠距離から狙われたりしないのか?」

「今更、狙われたって死なないステータス何だろうし、死んだってすぐ復活するだろう?こっちだって早々に死ぬ体じゃないさ」

「まあそれもそうだな。じゃあ行くか」

こうして2人は、国中を練り歩いた。それは途中襲撃もあったが、全くの無傷で鎮圧し逆に反乱分子の殲滅に成功するほどであった。


暫くの間、こうした活動を続けた結果。反乱分子も消え去り尚且つ勇者と魔王が手を取り合って平和に国を治めていると見て取れた民衆たちからも人気が上がった。その裏側には、魔王討伐の為にと徴収されていた税関係が全く必要なくなり大幅な減税となったということもあったのだが。

どちらにしても、魔王も勇者もお互いどちらかが死ぬまで争うことはない。つかの間の平和を手に入れたのだ。

この時点でコウイチは元の世界への帰還を諦めた。戻ったところで普通では死なない体になってしまっているし、何より嫁も子供も出来たからだ。むしろ死なない自分はずっと勇者でいられるはずなので、子孫をどんどん魔王にしてしまえばずっと平和なんじゃないか?と思ってすらいる。

魔王アミナは結局コウイチと結婚。そのまま子供も設けて魔王を継承できないか模索中である。

メイドのノアはずっとその2人に付き従っている。


「ここに来たときは生贄要員で殺されまくってたんだけどな・・・」

魔王城の一室で子供と遊びながら幸せを噛み締めているコウイチであった。

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