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①③⑤半族兵長〖留め留め猫⑩〗

PCが調子悪くタブレットで更新してます。誤字等多いかも知れませんがお許しを。また手直し

しますんで。

「紹介しよう、我が領の兵長キョウー・ホウだ」

子爵さんが俺に会わせたのは何と『半族』の男だった。


『半族』は体の一部が人族でその他が亜人のそれになっている種族で、「コシエ舎」に泊まった時に食堂で何人か半族を見掛けていた。ナサに教えて貰ったのは混血とは違い亜人部分は受け継がれている事と、長寿種で他種族との交配を良しとせず、奇異な目で見られるせいで視線を嫌う事だ。


「宜しくな~」

「どうも」

キョウー・ホウと言う半族の亜人部分は下半身が馬で、三又の槍を持っている。兵長って言うくらいだから強いんだろう、でも何かノリが軽い。


「俺っちが珍しいか?」

「え?ああ悪い、そんな目で見てたか」

「俺っちは心が広いから勘弁してやるが、どうなんだ?」

「まぁ正直なところ珍しいな、けどそれだけだぞ」

「それだけって?」

「別にあんたを怪物とか思ってないって事だよ」

「ほうほう」

それより『俺っち』の方が気になる。


「フツ、お前は馬に乗れるか?」

「王都育ちの平民ですよ俺、普通の馬も乗れませんね」

平民の移動は徒歩が普通で、金のある者も馬車を使えど自ら馬に乗る事は無い。第一、王都じゃ近衛兵ですら緊急時以外馬に乗らないのに俺が乗れる訳無いのだ。


山馬(カヴァロッタ)でもか?」

「すいません、無理です」

でもって言われても馬に変わりはないぞ子爵さん。

山馬(カヴァロッタ)は主にツルギ領のような山が近い土地で見掛ける馬で、山間を移動するのに適している品種らしい。胴長短足と見た目はあれだが小柄な馬ではなく頑強そうで背は俺の目線より高かかった。


「ではデンボの後ろに乗るがいい」

「はあ」

馬の『半族』で兵長のキョウー・ホウさんの背中に乗ってみたいなんて言えない。


「デンボさんも行くのか?」

「私が御一緒だと御迷惑ですか?」

(ひね)くれてるぞその返事」

「フツさんだから言えるんです」

「へいへい」

乗せて貰う身としては嫌味の一つくらい気にしないでおく、悪い意味でも無さそうだしな。


そして見送りに出て来た(キリ)さんとカーラとナサに手を振り、子爵さん、ツルギ領兵長キョウー・ホウ他亜人族の領兵3名、デンボと俺が鬼人族の集落に向かう事となった。カーラには俺達が今日中に戻らなかったら、また院社(ヤック)に赴いてセン・ジュと言う若い真階医(マーイ)と話をしてみてくれと頼んでおいた。


「えらくのんびりした馬だな」

後ろに乗っているだけなのでやる事も無く無駄口を叩く。


山馬(カヴァロッタ)は傾斜で能力を発揮するので、この大通りの様な平地ではこんなものですよ」

「普段から使ってるのか?」

「荷馬としても重宝しますからね、父も山馬(これ)で行商に赴いていたと母が言っていました」

「聞いて無かったけどデンボさんの母親は何時亡くなった?」

「十五年前です」

「‥‥‥流行り病でか」

「はい」

デンボの母親は千鳥人で、院社(ヤック)に辛辣なのもそれが有っての事だろうな。


「何かさ、流行り病で運命変わった奴が多過ぎるよ」

「?」

「カーラの母親も、俺の両親も、ツルギ領も、あれが無かったらと思うとやり切れねぇぜ」

「フツさんが過去に思いを寄せるなんて意外ですね」

「普段は思わねぇけど、こうも被害に遭った人達を知るとさ、運命って言やぁそうなんだけど、何だかなぁってよ」

大通りを離れ少しづつ亜人族達の集落が見えて来た。


「人族、お前の名は?」

半族兵長のキョウー・ホウが横に並び聞いて来たので答える。


「あれ?聞いてないのか、悪い。俺はフツ、ただのフツだ」

「キョウー様、フツさんはナンコー領主御令嬢のカーラさんの‥‥」

「黙んなよそこで」

お前がそれでどうすんだ。


「セフのじっちゃんの孫娘は子爵から話に聞いてるぞ」

「俺は彼女に雇われてるんだ」

「子爵とどういった関係だ?」

「カーラが?」

「お前がだ」

「何でそんな事を聞くんだよ?」

「‥‥‥」

何で黙る?別に悪だくみするつもりとかないんだけど。


「関係って、一晩世話になった?みたいな?」

「‥‥それだとお前と子爵が同性愛と勘違いされるぞ」

「は?は、はははははは!あんた面白いな、なるほど確かに」

まさかそんな返しが来るとは思わなかった。


「何を馬鹿な事を言ってる、フツは私に手を貸してくれている男だ」

話が聞こえたらしく子爵さんが半族兵長に突っ込む。


「子爵に手を?こんな人族のガキが?」

「言葉に気を付けんか、お前から見ると私もそれになるだろう」

「‥‥‥ごめん」

ごめん?何この兵長、素直な人?

子爵さんに怒られた半族兵長は若干凹みながら俺達から離れて行った。


「デンボさん、あのキョウーって兵長さん子爵さんの事『子爵』って呼び捨てなんだけど?」

「キョウー様は子爵様が当主となられてからずっと御一緒なんですよ」

「仲が良いって?」

それだけで領主をあんな呼び方しないぞ。


「はい。それに『半族』は長寿ですから歳だけで言うと子爵様より上です」

「因みにあの人何歳?」

「確か八十と少しじゃなかったでしょうか」

「ナサさんも五十の割に相当若く見えるけど、半族の寿命ってどのくらいなんだ?」

「三百歳と聞いた事が有りますね」

鬼人族より長寿種か。


「おい、って事は四十年前にマロ領に行ったって兵長は‥‥」

「キョウー様です」

一度は自分が亜人の為に追い返され、二度目は子爵さんと共に乗り込んだ。その兵長がこの人だったのか。


「う~む、何だか時間の感覚がおかしくなるよ」

「でも当時を知る方がいらっしゃるのは貴重だと思います」

「辛さを共有してるって事なのかな」

「はい」

八十を超えていても寿命が三百じゃ、今のキョウー・ホウは人族で言う所の三十過ぎか。子爵さんは弟みたいに思ってるんだろう、キョウー・ホウの方も兄と慕ってるのかも知れない。でもごめんって、どっちが餓鬼だよ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「娘共はお前が集落に留まる事を喜んでいたぞ」

「オレが?だって最初は丸太投げられたんだヨ?」

「あれはお前の事をよく知らなかったからだ」

だからってフツウ丸太投げる?


「若い世代あの4人しか居ないのだ、毎日同じ顔、生活、飽きが来てたかも知れん」

「オモシロくはないよネ」

「オイはなステト、ヒラ様がお前を無理矢理留め置いた事には反対だった」

「でもオジさんは族長(ジジイ)の言うコト聞いてた」

「その呼び方は止めろ、ヒラ様も苦しいのだ」

「イヤだネ、ズルいしヒキョウだ。オジさんがオレなら腹立たナイ?」

「‥‥‥冷静になれば、きっと間違いに気付いてくれる」

「大体さ、ナサ兄さんとコウカンってホントに上手く行くと思ってんの?」

「あの小僧はお前を見捨てると思うか?」

「思わないケド、オレは来て欲しくナイ」

「何故だ?」

「またオジさんとケンカになるじゃん」

「将来族長になるのなら強さも必要だ」

「兄さんはならないヨ、オジさんがなればイイじゃん」

「オイは血筋が違う」

「じぁシデオバさんだったらイイんじゃナイの?族長(ジジイ)のシンセキでしょ?」

「‥‥‥」

「?」

オジさんは黙ってそれ以上この話はしなかった。


何回かケモノを見掛けたケド、今は狩りをしに来たんじゃナイ。トメを探しにミナミの狩場に向かって、木や草が行く手をハバむ中オジさんは慎重に進んでいる。


「止まれ」

オジさんがそう言ってしゃがみ込み、オレも同じようにしてジッと先を見ると、遠くにいるクロいナニかを確認した。


「クマ?」

「あれは『猛熊(フェロオルソ)』だ」

「魔獣?」

「そうだ、オイ達は風上だから気付いてない」

「ドーする?」

「騒げば他の魔獣が寄り付くかも知れん、トメがこの先の狩場に居たら危険だ」

「じぁ回りこもう」

「見ろステト、履物の跡だ」

オジさんが見付けたのは二足の足跡だった。


「コレは人族じゃナイから、もしかして?」

「うむ、足の幅が大きいのは鬼人族の特徴だ」

「でも他の亜人族の場合もあるヨ」

「この形と歩幅は限られている」

「トメかナ?」

「これだけだはまだ解らんが‥‥」

「この先にミナミの狩場があるんダよネ?続いてるからトメかも」

「追うぞステト」

「ウン」

オレ達は『猛熊(フェロオルソ)』ってデカい熊の魔獣に気付かれないよう避けながら足跡を追うコトにする。もしトメがこの『猛熊(フェロオルソ)』に出くわしていたら‥‥‥そう思うとゾッとした。

次回更新は、PC次第になってしまいます〜

       (9/15夜にPC復活!と言う訳で9/16か9/17に更新予定です!!)

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