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【完結保証】【精霊転生】~水の精霊に転生したヤンキーのオレが、砂漠の街で孤児の少女を拾って水屋で一発当てる話~  作者: くーねるでぶる(戒め)


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18 VS雷②

 オレと雷男との戦闘は続いていた。


『貴様もしつこいな! 早く消滅するがいい!』

「けっ……! てめえは必ず倒す……!」


 粋がってみたが、現状はオレの圧倒的な不利だ。


 オレの石のショットガンは、もはや雷男には当たらず。一方的に雷男の攻撃を受けちまってる。


 おそらくだが、雷男は攻撃するには溜めが必要なんだ。だから、最初のような大技がこない。それに、オレは大量の精霊を吸収して異様にタフになっているらしい。だから雷男の攻撃にも耐えられているが、こっちの攻撃が当たらないのでは意味がない。


『クソッ! ぐはっ!?』


 また雷男にショットガンを避けられ、雷がオレを貫く。


 オレが無駄だとしりつつもショットガンを放ち続けるのは、雷男に溜めの時間を作らせないためだ。そうしてなんとか時間稼ぎをしているが、それ以上の意味がない。


 石のショットガンを放ち、他にも使えそうな魔法をいくつも試してみたが、石の他には火を嫌がったくらいか? 


 だが、火の玉を放とうが、火の雨を降らそうが、避けられたら意味がない。


 だが、雷男の回避にもパターンがあるのがわかってきた。


 こいつは、雷になって移動してるんだ。だから移動は驚くほど速く、そして直線的だ。そして、雷による回避はこいつの頭じゃ速さに処理しきれないのか、ごく短距離で、奴の視界内への回避というのがわかった。


 だがそんなことがわかっても意味が……ある!


 オレは思い付いた秘策の準備を着々と進めていく。


『さっきまでの威勢はどうした? そろそろ中級精霊の儂と下級精霊の貴様の力の違いがわかったかね?』

『うるせえよッ!』


 反撃にショットガンを放つが、雷男は余裕を持って回避した。


 もう完全に当たらねえな。見切られてやがる。


『単純な攻撃だ。土の魔法を、他にも火の魔法や氷の魔法と節操無く使うが、どれここれも練度が足りない。早めに貴様のようなイレギュラーを見つけられてよかったな。貴様は危険だ』

『うるせえッ!』


 ショットガンを放ち、雷男の口を塞ぐ。


『魔力も随分と減ってきたな。これで仕舞だ』

『勝手に終わらせてんじゃねえぞッ!』


 雷男が力を溜めるのを感じて、オレはショットガンを放つ。しかし、雷男は避けようともしなかった。


『もはや避ける必要も無い。これで終わりだ……!』


 また最初のような大技を使って一気にオレを仕留めるつもりだろう。


 だが、そんなことさせるかよ!


『喰らえやッ!』


 オレはついに大仕掛けを発動することに決めた。


 オレは全力の巨大な岩の槍を創ると、雷男に向かって投げる。


『往生際の悪い……むッ!?』


 雷男が雷になって高速回避をすることはわかっていた。


 だから、オレは地中の中からあるものを空中に放り投げた。


 それは純度の高い金属の糸だ。それを雷男の目の前に広げてみせる。これで、もし雷男が雷になって回避するのなら、金属の糸を導線みたいにして伝ってくる。


 その行きつく先は――――!


『オレだ!』

『バカめ! このまま消し飛ばしてくれるわ!』


 導線の先には巨大化して大きく口を開けたオレがいる。このまま雷男を食っちまおうという作戦だ。


 ズボッと雷男がオレの口の中に入る。オレは急いで導線を吐き出すと、雷男を口の中に捕まえた。


『貴様はバカか? このまま貴様の存在ごと蒸発させてくれるわ!』


 雷男の溜めに溜めた魔力が解放され、それは今までにないほどの強力な雷魔法になる。


『消し飛べッ!』


 ついに雷男の魔法が発動し、オレに衝撃が――――こない。


『…………なに……?』


 さすがに雷男には予想外のことだったのか、間抜けな声が聞こえた。


『な、なぜだ!? 相手は水の精霊だぞ! なぜ儂の魔法が効かぬ!?』

『お前、雷の精霊のクセに知らないんだな』

『何のことだ!?』

『水は水でも、不純物の無い真水は電気を通さねえんだよ』


 まさか、マンガで知った知識が自分の人生に活きる時がくるとはなぁ……。


 いや、今のオレは人じゃなくて精霊だから、精霊生か? 言いにくいことこの上ねえな。


『くっ! そんなバカなことが! このッ! なぜだ!?』

『物わかりの悪い奴だな。今のオレは純度100%の真水なんだよ! おたくのお得意の雷魔法は受け付けないわけだ。で? ここからどうなると思う?』

『どう、なる……?』

『雷のあんたはオレから逃げることができない。じゃあ、オレがあんたの魔力吸収していったらどうだ?』

『き、貴様!? 下級精霊の分際で、中級精霊である儂に手を上げるというのか!?』

『なにを今更言ってんだ? あんたはオレを殺そうとした。オレだけじゃなくて、あいつらの命さえも下らないと捨てようとした。じゃあ、オレがあんたを殺しても問題ないだろ?』

『許されるわけがないだろ!? いいから儂を開放しろ! これは命令だ!』

『あんた、いつまで経っても上から目線だな。オレ、そういう説教臭い奴大っ嫌いなんだわ。じゃあな』

『きさ、ま……!? くっ!? あがっ!?』


 オレは自称中級精霊とかいう偉そうな雷の精霊を吸収し尽くした。

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