うさぎのしっぽは丸くない
ありま氷炎様主催『春節企画2023』参加作品です。
ノリと勢いです。
どうぞ深く考えずお楽しみください。
「……なぁ」
「何だ?」
「うさぎのしっぽはな、丸くないんだよ……」
「……うん、何の話だ?」
「だーかーら! うさぎのしっぽは丸くないんだ!」
「……そうか。初めて知った……」
「だが世の中みーんな、うさぎの絵を描くと、しっぽは丸だ!」
「うん、まぁそうだな」
「んで! バニーガールもみーんな丸いしっぽをつけてる!」
「……あぁ、うん。それが問題なのか?」
「いや! 別にバニーガールはうさぎじゃないから別にいいんだ!」
「……飲みすぎだな。水を飲め」
「うん。飲む」
「何か鬱憤でも溜まっているのか?」
「うっふんだと!? バニーガールのそーゆーところが良くないって言うんだよ!」
「あぁ、よくわからない地雷を踏んだ」
「あの、あれは何で胸強調で尻丸出しのハイレグなんですかね!?」
「いや、デザインの歴史に詳しくはないが……」
「あんなの見たいじゃないですか! でも見たらスケベ扱いですよ! 何ですかこの不条理!」
「落ち着け。水を飲め」
「おう。飲む」
「まぁ女性の肢体に興味を持つのは、男として悪い事ではないと思うが……」
「お前はそー言ってくれるけどな!? 世間ってのは厳しーもんですよ! そういうのをちらっとでも出したが最後! 魔女狩りもかくやと思うばかりの扱いで!」
「何か大変な思いをしたんだな。まぁ水を飲め」
「あぁ、飲む」
「最近は若干そういうのが厳しくなった感もあるな」
「そーだろ!? だがな!? わからなくもないんだよ! 俺だってガチムチの人からじっと見つめられたら、相手にその気がなくてもちょっと怖いなって感じる!」
「その例えは合っているのか?」
「とにかく! 女ってのは怖い! だからお前と飲むのが一番いい!」
「……そうか。とにかく水を飲め」
「飲む」
「……もう寝た方がいいんじゃないか?」
「……おしっこして寝る」
「あぁ、そうだな」
「……うーぃ」
「……職場の打ち上げと聞いていたが、そんな店に行ったのか。妻として若干腹は立つが、『お前と飲むのが一番いい』の言葉に免じて許すとしよう。……しかしバニーガールか……。嫌いではないようだし、今度買って着て見せたらどんな反応をするのかな……」
読了ありがとうございます。
最後のがやりたかっただけで、旦那の主張は戯言と流してください。
クールな奥さんが酔っ払った旦那をあしらいつつ、ちょっと歩み寄ってくれるの好きです。
旦那は顔真っ赤になるでしょうけど。
ありま氷炎様、ギリギリでの参加で失礼いたしました!