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甦れ!フェニックスちゃん!  作者: 神宮雅
リサ 学校編2
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リサ、ビルと山へ行く。

いいねと評価ありがとうございます


 進級してから1ヶ月が経ち、訓練や指導をそこそこに魔道具作成を行っているリサとビルは、フォレアスタークの指示の元、学校の裏にある山に赴いていた。

 1年生の時に行った実習場所よりも更に深く、普通に歩けば1日は掛かるであろうその場所に、ビルの飛行魔法で1時間もせずに辿り着く事が出来た。リサはその間ビルの腕の中で丸まりながら、フォレアスタークから渡された、遠見の魔法陣が刻まれたペンダントを森が映る様に掲げていた。

 今回山の奥へ来た理由は、大型魔獣の討伐と付近の魔物の掃討。

 現れた魔獣はマグベアー。出現場所が学校管轄とノトー王族領の男爵管轄地の境界付近であり、ガルガラへ向かう街道も近くにあるという事で、緊急性を要しているとの事。

 魔物の掃討はついでという事で頼まれている。リサとしては、依頼料を請求したい所ではあったが、フォレアスタークに授業の一環と言われてしまい諦めた。


 街道から見えない森の中にビルが着地すると、リサを腕の中から下ろして軽く伸びをする。


「くぁあ〜、疲れた!リサちゃん、取り敢えず街道の方に歩こうか。マグベアーが何処にいるか分からないけど……て言うかさ、学校の敷地とその外って区別つかなくない?」


「等間隔に看板が建ててあるってフォレアスおじさんが言ってたよ。街道側に歩いていれば分かるんじゃないかな」


「そうだったね。あ、学校の敷地外にマグベアーが居たらどうするか聞いてなかったね。どうする?」


「私に聞くの〜?……冒険者がいる様ならその人達に任せて、居ないなら敷地外でも討伐でいいんじゃない?」


 リサは遠見の魔法陣を自分に向けて「それで良いよね」と話し掛けた。当たり前だが、返事は返ってこない。だが、リサは返事を求めている訳では無く、ただの報告として伝えただけなので、すぐにペンダントを下ろした。


 ビルとリサの2人は話し合いを終えると、上空から見た情報を頼りに街道に向かって歩みを進め始めた。


 リサが先頭で道を切り拓きつつ、ビルが殿で周囲の警戒をする。案外魔物の姿は無く、その魔物達も態々討伐する程でも無いので、襲い掛かってくる相手以外は無視を決め込んでいた。

 核と魔結晶はリサが回収して、フォレアスタークから借りている拡張袋に仕舞って腰の革ベルトに引っ掛けている。

 本来であればリサとビルも、魔法を駆使して索敵をしたいのだが、冒険者や旅人に見られる可能性があるので、一般的な魔法以外の行使を禁止されている。その為、リサが物質操作で道を創り氷神輿に乗って移動する事も、氷鏡で周囲を探索する事も出来ない。ビルの方も、飛行魔法や移動魔法を駆使して探索する事が禁じられているので、探索にはかなりの時間が掛かる事が想定されている。

 そうして、マグベアーを見つける事無く数時間が経ち、陽も真上に昇った頃。リサ達は街道に出てしまった。


「あれ?道だ。看板があるって話だったけど……」


「見逃した訳じゃ無いだろうし、魔物か魔獣に倒されたのかな?まぁ問題があればフォレアスが来るだろうから、一旦ガルガラに向かって街道沿いを歩いてみようか。マグベアーの縄張りの中に街道があったら危ないからね」


 ビルの言う“危ない”の対象は、リサや自分自身では無く、この道を通る一般人に対しての物だ。そもそも、一般人が武装無しで歩くには危険な世界であり、こういった場所には冒険者の護衛を従えて通る物ではあるが……。だが、その冒険者達が対処出来るかと言われると、決してそうでは無い。

 マグベアーは、星3冒険者でも手強い相手であり、星3下位なら複数パーティ、中位なら単独パーティで、他に妨害が無ければ無傷で倒せる事が出来る程度である。そう、一切の妨害が無ければ……。

 だが、護衛を守りつつ、この魔物が多く棲息する山の中では、妨害無くして戦闘を進められる事は不可能に近い。

 1撃で大型の魔物を倒せるのであれば別だが、その実力があれば星4冒険者として活動しており、護衛の仕事はギルド側からの指名以外で受ける事はない。つまり、一般人を護衛しているのは星3下位や中位の冒険者のみ。リサもビルも、頼んだフォレアスタークもその事は理解している為、山の中からでは無く街道を先に探索する事に決めていたのだ。


「別にさ、態々歩いて探索する必要も無いよね。2時間くらい走って、街道に人が居るか確認してから山に入らない?」


「それでも良いかな。でも、俺は問題無いけど、リサちゃんは身体強化使えるの?使ってる所見た事ないけど」


「使えないけど……今度教えて貰おうとは思ってるよ。近接戦で力比べになると、私は全く抵抗出来ないから。でも、体力には自信あるし、走る位なら問題無いよ」


「じゃあ走って探索しようか。その後は……一応折り返してノトー側の街道も探索してから、森の中に入ろうか」


「う〜ん、それなら……」


 リサは街道の端に物質生成で石の看板を生成すると、その看板に“マグベアー出没注意”と文字を彫り、無い胸を張って鼻息を荒く吐く。


「コレを見たら、みんな近くの街に引き返すでしょ!」


「おぉ、頭良いじゃん。でも、マグベアーを倒したらコレを壊さないといけない訳だけど……」


「そっか、結局此処に戻って来ないと駄目なのか〜。……あ、それだけなら冒険者ギルドに頼めば良いよ。護衛依頼でこの道を通るついでに、冒険者が看板を撤去してくれるだろうから。フォレアスおじさん、そういう事だから、見てたらマッピングお願い」


 リサは氷鳥を創り出し、首から外した首飾りを氷鳥に持たせる。すると、氷鳥は空高く飛び上がり、頭上を大きく旋回し始めた。

 そのまま何周かして氷鳥が戻ってくると、リサは首飾りを受け取り再び首に掛ける。

 それを見たビルは、氷狼の事を思い出しながらリサに質問を投げ掛けた。


「ねぇ、その鳥も勝手に動いたりしないの?獲物を見つけたら教えてくれるとかさ」


「どうだろう……指示は出してるけど、動きは私が操作してる訳じゃ無いから、もしかしたら勝手に動いてくれるかもね。……やってみようか」


 リサは氷鳥を霧散させずにそのまま放置する。すると、氷鳥はリサの頭の上にバランス良く乗っかり、そのまま置物と化す。


「……まぁ良いや。走ろっか」


「そうだね」


 リサ達はそう言うとガルガラ方面へ駆け出す。

 頭に乗った氷鳥はバランスを崩して頭から落ちると、羽ばたいてリサ達の後を上空から追いかけ始めた。


「勝手に霧散したりはしないんだね。あ、今度、遠見の魔道具でも作る?鳥に持たせたら、リサちゃんの視野範囲が凄く広がると思うけど」


「ううん、頑張って自分で覚えるから大丈夫」


「そう言えば遠見の魔法を習得してる最中だったっけ。実際どうなの?出来そう?」


「全然出来ない……。空間に干渉って意味が、全然理解出来ないからさぁ。でも、氷のレンズを作って遠くを見る事なら出来る様になったよ。高台が無いと意味無いけど」


「氷の望遠鏡かぁ。まぁ、遠くを見る手段があるのと無いのじゃ、探索の幅は広がるから、それが作れるだけでもかなり大きいよね」


「まぁね」


 リサ達は雑な談を繰り広げながら走り続け、街道脇にある空き地……休息場を見つけると、焚き火の跡を見つけて互いに顔を合わせる。


「ついさっきまで居た感じだね。走ればすぐ追い付きそうかな」


「そうだね、じゃあこのまま進もっか」


 リサの言葉に、2人は再び走り始めると、数分もしない内に先頭を進む乗合馬車と護衛の冒険者達を視界に捉えた。


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