改行、改行、また改行　～だからといってやりすぎもよくない～

　皆様、改行さされているでしょうか。

　ウェブ媒体の文章コンテンツはある程度、改行しないと読んでもらえないことは周知のことかと思います。なろうにおいても有名作品は適度に改行を行い、文字と文字の間に隙間を開けています。高い支持率を集める作者様は、読者様が読みやすいよう創意工夫を凝らして、改行をされていますね。

　というわけで改行の話。

　とりわけ深い話でもないので、軽く聞き流して欲しい。

　私がウェブ小説の改行に関して注目したのは、なろうで複数の小説を読んで、どれも不自然に行と行の間に隙間が空いていると気づいたからだ。本来、小説は行と行の間に隙間を開けることはまれで、紙の本を開けばそこにびっしりと文字が詰め込まれている。しかしながら、なろうに限らずウェブ小説全般で、びっしりと文字が詰められている作品はすくない。

　仮にそう言う文字が詰められた作品があったとしても、誰にも見向きされない場合が多い。内容など関係なく、そもそも読んでもらえないのだ。

　これは、別にウェブ小説に限った話ではなく、ブログやネットニュースなど、文字を扱うコンテンツはだいたいこの法則に倣っている。ヤフー知恵袋でベストアンサーをもらうのは適度に改行しているコメントだったりする。

　どうしてこうもネット媒体の文字コンテンツは改行しないと読みづらいのか。その理由はちょっと分からないが、改行の大切さを知った私はとにかく改行しないといけないものと思い込み、改行原理主義者になってしまった。

　んで、とにかく改行、改行、改行しまくって小説を投稿したところ、自分の作品に違和感を覚える。

　なんか小説っぽくねぇよなぁ？

　読めば読むほど、自分の小説に違和感を覚える。これは本当に小説なのだろうか？　詩（ぽえむ）っぽいぞ。なんでだ？　どうして？

　理由が分からず混乱する私だったが、改行のし過ぎではないかと思うようになる。それを確かめるべく、改行の仕方を変えてエッセイを投稿することにした。

　するとどうだろう。読みやすいではないか！

　私は小説を「、」で改行したり、

　短い文で折り返すようにしていたが、

　それでは逆に読みにくくなってしまうと、

　ようやく気付いたのだ。

　……こんな風に。

　とまぁ、こんな感じでようやく改行やりすぎ症から解放されたわけだが、実際に小説を投稿するまで気づかなかった。

　変な風にこだわっても、結局はユーザーのブラウザやアプリで勝手に折り返し地点が決まるわけだから、あまりこだわりすぎるのもよくない。

　しかしながら、自分の作品を自分で見直して、自分で過ちに気づくのは難しい。誰かに教えてもらわないと気づけないこともある。

　みなさま、もし小説投稿サイトで私のように過剰に改行している人を見かけたり、逆に全く改行しないで文字を詰めまくっている人を見かけたら、勇気をもって声をかけて欲しい。

　本編の内容の感想とは違うし、場合によっては作者から反発されるかもしれないと、不安に感じるかもしれない。

　それでも、声をかけてあげて欲しいのだ。ただ改行の仕方が悪いという理由で、名作がネットの海に沈んでいくのはつらすぎる。

　あなたの書き込みがきっかけで一つの作品、一人の作者が救われるかもしれない。

　改行に関する指摘も立派な感想なのだ。