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遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
なかなか更新できず申し訳ありません。4月から受験生ということで
さらに投稿頻度が下がると思いますがどうぞ、この小説をよろしくお願いします( ノД`)…
「今日からアリス様の侍女となります,モルーアと申します。」
アリスが部屋を移ってから、3日たってからだった。
侍女がきたのは。一人しかいないのも、アリスのことを気づかっての
っことか、それとも警戒しているのか。
「……よろしくね。」
少しいぶかしみながら挨拶をする。あまり、人と接触したくは
ないと思いながら相手のことを観察する。
驚いたように凝視しているモルーアを見てこちらも驚いてしまった。
そのように感情を露にする侍女を始めて見たからだ。
「何かしら?」
アリスはまだ子供なので必然的に見上げる形にはなってしまう。
そんなところを可愛らしいとでも思ったのかモルーアは微笑んで
言った。
「申し訳ございません。まだ、お声は治っていないと思っていたもの
ですから」
確かに今回は結構早かったと思った。喉の炎症は3日から4日で大体
治るものだが、アリスは今回2日ぐらいだった。
ふいにザワリと心のなかでモヤモヤが生まれた。
(治りがいくらなんでも早すぎないかしら。魔法など何ひとつ
使ってはいないのに。)
疑問が生まれると様々な仮説……いや、憶測が頭のなかを飛び交う。
「アリス様、その……。」
モルーアの声で現実に戻された。そのまま部屋を出ようと
扉に向かって歩こうとした。
「お待ちください、アリス様どちらへ……?」
アリスは問いかけた侍女を一瞥するとなにも言わずに部屋から
出ていった。
(……信用できない。なにもかも。)
「……い、おい、おい」
はっと気づくとどこか知らない庭園にいた。
(ここまでどうやって来たのか覚えてない。)
「聞こえるか。」
前を見るとあの双子の一人がアリスの前にたって肩をつかんでいる
心配しているようでもなく淡々としていて、感情が読めない。
アリスを抱き締めたときとは大違いのようだ。
「なんでしょう?」
何事もなかったように返した。無表情で兄を見つめる。
「俺がアリスをここまでつれてきた。
少し話があってな。」
どおりで知らないところにいるはずだと納得する。
「早く終わらせましょう、何を話したいの?」
睨みながら言った。彼はアリスが睨んでも淡々とした
様子で手のひらをこちらに向けた。
「ここでは無粋だ。あちらに席を用意している。」
「いいえ、こちらで結構です。私長居をするつもりはありませんから」
(あちらと言うのはちらっと見えるパビリオンことかしら?)
敵が用意した陣地にいくのは今のアリスにとって自殺行為。
早く会話を終わらせたいと願う。
「話と言うのは、アリスの出自について、だな」
驚きで微かに目が開く。それだけで動揺しているとわかったのか
彼は不適にゆっくりと唇に弧を描いた。




