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時恵の力3


「雷重擊!」

 

「ほぅ、雷属性の打撃……。重力で威力も上げるか……。異能と魔法を組み合わせた体術……。進の元々の身体能力と合わせれば重機など比較にならない威力になるが――」

 

 手加減なしの拳を時恵はあろうことか易々と受け流した。

 

 手の甲で俺の右ストレートを弾いたのだ。

 

「……な!?」

 

「重力を相殺すれば、私の身体能力が上回るがな」

 

 時恵の掌底が胸に叩き込まれて息が止まった。

 

 瞬間、俺の身体は真横に吹っ飛ばされる。

 

(この怪力がっ!)

 

 本来、重力がある以上は万物は放物線を描くのだが――。

 

 どれほどの力で飛ばされれば真横に吹き飛ばされるのか。

 

(俺じゃなかったら息が止まるじゃすまなかったぞ)

 

 粉砕骨折と五臓六腑が破裂していだろう。

 

 いや、滅龍の魔力を纏ってなかったら俺でも骨折してたかもしれない。

 

「重力と神龍力が相殺されても俺の腕力で押せると思ったんだが……」

 

 せり上がった血を吐き出して唸ると、時恵は呆れた表情で、

 

「お前の身体能力のベースは私が死にかけた時に培養移植した細胞だ。故に龍の魔力に適応し、龍の魔力が無意識に身体強化を行っている。滅龍魔導師になっても気づいていなかったとはな……」

 

 そう言えばティアが俺がジャバウォック戦でティアの魔力を全部取り込んだときに驚いてたが、そんな秘密があったのか……。

 

「つーか、龍の魔力が勝手に使われてたってことは魔法が使えないのもそれが関係してるのか?」

 

「まぁ、所詮は人が使う魔法。進の肉体は半分が龍に近いからな。魔法を使うための基盤が人間と違うのだから当然だろう」

 

 なるほど――才能以前にベースが違うと……。

 

「色々衝撃の事実だぞそれ……」

 

「ふっ、地球の時に教えても信じないだろう? そもそも龍なんて架空の存在か遺伝子組み換えで似せた合成獣しかいないのだ」

 

「まぁな……」

 

 そう言われれば、返す言葉もない。

 

 どうせからかってるのだろうと真に受けなかっただろうからな。

 

「だが、納得はしたわ。でも、俺の重力を相殺した種は明かしてないぞ?」

 

「なんでも明かしたらつまらないだろう?」

 

 時恵の手には今度は弓が握られていた。

 

 矢はない。なのに、俺の感があれが危険だと警鐘を鳴らしていた。

 

 

 

 

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