時恵の力2
「神龍力!」
龍の魔力を纏わせ全能力を引き上げる。
「ほぅ……龍の魔力か……。しかも天の属性を持つ者と契約できるとは運命とは数奇だな」
「?」
「私は地の頂点と契約していてな――。見せてやろう冥の力を――――神龍力」
!? まじかよっ!?
時恵の放つ魔力は俺とは逆で熱ではなく冷気を放ち、常闇に全てを引き込むような闇を秘めていた。
「なっ! そっちも持ってるのかよ!?」
「神たる天、人たる人、そして世界の守護たる地の力を持たねばマトには対抗できないからな」
時恵の魔力は俺よりも大きい。
一体どれだけ強いんだよ……。
気になってステータス魔法を使った俺は呆然とした。
逆槇時恵
レベル666
異世界人・神殺し・龍殺し
能力…………
隠蔽されて能力は見れなかったが、レベルだけで規格外すぎるのはわかった。
ジャバウォックがレベル350だろ?
パワーインフレにもほどがある。
末期ゲーだろ……。いや、末期世界だったなここ。
俺は現実逃避しかかりながら、首を捻った。
これなら俺が召喚されなくてもよかったよな?
こっちはコツコツ、レベル1からあげさせられてきたんだぞ?
「俺達が戦力になる自信がなくなるな」
「お前の役目は他にあるから問題はない。あれを倒すのは私の役目だ」
時恵の目には暗い炎が宿っていた。
復讐者――まさに消えぬ憎悪が炎々と燃え続けているのだ。
「なら、俺達の役目ってのは?」
「それを知りたければ力で吐かせてみるがいい」
っ、それが簡単にはできれば苦労はなさそうだな。
だが、このまま何も知らずに踊らされ続けるのも癪だし、足掻いてみるか。
時恵は勝てとも言わなかったし、いっちょやってみよう。




