サカマキトキエ2
「そうか? お前達はこの世界に来て絶対に驚いた概念があるはずだぞ?」
「驚いたこと……ねぇ」
色々と驚かされましたから、わかりません。
思い出せないので、思考放棄した俺に対して、美海は真面目に考えたのかなんとか答えを出そうとしている。
「そうですね。一番の違いはレベルとかステータスとかですかね。地球ではありえなかったものですし」
「さすが美海だな。正解だ」
おぉ、一発正解か!
優秀な優等生。
「あれがこの世界に召喚される時、レベル1になるように世界の仕組みを弄ったのだ」
「弄ったって簡単に言うなよ」
それもう神様の領域だよな?
「あの時代は神の眷属である龍も多かったからな。それほど難しくはなかったぞ?」
むしろ協力を取り付ける方が大変だったそうだ。
「それで……滅獣王は何体倒したんだ?」
「ジャバウォック、ユグドラシル、煉獄もそうなら三体だな。今はクサリクを倒すために準備中だ」
「クサリク――グガランナの事だな。天の雄牛。天属性の滅龍魔法の天敵だな」
ちなみに太陽も天の力なので権能の相性も悪いそうだ。
「まじかよ……」
「安心しろ。グガランナは私が倒そう。地の系統は得意だからな」
時恵は胸をはるが、ぶっちゃっけこの人がまじで戦ってる姿って見たことないんだけど……。
大丈夫だよな?
「社長が戦うとなると、私達はどうしたらいいのでしょう?」
「そうだな……。使徒がいるならそちらを片づけておきたいところだ。どうせ、コソコソ動いてるんだろう?」
すげぇな。
さっき召喚されたとは思えないくらいに現状把握してるよ。
本当は黒幕と繋がってるとかないよな?
これなら初めから時恵が召喚されてた方がよかったんじゃないのかと思ってしまう。
たぶん、滅竜教会にはめられるなんてヘマもしなかっただろうしな。




