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旅道中11


「仲間ですか。私は地球の、ティアささんはこの世界での仲間なんですね」

 

「うむ。美海――と呼んでよいか? 妾もティアでよいぞ。そう言う感じじゃな。進よ、何か言いたげじゃな?」

 

「あ、あぁ、色々と話すことがあんだよ。ティアがいなかった間にな」

 

 俺はクサリクやキャスパ諸島での出来事を話した。

 

「なぁ、ティアは何してたんだよ? クタについても聞きたいし」

 

「クタ? あぁ、あやつ、そう名乗ったのか……。あやつは――妾にとっては兄とも言えるか……。妾はあやつを探し回って世界を回っておったのじゃ、あとは何度か小さな亀裂を閉じたりしておったりじゃの」

 

 言い方的にやっぱり偽名なのかよ。

 

 本名は教えてくれなさそうだがな。

 

 別に知ったところで得もないだろう。

 

 マトとか言ったら許さんが。

 

「共和国に行ったりもしたのか?」

 

「いや、あそこは別段亀裂の被害がなくての。亜人の強さも異質であったからの。あちらの方角から来たのは蝗害が近くで発生したから治めようとしたからじゃ」


「バッタが全滅したのはクタの魔法なのか? 」

 

「そうじゃ。妾の天の滅龍魔法に対して地の滅龍魔法を使えるのじゃ」

 

 地の滅龍魔法ね。

 

 岩とか重力とか石化とかかな?

 

 だが、あのバッタを倒したのにはどれも当てはまらなそうだが――。

 

 それに、

 

「共和国の強さは異質か――。あそこには元使徒がいるらしいな、何か関係があるのかな?」

 

「使徒か――。世界の害虫め」

 

 煮え湯を飲まされたティアも思うところがあるからか端正な顔を怒りに歪めて呟いた。

 

 害虫か――。

 

 まったく同感だ。

 

「まぁ、もう使徒じゃないらしいけどな」

 

「ふむ。じゃが何かしらの情報は知ってそうじゃな。進は其奴に会いに共和国へ?」

 

「いや、新しい能力を足しにな。あと、召喚魔法について調べに」

 

 マトに勝つためにはまだまだレベルを上げるだけでは足りない。

 

 新しい異能やそれを得るヒント、それと時恵を召喚するための召喚魔法について知ってそうな古い種族を訊ねるためだ。

 

 目下の目的は社長の召喚だ。

 

 こちらの鬼札になるからな。

 

「それならエルフやドラキュリアンを調べるのは妥当じゃな。特にドラキュリアンの魔法体系はこの世界のものに沿っておらぬからの」  

 

 おぉ、やっぱり共和国には何か得るものがありそうだな。

 

「んで、今からはそこに向かうがティアも来るだろ?」

 

「当然じゃ!」

 

 相変わらず無い胸をそらして尊大に頷いたティアを仲間に加え、俺達はアデルの待つ竜車へと戻った。

 

 

「え? え? 龍? ティア様って本物の龍!? しかも、龍魔人なんですか!?」

 

 そんな驚かなくても。

 

「大袈裟に驚かなくても何もしないぞ?」

 

「何を言ってるんですか!? 龍とはこの世界で最も古い? 単体で国をも滅ぼす最強の種族ですよ? 敬意を払うのは当然ですし、しかも本物に会えるなんて感動です!」

 

 アデルはティアの自己紹介に目をキラキラさせて言い切った。

 

 うん、感動するのはいいけど、手をワキワキするのは止めて欲しい。

 

 どうやらティアはアデルの好奇心を刺激する三人目になってしまったみたいだ。

 

 

 

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