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準備期間


 三ヶ月後のメギトヘ行くにまでにはまだまだ時間はある。

 

 法国の首都だけあるので、ポータルもあるらしく、転移魔法ですぐいけるので、移動時間はない。

 

 なので、俺はさっそく図書館に来ていた。

 

 今日から歴史と神話について調べている。

 

 本来なら勇者として各地の魔物を減らしたり、復興のために他のことをしたりすべきだが、これもやらねばならないことなのだ。

 

 一応レベリングしたベルベット、エレノア、白の百合を筆頭に腕の立つ面々は亀裂から溢れた魔物を討伐している。

 

 各地のポータル網の充実が現在重要視されている。

 

 移動の効率化は必須だな。

 

「さてと……」

 

 今日から調べるのは魔法関連ではなく歴史――いや、神話か。

 

 専門家や吟遊詩人に話を聞いてみてもいいな。

 

 神話はこの世界ではそれほど種類は多くない。

 

 と言うのも、龍信仰が大陸中に広まっているので、龍=神の話が多いのだ。

 

 そんななかで滅竜を謳ったあの教会は本気でアホだと思える。

 

 世界に喧嘩を売りかねない思想だったからなぁ。

 

「これにするか」

 

 棚にある分厚い本を手に取っていく。

 

 『創龍紀』『天地創世』『神々の歌』――どれも世界創造の神話だった。

 

 ――――――――。

 

 日もとっぷりくれた帝都を俺はフードで顔を隠して帰っていた。

 

 パレードでますます顔が知れてるので、見られると面倒だからな。

 

 地球の芸能人もサングラスとかマスクとかしてたけど、その気分がわかる。

 

「創世龍ね……」

 

 三つの神話に共通して出てきた単語――創世龍。

 

 かの龍は自らの力を使い土台となる星を創り、その後、自らの半身を用い、海と海の生物を創った。

 

 そして、最初に作られた神龍が二柱。

 

 母なる海――俺たちの世界と同じ単語があったが、そこからの由来であり

もう半身で大陸を創ったそうだ。

 

 創られた神龍は海と陸を見守る存在として存在し、その後、龍や人、獣が生まれていき、やがて今の世界の形となった。

 

 創世龍の魂は根源へと還り、脱け殻である肉体が今の大陸と海である。

 

 要約するとそんな感じだ。

 

 大地母神とかが当てはまる話だなった感想。

 

 あの女神の話だと神様が敵っぽいから、二柱のどっちか、あるいどっちもが敵なのだろうか?

 

 つーか、それ以上の話が載ってる本がねぇ。

 

 やっぱり天地戦争、人魔大戦で国家の多くが戦火に呑まれたからそれ以前の資料消失してるらしい。

 

 これなら、ティアに聞いた方が早いだろ。

 

 何歳かは知らんがとんでもなく長く生きてるっぽいしな。

 

 早いとこ本人が帰って来て欲しいところだ。

 

「他に本は――?」

 

 本棚に並んだタイトルを眺めていた俺はふと、目を止めた。

 

 革表紙を綴り紐で綴じただけの乱雑なものだ。

 

 帝国が誇る大図書館に置かれるような本と言えるものではない。

 

 私書と言えるような代物だろう。

 

 だが、逆にそんなものだからこそ興味が惹かれる。

 

 誰が書いた本なのだろうか――。

 

 俺は興味本意でそれを手に取った。

 

 かなり古く綴り紐も千切れかけているので、慎重に扱わないとな。

 

 古書らしく色が変わるほど年月の経ったページを捲り――。

 

 

 

 

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