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帝都に戻って


 キャスパ諸島での祝勝会に帝都に戻ってのパレード。叙勲式に祝賀会にその他もろもろのイベントで屋敷に帰ったのは一週間近く経っていた。

 

「ここが進君が借りてるお屋敷ですか……豪邸ですね」

 

「屋敷はかなり気に入ってるんだよな!」

 

 俺のものではないが思わず自慢してしまった。

 

 だって地球なら社長とかでも住めない豪邸ですから!

 

「庭付き、メイド付き、家具もろもろありで家賃なしですかぁ。ここだけなら私異世界召喚されてもいいですね!」

 

「そこはどうかんだな!」

 

 あっちの世界だとワンルームの部屋で自炊しながらの生活だったんだ。

 

 比べると天と地ほどの差がある。

 

「おかえりなさいませ」

 

「お疲れさまでした」

 

 メイドのリリ、ララが恭しく迎えてくれた。

 

 やっと帰ってこれたって感じだ。

 

「留守の間にティアは帰ってきましたか?」

 

「まだですね。マーリン様なら来ておられましたが」

 

「マーリンが? 頼んでた件の進展があったかな?」

 

「何か言ってたました?」

 

 俺の紹介で同じ異世界召喚の勇者として正式に認められた美海は俺の屋敷で滞在することになったのだ。

 

 なので、美海もこの館の主としてリリ、ララに認められている。

 

「いえ、神条様がいないと伝えると戻られました」

 

「そうか……」

 

 伝えないところを見ると内密な話だよな。

 

 絶対不吉だと断言できるが、行かないわけにもいかない。

 

 頼んでいた件の話かもしれないしな。

 

「進君のお仲間なら私も会ってみたいです。一緒に行っても構いませんか?」

 

「あぁ、勿論だ」

 

 美海も俺と同じ勇者だし、クサリクについてなら他人事じゃないから良いだろう。

 

 

 帝都の一角には巨大な魔法研究施設があり、城に匹敵する厳重な警備が敷かれている。

 

 なにせ、国内で魔法研究の最先端をいく施設なのだから当たり前だ。

 

 この世界で魔法は戦争、戦闘、商業、農業、経済、医学――あらゆるところに関係している。

 

 その開発を行ってるともなれば機密の塊ともなるだろう。

 

 いくら勇者でも中で好き勝手歩き回るわけにもいかない。

 

 なので、俺と美海は門を潜ってすぐにある来客用の施設に案内されていた。

 

 白張りのタイルは清潔に掃除され、観葉植物やテーブルの配置がオフィスや会社のエントランスを思い出させる。

 

「お待たせしました。神条様、月島様。マーリン様はすぐにいらっしゃいます」

 

 ローブをきた魔術師が紅茶とクッキーを持ってきてくれた。

 

 魔術師はテーブルにそれらを並べると一礼してどこかへ行ってしまう。

 

「ありがとうございます」

 

「いただきます」

 

 程よく飲みやすい温度の紅茶とクッキーの甘い匂いが食欲が進むな。

 


 

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