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再会3


 美海が召喚されたのは魔大陸の孤島鬼ヶ島だった。

 

 そこで見たのは角を持つ鬼人と呼ばれた亜人。

 

 彼らに助けられこの異世界でのことを教えてもらった。

 

 そして、異世界から召喚された自分が勇者である役割を与えられていること。

 

 同時にこの大陸の過酷さも。

 

 レベルと言う概念もだが、徘徊する魔物――怪物は厄獣とも思える強さ。

 

 鬼人達に戦いかたを教わりながら実力を上げていき、魔大陸でも旅ができるだけのレベルになった。

 

 異世界に飛ばされたのが自分以外もいるはずだと、旅に出ようとした矢先――。

 

 魔王が復活したと噂が流れてきたのだ。

 

 魔王――。

 

 勇者と対極になる存在。

 

 召喚されたタイミングといい無関係とは思えない。

 

 魔王について調べてみよう。

 

 そう思って美海は魔王が復活したとされる獣王の都市へと向かったのだが――。

 

「そこで魔王として君臨していたのが、魔皇・煉獄だったのです」

 

 そして、煉獄が魔大陸とは別の――この大陸へ侵攻するのを知ったのだ。

 

 そのための大々的な魔族の徴兵と魔物の捕獲が行われ出した。

 

 魔族でも食人種や血を好む魔族がそれに加担し、魔大陸産の凶悪な魔物が大陸へと攻めこむ。

 

「ただ、大陸へ直接むかえば、法国に迎撃される。そのため、煉獄が迂回してキャスパ諸島へ現れると情報を得たのです」

 

 そのままキャスパ諸島から帝国を攻めるつもりらしい。

 

 美海は先回りすべく小舟で海魔の領域を突破しようとしたが、敢えなく撃沈。

 

 樽に乗って漂流する羽目になったのだ。

 

(魔物の巣を単身で突破しようとするとは無謀にも程がある)

 

 まぁ、単身で向かった度胸は大したものだが――。

 

「海魔の巣窟を突破してこの諸島を占領して拠点とし、物資を補給し、さらにレベル上げに集まった冒険者を駆逐を狙う一石三鳥を狙っているのか……。そして、当の魔皇は海魔の群れを撃退できる実力の持ち主でもある――」

 

 アンジェラは苦い顔で爪を噛んだ。

 

 あの異常発生した強個体も魔大陸の魔物だった可能性がある。

 

「私が知ってるアビスだが――」

 

 アンジェラは法国とこの島で戦ったアビスとの会話を二人に話した。

 

 ◆

 

「なるほどな……。お母様ってのが亀裂の黒幕の可能性が高い」

 

 最後に俺が知っている滅獣の情報、使徒についての情報を話す。

 

 使徒を操る存在が世界の敵であること。

 

 滅獣王が何故か俺達の世界を蹂躙した厄獣王と同じ種類がいたこと。

 

 龍にすら使徒がいたこと。

 

 地球からの転生者がいて、暗躍して世界の不和を招いたこと。

 

 その転生者が神器勇者であるユーリだったこと等々……。

 

 話す内に空が明るく照らされ、安佐になっていた。

 

「聞けば聞くほど信じがたいな。魔族の進軍。世界存亡の魔物が異世界でも現れている。さらにあの剣の勇者であるユーリが世界の敵に加担していたなど……」

 

 世も末だな。

 

 ポツリ、と呟いたアンジェラは天井を仰いで額を叩いた。

 

 美海も同じ反応で眼を閉じている。

 

 俺も信じたくない。

 

 と言うか、こうしている間にも魔王――じゃなかった。魔皇が攻めてくると思うとのんびりする暇もないしな。

 


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