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消えかけの人々  作者: 蓮之都
一章 死線を越えて
9/22

音の秘力

ハッピーニューイヤー

新年明けましておめでとうございます。


蓮之都もこの一年を成長できる一年にしたいと思います。


これからも宜しくお願いします。


山頂の街リンリアと呼ばれていた通り、標高が高い故に空気が薄く少し動いただけでも息が上がってしまう。

その結果、山頂の街の壁を垂らし落とされたロープを使ってよじ登った三人は息を切らしていた。


「お疲れですか?」


ニヤニヤしながら質問してくる響に、三人は口を揃えて答えた。


「「「これで疲れない方がおかしいだろ(でしょ)」」」


「まぁまぁ、そんな事より雲と華が一緒に行動していることは知ってるけど。他にも一人増えてるね」


自分が質問したにも関わらず長い間雲と華は二人で旅していたが、それに加わっている照弥の事が気になったらしい。


(お前が聞いてきたんだろうが)


「それもそうだよ。照弥とはクラリフォールで会ったんだから」


クラリフォールのことで起きたことを詳しく華が響に話すと「それでか」と一言口に出した。


「クラリフォールの防壁省の多くの兵士がたった一人に殺されたって情報が此処にも来たんだよ。それから、そんな人物が街に入ってこれないようにずっと門を閉じたまま」


街の門が閉ざされていた理由はわかったが、三人はこんなところに街を作った理由。そしてmiracleミラクルがこの街に行くことを薦めた理由を知るためにきた。


「そういえば、自己紹介しないとね!俺はヒモトの人間で抗神者の一人。音無おとなし ひびきよろしく」


そう言って響が左手を照弥に向かって差し出した。


「あ、あぁ、俺は照弥。日下部 照弥。こちらこそ」


少し戸惑いながらも照弥は左手で響との握手を交わした。


「ねぇ、響、紅那はどこ?」


「紅那なら街の中に居るよ。そうだなぁ、ちょっと待ってて」


そう言って響は立ち上がり深呼吸した後に、瞳を閉じて両腕を平行に広げた。


「心拍、呼吸、振動、導け探すべく対象の座標」


しばらくすると響がゆっくりと瞼を上げて「うん。いた」と囁いた。

何をしたのかさっぱりわからなかった照弥は雲に聞いた。


「響の秘力、それは音だ」


「音?」


照弥はポカンと口を開けながら理解ができていない様子だった。


「音つまり空気の振動を広い範囲から距離感とかを把握する力が非常に強いんだ」


雲の説明でなるほどと頷く照弥。


「どの辺に居るの私が迎えに行ってくるよ」


「紅那なら後ろに居るよ」


雲と華そして照弥の三人が後ろ向くとそこには夕陽によってより赤みを増した茜色の髪のサイドポニーの女の子が立っていた。

彼女は金と紫そして赤といった色の鮮やかな和服を着ていた。その上で動きやすさを意識した丈の短い物で、上半身には襷で袖口が邪魔にならないように縛っていた。


「久しぶりね、雲、華」


「紅那久しぶり~」


紅那の姿を見るなり華は勢いよく飛び付いた。

紅那は体制を崩しはしなかったものの華の勢いによって数歩下がった。


「おっとと、危ないなぁー」


「よっ、こいつと同行だと疲れるだろ」


雲は響の事を親指で指差して、軽く挨拶をした。

それに対して「まぁね」と笑いながら答えて抱きついている華の頭を撫でながら、ふと回りを見て見馴れない照弥に彼女は気づいた。


「初めまして私は調月つかつき 紅那くれなよろしくね」


「えっ、あ、は、はい俺は照弥って言います」


二人の自己紹介を終えたところで響が不在だった紅那に話を掛けた。


「お帰り紅那」


響の言葉に反応して、ただいまと返事をした後に紅那は「そうだった。大変だよ」と言った。


「街の人間が遂に動き出した」


三人は慌てている紅那に対して何事と反応するしたなかった。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。


感想やブックマークそしてレビューを頂けるようにこれからも精進していきたいと思います。

誤字脱字があるかもしれませんが今年もよろしくお願いいたします。

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