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消えかけの人々  作者: 蓮之都
一章 死線を越えて
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登山の脱落者

ちょっと長めになりました。

それでも一話ほどではありません。

最後まで読んでいただけると幸いです。

平地よりも高く見晴らしのいい地形、それは山だ。登山家は山を登り山頂から眺める景色を楽しむ。山頂からの景色は苦しみや悲しみを忘れさせてくれる。

しかし、その分危険が存在する。天候の変化、川の増水、低気圧による寒さ、空気の薄さによる低い酸素濃度、突然の落石など自然そのものが脅威となる。


「ど、どの辺まで来た?ハァーハァー」


山を登りはじめて少し経った時の事だった。

照弥が息を切らしながらも山を必死に登り現在地を先頭を無表情のままスタスタと登っている雲に尋ねた。


「まだ半分も登ってねぇよ」


「最初に走って登ったりするからだよ」


「普通に登っても疲れることには、変わらないだろうハァー」


「海を航るのに船に乗るように、山を登るときも適度な歩く速度があるんだよ。歩く速度よりも速く走る速度よりも遅いペースで登ると疲れにくくなるよ」


「俺から見たら二人とも普通に登ってるようにしか見えないのだが。タフなの!?」


「この間、あれだけの兵士を相手に一人で圧倒してたから。身体の使い方は上手いと思ってたんだけどそれって戦闘時だけなのか」


「何言ってんの、相手の攻撃を回避するのは普通でしょ。誰でもできるし、できて当然じゃん。」


照弥の発言に二人とも口を開いたまま唖然とした。


「どうしたの?」


照弥は一体自分が何を言っているのか自覚していない様子だった。

それを見て二人は口を揃えた。


「いや、何でもない」


暫くして、山の中腹までたどり着くと照弥は平らな大きい岩の上に横になった。


「ちょっとだけ...休憩しようよ」


疲れて横になった照弥を見て華は雲に判断を委ねた。


「どうする、雲」


岩の上に横になって一ミリも動く気配のない照弥を見た雲はわかったと言い荷物を地面に置いた。


「少しだけな」


数分経過して、華はあることに気付いた。

山の頂上を見ていた雲は、スゥーッスゥーッとリラックスしているような呼吸音が聞こえる方へ眼を向けると、岩の上に横になった照弥が完全に爆睡してい

た。


「ねぇ起きなよ」


華は寝ている照弥を起こそうと身体を揺すったが起きそうになかった。

寝ている照弥に起きる気配が無いのを見て溜息をを吐き、雲はよしと言って掌に握り拳をポンとおいた。


「置いて行こう」


「いやいやいや、連れて行こうよ」


「華、寝てる人間の重量は全体重だ。つまり俺はこいつを担いでいくことはできん」


「でも落石とかあったら大変じゃん」


「仕方ない。華、手伝え」


何を?といった表情で華は雲の事を手伝った。


(なんか嫌な予感しかしないよ)

読みきっていただき有難う御座います。

よろしければ感想、ブックマーク、レビューの方もお願いいたします。

山の中腹で寝てしまう照弥一体どうなるのでしょうか。

次話をお楽しみに。


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