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消えかけの人々  作者: 蓮之都
序章 出会いと別れ、決意
4/22

ヒモトの真価

今回も初期よりは短いので、

読んでいただけると幸いです。

クラリフォールを後にした三人は、北東の山脈にできたリンリアという街を目指していたがそこまでの道のりは、人喰族エルドアを群れを成して棲息している場所だった。


人喰族は、人や獣または岩のような姿をして人間のみを補食する怪物だった。


三人は、10体の人喰族エルドアと交戦していた。剣、籠手、チャクラムの斬撃、打撃音が響いていた。


「たっく、何でこんな時にこいつらが出てくるんだよ!」


「ねぇ、もう全部凍らせてもいいかな」


「少しは近距離戦にも慣れろ」


「わかったよ。従順なる熱、気紛れの風、万物の働き 止める」


華の言葉に従いうように人喰族の動きが止まり、その隙に二人は急所を狙い攻撃を繰り出し撃退した。


その後、他の群れと遭遇する前にその場を後にした。


照弥は先程戦闘で華が一体何をしたのか気になっていた。


「それにしても、華は何したんだ。人喰族が動きを止めるところを俺は初めて見たぞ」


「あーあれ、秘力を使って動きを止めたんだよ。私、抗神者こうしんしゃの一人だもん」


華の説明がいまいちピンと来なくて、照弥が


「お前もヒモトの人間なら一度は聞いたことがあるだろう。『ヒモトの民の内、上に立つ素質を持ちし十四人の代表者。七人の巫女と七人の代理人とされ、生まれ出でし時よりその力を持ち、真の力は秘められている。代表者は神から授かりし真の力を以てあらゆる物に抗う者となる』つまり秘力《秘力》ってのは、その真の力ってことだよ」


雲の説明を聞いて、照弥は改めて華の言っていたことが理解できた。


「それってことは、華は巫女ってこと!!」


「まぁそうだね、でもmiracleミラクルに会ってるんだったら照弥も抗神者の一人ってこともあると思うけど」


「だとしたら、その秘力ってのも使えるってこと。さっきの華みたいに、動きを止めたりできるってことかな」


自分にもそんな能力があるかもしれないと希望を持ちはじめた照弥を見て、華は握り拳を口に当てて笑った。


「残念だけど同じ能力はないんだよ」


「でも華の力って凄いよ、人喰族の動き止めるんだし。もしかして、雲も秘力を持ってるの?」


「ん?あー、えっと、まぁ一応は...」


「それじゃあさ、雲の能力は戦闘には向かない能力なのか?」


まさか自分に質問してくるとは思いもせず少しの間雲は黙ったいたが、暫くすると自分の能力について打ち明けた。


「あんまり他人に言うのは好きじゃないが、俺の能力は戦闘でも使えるというかむしろそっちに特化している。ただ日中に使うと物凄く弱い、能力使わない方が戦えるぐらいだ」


雲の能力について知り、照弥はどんな能力でも構わないから自分にも出てきてくれないかなと思うようになっていた。


「へぇー、俺も欲しいな」


すると照弥の顔を見て雲が多分だけどと言い出した。


「お前秘力を持ってると思うぞ」


その言葉に華は眼を見開た、照弥も『マジで本当に!!!』とワクワクを隠せないほど喜びながら雲を問い詰めた。


(言わなきゃよかった)


「でも、能力って他にどんなのがあるんだ?」


「う~んとね私達が知ってるのは、火、音、水、雷、風、地で全部かな。ところで何で雲は照弥が秘力を持ってる可能性を知ってるの?」


「恐らくだが死線の境地に照弥は足を踏み入れた、クラリフォールでの事だ。照弥がリドラス達の殺戮現場を目の当たりにした辺りから、お前その時点で既に意識なかっただろう。でも体は確かに動いていた」


照弥は確かに仲間の死を目の当たりした後の記憶がないということに気がついた。

眼が覚めたときには、近くに華がいて両手足からは、何かを蹴り何かを殴り誰かを殺したという感覚だけが残っていた。


「死線の境地ってのは誰もが最初に足を踏み入れた時は、その時の記憶を持ってないんだよ。ただその時に何をしていたのか手足の感覚だけが覚えているだけだ」


雲の言っている死線の境地というのが何かはわからないが、自分がそこに足を踏み入れたのは事実かもしれないと照弥は実感し始めた。


「ところでリンリアにはこの道を通ればいいのか?」


雲が足を止めて照弥に尋ねたので、華と照弥は前を見ると山道の手前にいたことに気づいた。


「うん、多分ここを登ればリンリアがある」


秘力について照弥に説明していたからだろうか、気が付くとリンリアに繋がると思われる山道まで到着していた。

読みきっていただき有難う御座います。

次話も読んでいただけると幸いです.

よろしければ感想、ブックマーク、レビューの方もお願いいたします。

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