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東方幻想腐女録  作者: グラたん
第一章
23/119

第X話 チェイルズ大祭 

グラたん「私からのクリスマスプレゼントです!」



~パル視点~

 幻想郷にも冬がやってきた。

 地球とは違い、季節管理もしっかりしているのが幻想郷であり天気は主に冬妖怪が決める。そのため大抵は雪が降り、湖や海は凍ってスケートリンクと化す。

 紅魔館も例外ではなく前庭には雪が積もっていて美鈴先輩が日中日夜雪かきしている姿が見える。


「う~……寒い……」


 ボクも寒いのはあんまり得意じゃないから寝起きは布団から出たくない。でもそれだと咲夜もレミリア様も困るから能力を使いながら起き上がる。

 ボクの能力『数を操る程度』で紅魔館内部の温度を22度に設定し、温まって来た所で布団から出て半袖のメイド服に着替える。

 ちなみにだけど寝ている間も能力は発動出来るよ。でも咲夜が『いつも一定の温度だと季節感が無い』ということなのでボクが起きるまで能力の使用は出来ない。夜行性のレミリア様は暖房を引っ張り出して温まっているみたい。フラン様は外で美鈴先輩や妖怪と一緒に雪合戦している声が夜な夜な聞こえてくる。

 さて! 身だしなみも整えたことだし早速今日の仕事を終わらせよう! 

 




「おはよう、パル」

「おはよ、咲夜。寝癖ついてるよ」


 厨房にやってくると咲夜はもう起きていて、でも最近になって分かったけど咲夜って朝弱いんだよね。身だしなみも一応整えてはいるけどよく寝癖が直ってない。


「うう……」


 咲夜を椅子に座らせて髪を梳かし、やっぱり眠そうに瞬きをしている。

 朝食くらいならボク一人でも大丈夫だから寝ていても良いんだけど、咲夜は自分を甘やかしたくないみたいで、それ以上にレミリア様たちに不覚を見せたくないらしい。

 ボクも咲夜の気持ちも充分に尊重したいからこの件については咲夜に任せて、冬の間は年末に大掃除すれば良いという感じなのでベッドメイクと窓ふきとエントランスの掃除で仕事は終わりだ。


「ありがとう」

「どういたしまして」


 咲夜が椅子から立ち上がり、厨房に立って朝食の支度をし始める。

 ボクも鍋を用意したり食器を用意したりといつもの順番で支度をしていると不意に咲夜の手が止まった。


「あっ」

「ん? どうしたの?」


 お皿を銀のトレーラーに乗せて振り返ると咲夜はカレンダーを見ていた。その視線の先を見ると12月24日に赤い二重丸が付いている。

 あと七日で今年も終わりかぁ……と思いつつ、咲夜が思っているだろうことも思い当たる。


「今日はクリスマスイブだね」

「しまった……」


 咲夜が急に項垂れ、深い溜息を吐いた。


「何か忘れていることでもあったの?」


 と、言いつつボクも必要な物を思い浮かべていく。

 年末は混むからと大掃除の用品は買ってあるし、クリスマスのパーティーをするために用意した食材もある。年末の年越しそばも元旦のおせちも準備済みで寝かせてある。今日の夜にレミリア様たちに渡す予定のプレゼントは咲夜が用意しているはずだ。


「プレゼント……」


 その不穏な言葉が咲夜の口から出て、まさか……と思いながら聞いてみる。


「咲夜、もしかして用意し忘れてた……とか?」


 咲夜の全身が一瞬だけ硬直し、顔を上げて固まった笑みをボクに向けた。


「だ、だ、大丈夫よ。ちゃんと用意してある、から……」

「うん、分かった。買いに行こうね」

「ごめん……」


 咲夜は滅多にミスしないけどやってくれる時は凄いことをしてくれる。特に今日のプレゼントを忘れてたなんてレミリア様が聞いたらグングニルが飛んでくる。

 今日のお仕事が終わったら町に行ってみようということになり、まずは朝食を作って持って行き、レミリア様たちを席に座らせて配膳して行く。

 


 食べ終わって食器を片付けていると珍しくレミリア様が居間に戻って来て咲夜の前に立った。


「どうしたましたかお嬢様?」

「そうそう、咲夜とパルに言い忘れていたことがあったわ。これ見て!」


 レミリア様が手に持っているのは一枚のチラシ。


「えっと……『クリスマスパーティー』……ですか?」

「場所は博麗神社付近の町でやるみたいで、今年は博麗神社主催らしいわよ」


 冬コミの縮小版だね。と思いながらも頷く。博麗神社主催と言っても実際にはメンタがやるんだろうと思う。


「というわけで――偶には二人で行って来たらどうかしら?」


 レミリア様がボクの手に二枚のチケットを握らせ、手に取って広げてみる。


 『第十回チェイルズ大祭フェスタ・開幕。入場料大人1000円』


「行ってきます!」


 ボクはレミリア様に最大の感謝を込めて敬礼する。


「パル!?」


 咲夜がボクの即決に驚くがこればかりは行くしかない。


「咲夜、急いで片付けよう!」

「え、ええ!?」


 ボクは急いでその場を後にし、バケツと雑巾を片手に勢いよく掃除を始めた。





 チェイルズ大祭フェスタ。これは地球にもあったお祭りの一つで休暇の取りやすい冬を狙ったチェイルズシリーズを祝うお祭り。

 そもそもチェイルズとは何かというと踊って歌って戦うバトルアクションゲームだ。

 幻想郷でもチェイルズシリーズは人気があり、現在はチェイルズオブベルセリャという最新作が発売されている。

 概要を説明すると、

  

 祭歌さいかの顕主:歌って踊って人々を魅了する化身

 珈魔ごうま:カフェインを取り過ぎた人間の末路

 珈琲病ごうまびょう:カフェインを欲する病気

 清涼:珈魔と戦う戦士たち。清涼飲料水を信仰している

 導師:清涼の頂点に立ち、人々に清涼飲料水を進める人。また、珈魔を鎮める事が出来、礼舞にて隊祭士たちと共に御多芸を激しく舞い踊る

 隊祭士たいまし:人間の中でもよく訓練された存在。御多芸を使うことが出来る

 清励せいれい:隊祭士たちに強力な援護をする見えない存在。清涼飲料水を差し入れしてくれる


 こんな感じかな。

 ストーリーは導師アルトリュスによって担ぎ上げられた主人公ヴェルベットが珈魔を倒すため祭歌の顕主として歌って踊って鎮めていき、しかし導師のやり方に反発して自分の在り方を証明するため世界――引いては清涼を相手に立ち向かっていく話だ。

 元に小説版があって全部で24巻あって未だ続いている大作だけどボクは全部持ってる。でもボクの部屋には置く場所がないためパチュリーの大図書館の一角を借りて置かせて貰っている。パチュリーもレミリア様も読むので無駄な経費じゃない。

 断じて、と言い切っても良いくらいだ。



 過去にこんなやりとりがあった。

 大図書館の大掃除をしていた時、咲夜が要らない本を纏めて捨てようとしていた事件があった。


『全く、こんなに本があっても読まないのだから少し処分するわ』

『待って! それはダメ!』

『片付けられないなら捨てるってこの間も言ったわよ?』


 まるでお母さんのような仕草と言葉にボクは苦笑いしつつ本を片付けていた。

 本も、それじゃ片付かないなぁ、と他人ごとのように思っていたんだけど――。


『こんな本ばっかり集めて……それにチェイルズシリーズって……これも捨てます』


 ドン、という音と共にボクの本を一冊残らずビニールテープで縛って無造作に放置し、表示に『廃棄処分』と書かれた火魔法陣の紙の上に乗せられた時は流石に正気でいられなかった。


『さ、咲夜ぁぁぁぁぁ!!!!』

『パル、そんな大声出さなくても聞こえ――』

『何でボクの本全部捨てようとするの! ちゃんと管理してあるし本棚の掃除も欠かしてないのにぃ!』


 咲夜の肩を全力で掴んで前後左右にガクガク振るい、涙眼で訴えた。


『ちょ、待って! パル、待って!』

『もーやーさーなーいーでー!!』

『分かった! 分かったから!』


 その後は咲夜にもちゃんとボクの本もあることを説明し、仲直りした。

 それだけボクにとってチェイルズシリーズは大事な物であり、イベントは楽しみな物の一つでもある。






 ――紅魔館前庭――

 外は雪が降り積もり、空は曇天。しかも雪はまだ降っている。

 前庭にはかまくらや滑り台、レミリア様とフラン様の氷の彫刻像があり、巨大な雪だるまがいくつも置いてある。


「はふぅ」


 ボクはワクワクする気持ちを抑えきれず、厚手の長そでと茶色と白のチェックスカートに着替え、ハイニーソックスを装着し、靴はブーツを履いて、服の上から首回りが温かいモコモコのロングコートを着て先に玄関で待っていた。


「おまたせ、パル」


 咲夜も温かいロングコートに手袋とブーツを履き、ポーチを肩から掛けていた。プレゼント用のバッグやリュックサックは咲夜の能力があるから必要ない。


「行こう!」


 ボクは咲夜の手を取り、前庭を走り出した。



 ――町――

 シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、鈴の音とベルが鳴り、町のあちらこちらには雪だるまやクリスマスツリーが飾られ、パンやケーキの焼ける匂いがしてくる。 

 しかしその中でも町中の大祭フェスタは大賑わいでコスプレ衣装をしている猛者も見受けられる。大祭フェスタは朝早くからやっていてチェイルズシリーズにちなんだ商品――例えばメロングミとかアップルグミとか麻婆カレーとか――あ、ちょっとお腹空いてきちゃった。

 でも大祭フェスタ自体は後でも見れるため先にレミリア様たちのプレゼントを買うため町のショッピングモールに来ていた。


「パル、見て見て!」

「わぁ~! 可愛いね!」


 咲夜と一緒ということもあり、女子らしく洋服やぬいぐるみを見たり試着したりしてとても楽しい。メンタも一応女子だけどコスプレ衣装以外興味を示さないから咲夜と一緒の買い物は毎回新しいものが見つかって見ごたえがある。

 ショーケースを見ていると赤い生地に白い羊の毛を編み込んだマフラーが眼に止まった。この組み合わせを見て真っ先に浮かんだのは咲夜だ。 


「あっ、これいいかも」

「パル~、これどうかしら――」


 と、そこへ咲夜も来て……その手にはボクが選んだものと同じマフラーを持っていた。


「思ってること同じみたいだね」

「ふふっ、そうね」


 先に咲夜の首にマフラーを巻き、次に咲夜がボクの首にマフラーを巻いてくれた。


「うん、やっぱり似合う!」

「パルも似合ってるわよ」

「お揃いだね!」


 でもボクの言葉が何か不味かったのか咲夜の顔が赤くなった。


「お、おお、お揃い……」

「あれ? 嫌だった?」


 次いで、凄い勢いで咲夜は首を横に振るった。


「ううん。とっても嬉しいわ。……その、こういうこと今まで無かったから」


 ああっ、とボクも納得する。

 咲夜はボクが紅魔館に来るまでずっとメイド一筋で、友達とかいなくて、自分の為に何かを買うということがなかった。だから緊張していたみたいだ。


「そっか!」


 ボクは上機嫌に咲夜の手を取り、二人分のマフラーをお買い上げする。


「パル、私は私で買うので良いわよ?」

「ううん、これはボクからのプレゼント。受け取ってくれる?」


 ちょっと首を傾げつつ問うと咲夜は大きく一回頷いた。


「――勿論!」

「やったぁ!」


 ボクも嬉しくなり、咲夜に抱き着く。


「ぱ、パル!?」

「あ、ごめん」


 流石に興奮しすぎたと思い、すぐに離れる。 

 


 レミリア様たちへのプレゼントも二人の意見が合致したものを選び、包装して貰って咲夜の能力を使い、時空を歪めた空間の中へ仕舞う。


「うぬぅ……」


 武器屋へとやってきた。

 咲夜の主武器はナイフだから選ぶのには時間がかかる。ナイフは投げても基本的に回収するけど時々折れたりするから年に二回くらいは買い替える。


「んっ」


 ボクは鮪包丁を使うけどナイフも咲夜に教えて貰っているから何処がどう良いとか分かる。咲夜が言うには軽くジャグリングしてみるとどれが良いとかも分かったりするらしいけどボクは実際に投げて見ないといけないから天井に刺さらない程度に上に投げて感触を確かめる。


『おおっ~』


 何故か辺りから拍手が起こり、でも選んでいる最中に手は振れないので笑みだけ浮かべておく。


連鎖する雷轟爆裂アプダクション・ヴィーナス!」


 すると何処からか聞いた事のある声と爆発音が聞こえ、拍手した人たちが何処かに吹っ飛んでいった。

 咲夜のナイフの補充も終わり、武器屋を後にし、またショッピングモールの中を歩いて行く。



 またしばらく見て回っていると何処からか歌声が聞こえてくる。


「三曲目! 『カルマ』!」


 不意に知った声が聞こえて来てそっちを見てみるとレミリア様が居た。それに――。


「なんで皆そこにいるの!?」

「どうしたのパル……って!!」


 ボクが叫ぶと咲夜もステージの方を見て驚いている。


「な、なんで……」


 そこでボクは今ここにボクたちがいる意味を良く考え直す。

 ――そっか、レミリア様たちがボクたちをここに呼んだのはこれを見せるために……。だとすればボクたちがすべきことは――。


「行こう、咲夜」

「え?」

大祭フェスタ、もっと盛り上げるよ!」


 あそこにレミリア様たちがいるなら、ボクたちがやるべきことはもっと盛り上げること。ボクと咲夜なら出来る筈だ!

 それに大祭フェスタ礼舞ライブは”乱入しても良い”というルールがある。

 ボクは咲夜の手を引いて駆け足で三階へと向かう。


「――あ、その前に仮面コスプレしなくちゃね」 

「えっ、いや、パル、パルっ!」


 咲夜が何か言いたそうにしているけど後で聞こう。礼舞ライブは時間との勝負だからね!



 

   

――某所――

 そこにいるのはサンタ。傍から見れば少女がコスプレしたサンタであり、それとなく人目を集めることも出来よう。


「人の不幸は!」

「蜜の味!」

「リア充の不幸は!」

「蜂蜜の味!」

「腐幸の味は!」

「蜂蜜ミルクの味!」

「ハイ! 此方チェイルズ大祭フェスタ、同人誌売り場です!」


 腐って無ければ、という大前提がある。

 傍からみれば美少女、傍から見なければ腐った赤毛。――メンタ。


「今回も活きの良いのが張ってるぜー!」


 隣にいるのは腐幸をまき散らすクソ兎。――てゐ。

 売りに出されているのは無論チェイルズ。いつもは腐腐腐なR18同人誌ばかり売っているメンタたちだが腐だけが取り柄ではない。その気になればそこらの作家よりも良い画質で良作を売る。

 今回は腐では無いコンセプトで即売会を開いているが中々繁盛していた。

 タイトルは『チェイルズ・オブ・アスタリスク』。

 ――簡単に言えばチェイルズ原作キャラをクロスオーバーさせて六角関係にしようというブツだ。今回はチェイルズ・オブ・ゼステリャ・ジ・クロウズが焦点に当てられ、主人公のシュレイがヒロインのアルイーシアに飽きてベルセリャの主人公であるヴェルベットに浮気していくというストーリーが組まれている。

 実に250ページ程度で綴られており『薄い本』とは呼べない代物になっているのにも関わらずお値段は一冊600円となっている。

 更にイラストや本のシーンを切り取ったペナントも用意されており、店の中央にはニトリ商会から委託販売されたフィギュアやストラップ、服やペンライトまで売られている。


「しかし凄い売れ方してるな。このペースだと夕方にはなくなるんじゃないか?」


 てゐが奥から追加の物資を運びつつ確認するとメンタはニヤリと頷いた。


「これはあくまでも即売会ですからね。売切れたらそこで終わりです。……ぶっちゃけ臨時バイト雇って良かったです」


 メンタとてゐは物資搬入をしており、店の売り子は陰陽寺院の女生徒どうしを誘って高時給で雇って働いて貰っている。


「でもどちらにしても午後過ぎには撤収予定ですからね」

「おう、分かってるって」


 大祭フェスタは夕方が本番であり、即売会の全店舗が16時までには完全撤収が義務付けられている。


「本追加急いで~!」

「イラストも追加!」


 店の売り子たちから要請が飛び交い、メンタたちも急いで箱を持って行く。



 午後のお昼過ぎくらいになれば用意していた物資も全て完売し、店を素早く畳んでメンタはショッピングモールの中を駆け足で進んでいく。

 目指す先はライブ予定の最奥の野外ホール。

 本当ならばてゐも参加する予定だったのだが、永遠亭の方で呼ばれているらしく即売会が終わったらカフェオレ缶を片手に、一筋の涙を流して帰っていった。


『おお~っ』


 何処からか歓声が聞こえ、ふと横目で見るとそこにはナイフジャグリングをしているパルの姿があった。


「流石ですパル姉!」


 恐ろしいほど小声で声援を送りつつ、袖の口からスペルカードを取り出した。

 メンタは、実にそこらのヲタと変わらない視点を持っているため彼らがパルの何処を見て歓声を上げているのか良く分かる。


連鎖する雷轟爆裂アプダクション・ヴィーナス!」


 ボガァン! と武器屋の周りにいた野郎共を纏めて爆破し、空中に散らせる。


「くっ……本当ならパル姉に抱き付きたいのですが――今は仕方ありません!」  


 自らの欲望を惜しげも無く晒し言い、メンタは急ぎ足でステージへと向かった。



 ステージ裏。そこは誰もが知りたいと願う運営の場所。今回は三十分ほど紅魔館が貸し切っており、先回りしたレミリアたちがメンタたちを待っていた。加えて霊夢、魔理沙の二人も既にサンタ衣装を纏い、発声練習をしていた。


「お待たせしました!」 


 メンタたちが到着するとレミリアも立ち上がり、中へ招いた。


「遅いわよ。衣装の方は?」 

「はい! 自信作です!」


 メンタが引っ張って来た台車の荷包みの中にはレミリアたち用にサイズを合わせたサンタクロースの衣装があり、レミリアは満足して頷いた。


「うん! 紅と白。これこそ我が紅魔館の旗印!」

「もしくは血盟騎士――」


 美鈴が幻想郷内で絶賛流行中のライトノベルを見ながらそう言うと空気を読んだ魔理沙がペットボトルを投げて顔面にぶつけて静かにさせる。 


「ほら、そろそろ出番みたいだぞ」


 魔理沙が時計を指差し、針は午後4時半を迎えようとしていた。


「行きましょうか」


 着替え終わったレミリアがマイクを持ち、ステージへと向かう。その後に続いてメンタたちも各々の楽器を手にステージへ上がっていく。

 ステージの前には安全スロープを張っても溢れかえるお客。無料ということもあり二階、三階、外野までしっかりと人や妖怪で埋まり、下手に動くことも出来ない。

 ――思っていたよりも多いですねー。

 とメンタは思いつつ先程見かけたパルと咲夜を探す。


「皆、待たせたわね!」

『ウオオオオオオオオオオ!!』


 レミリアの挨拶が始まると観客たちが一斉に吠え、野郎共はミニスカートとハイニーソの合間の絶対領域に視線を向け、女性ファンたちはペンライトを高く掲げた。


「まずは聞きなさい――『冬祭降臨ジングル・ヘル』!」


 パン! とステージの内側に配置されている火薬が弾け、お客も更に盛り上がりを見せる。曲が流れ始めればメンタとて探すのを一旦中断し、持ち場の楽器を手にした。

 今回は紅魔館と博麗神社が合同で参加したため、レミリアと霊夢がボーカルを務め、フランがキーボード、美鈴がドラム、魔理沙がトランペット、メンタはギターをすることになっている。パチュリーは照明係を担当している。

 これで良いのかと思うかもしれないが所詮は大祭フェスタだ。気にしてはいけない。楽しければそれで良いのだ。


「二曲目、『地獄の遊園地リベル・ゴーランド』!」


 チェイルズ大祭、フェスタステージ礼舞ライブの醍醐味の一つに乱入というものがある。これはついつい楽し過ぎて自身もステージに上がりたいという人が一緒に歌い、楽しめるようにする措置でもある。

 勿論、そこでの暴力や暴言は即座に警備員に取り締まられるためどんなにテンションが上がっても一線を越えないのが礼舞ライブのお約束だ。

 そして乱入をするのは自由だが、その場でボーカルを上回る歌唱力と振り付けを披露しなければいけないため余程容姿にも自信がある人以外、乱入しよう等と思わない。


五曲目ラスト!」


 礼舞ライブも最後の五曲目の音が鳴り始め――。


「『対災禍ヴァーサス』!」 


 建物の三階から勢いよく飛び降りて来た二人組がいた。衣装はメンタたちと同様のサンタ衣装で飛び降りるにあたってハーフパンツを着用しているが外見上はミニスカートだ。顔には両人ともに仮面を付けているが……。

 ブフッ!? とステージ上の全員が吹いた。そして乱入を行った二人に観客の視線が集まり、特に薄紫色のポニーテイルの方に野郎共は着目した。

 しかし誰も個人を特定しようとしない。してはいけない。


「聞こえ! 響け! 高らかに!!」


 そうこうしている内に曲も中盤に差し掛かり、ポニーテイルの彼女は全身を使って”楽しい”を表現し、野郎共もだらしない笑みを浮かべて”嬉しい”を表現した。


「――『悪魔の羽は天を目指す(ディケ・ヴロス)』」


 ボソリ、誰にも聞こえないほど小さくメンタは呟いて、後の事は知らんというようにスペルカードを野郎共の足元に設置して、野郎共が飛び跳ねると同時に三階の天井に突き刺さるように仕向けられたスペルカードが発動した。


 ゴッ、ゴッ、と何十人が建物に頭からが激突する鈍い音が響く中、応援者たちは前が空いたと、こぞって前方に詰め寄る。


「これが!」


 そうする内に曲が終わり、実の姉が会場にマイクを向けた。


「私たちの!」


 もう一人の銀髪の彼女もマイクを向け、


『神衣だ!!』


 会場が最大の盛り上がりと共に声を揃えて絶叫した。

 誰からともなく拍手喝采が起こり、歌い終えた実の姉たちは各所に会釈しながら颯爽と去っていく。

 取り残されたメンタたちも速やかに撤収準備を整え、ステージを後にした。

 最後の最後こそパルと咲夜に全部持っていかれたがこれはこれで醍醐味として霊夢たちも文句は無く、反省会をする間もなく紅魔館へとスキマで戻る。

 


 今回のクリスマスには博麗神社に関わる全員が呼ばれており、紅魔館の中は紫たちの手によって飾り付けられており、夕食とケーキの用意も終わっている。


「……準備は、良いわね?」

「ええ、何時でも良いわよ」


 全ての用意を終えた紫が頷き、レミリアは満足そうに頷いた。


「よくもまあこんな手の込んだサプライズをしようって気になったわね」


 紅魔館に来るなり自宅の如くソファーに寝っ転がる霊夢に、メンタたちも適当に腰かけていく。


「フフフ、偶には主らしいところを見せないとね」

「そのやる気のおかげで礼舞ライブは無事に成功しましたけど……」


 メンタが一つ溜息を吐き、魔理沙もレミリアをジト目で見つめた。


「”乱入することが分かっていたのに”負けるなんて情けないぜ」


 うぐっ、とレミリアは言葉に詰まる。

 そう、あそこでパルたちが来たのは偶然でも何でもなくレミリアが能力を使用してサプライズとしておびき寄せたためだ。

 予定ではノリでステージに上がって緊張してしまった二人をフォローして――最悪、咲夜だけでも良かった――ちょっと良い所を見せようと思ったのだがパルたちの登場の仕方と熱唱によってメインボーカルだったレミリアたちの存在はあっという間に薄れ、人気も信仰も、文字通り全部持って行かれた。 

 無論、レミリアたちだって生半可な練習はしていない。特に碌に機材を触ったことのない美鈴やフランはよく頑張ったと言える。


「どう? これがウチの二大メイドよ」


 それでもレミリアは胸を張り、メンタは半眼で吐いた。


「言ってって悲しくなりませんか?」


 メンタの返しにレミリアは笑みを浮かべ、ソファーに腰かけて、ゆっくりとうつぶせになった。


「ぐずっ……」


 そして泣いた。今までの努力を嘲笑うが如く、あの二人は全て奪ったのだから。


「……ですよね……」


 メンタも顔を伏せ、紅魔館にお通夜のような空気が流れた。

 しかしもう間もなくパルたちが帰って来るというのにしぼんでもいられない。今年のクリスマスはパルと咲夜のために用意したサプライズだ。

 メンタたちはそのことを思い出すやパーティーの最終確認をし始めた。



――パル――

 礼舞ライブの乱入は大いに成功し、ボクたちはステージを降りてコスプレの着替え場でサンタ衣装を着替え、元の服に戻った。

 夕方を過ぎればチェイルズ大祭フェスタの盛り上がりも峠を迎え、ボクたちも紅魔館で待っているはずのレミリア様たちにプレゼントを渡すため帰路へ着いていた。

 サク、サクという初雪を踏む音が鳴り、鼻先に冷たさを感じる。


「あっ、雪が降って来たね」


 空を見上げれば街灯に照らされて白い雪が降って来て、手や顔に当たると少し冷たい。


「うう、寒い……」


 咲夜は両手をポケットに入れ、歯を鳴らしている。

 ここで空気の温度を調節したり空気を圧縮して暖を造ることは出来るけど……それをやったら冬の意味が無くなると思い、代わりに咲夜の腕を取り、手を握ってあげる。


「パル?」

「手はポケットに入れるよりも握っていた方が温かいんだよ」


 笑みながらギュッと握り、咲夜はちょっと照れながら握り返した。



 紅魔館へ戻って来ると時間はもう18時を過ぎていてレミリア様たちがお腹を空かせているだろうな~、と思う。

 紅魔館の門前には……やっぱり美鈴先輩は居ない。うん、いつもの事なので咲夜さんも無言で微笑み(ただし眼は笑ってない)前庭へと入る。


「あれ、増えてる……」


 前庭にはパチュリー、美鈴先輩、咲夜、それにボクの氷の彫像が作られていて周りでは小悪魔や妖精たちが雪合戦している。あっ、フラン様も全力で遊んでいるみたいだ。


「……フフッ」


 握っていた手に力が籠められ、咲夜は更に笑みを深めた。


「さ、咲夜……痛い……」

「えっ? あ、ごめんなさい」


 咲夜もすぐに気付いて手を離し、今度は優しく握った。

 前庭を通り過ぎて玄関に立ち、雪に塗れたコートを脱いでボクの能力で雪を全て落として乾かし、玄関の扉を開ける。


「ただいま戻りました~」


 そして――。


 パァン! パァン! と連続でクラッカーの鳴る音がした。


「ひゃわっ!?」


 ボクは思いっきり驚いて左に飛び、反射的に二の腕に常備してあるナイフを抜いて前方に投げてしまう。


「おうわっ! 帰宅早々ナイフ飛ばしてくるとか殺す気ですね! パル姉マジパネェで――すっ!」


 その手にクラッカーを持っていたメンタが首を狙って飛んできたボクのナイフをしゃがんで間一髪躱し、足元を狙って放った二本目を跳躍して躱して立ち上がった。流石はメンタ、ボクの妹!


「あふぅん!」


 が、背後にいた咲夜も驚いたようで、見れば美鈴先輩の額には三本のナイフが突き刺さっていた。

   

「フフフ、お帰りなさい、咲夜、パル」


 レミリア様は一番奥で悠々と佇み、袖の無い赤いドレスを着こなして待っていた。


「レミリアさん、レミリアさん。額にナイフが刺さったまま言うのは凄くシュールです。ブハッw 草生えます!」


 メンタが嘲笑しながらレミリア様の額に突き刺さっているナイフの柄に手を伸ばし、引き抜くと勢いよく血が噴き出した。

 レミリア様は一瞬白目を剥いて気絶し、すぐに正気に戻って咲夜にナイフを返した。


「メンタも来てたんだね~」

「はい! サプライズでクラッカー持って来たのですがパル姉もナイフ持参でビックリしました!」


 そんないつも通りのメンタを見てボクはメンタ用のプレゼントを空間から取り出した。


「はい、これメンタのクリスマスプレゼントね」

「わーい!」


 メンタが大喜びでプレゼントを受け取り、その場で中身を空けて見せる。しかも梱包用紙を音もなく破かないのは凄いと思う。


「お、おおっ! これは!」


 中から出て来たのは手編みの手袋とマフラーだ。どちらにもデフォルメしたチェイルズのキャラクターになるように編み込んである自信作だ。


「うわっ、メンタも大概だと思ったけどこの姉あってか……」


 霊夢もそれを覗き込んで感心した声を上げた。


「霊夢たちの分もあるよ~」

「えっ、本当? ありがと」


 霊夢には半纏と袖下げんきんを、


「私にもあるのか?」

「勿論!」


 魔理沙にはネックウォーマーと手袋を、


「橙にもあるよ」

「ありがとー!」


 橙には手編みのセーターを、


「藍さんもどうぞ~」

「うっ……私、始めてクリスマスプレゼント貰いました……」


 藍は泣きながら手編みの帽子を受け取り、


「紫さんには――」

「腰巻ですね!」

「私だけお婆ちゃん扱い!?」


 メンタは腰巻って言ったけど、ちゃんと厚手の手袋を渡した。


「フフフ、パル。私には?」


 レミリア様が不敵な笑みとは裏腹に両手を組み、待ちきれないというように眼を輝かせている。


「後で渡します」

「え――――っ!!」


 凄いブーイングされた。

 咲夜は先にレミリア様たちにプレゼントを渡し、皆満足しているようだった。ちなみにレミリア様とフラン様には熟成ワインを、パチュリーには魔導書を、美鈴先輩にはナイフ――じゃなくて温かいロングコートを渡していた。



 夕食は藍さんが既に作ってくれていたらしく、サンドイッチやローストビーフ、シチューに照り焼きチキン等々、パーティー会場(大食堂)のテーブルにこれでもかと山のように置かれてある。

 外で遊んでいるフラン様と小悪魔も呼び戻し、居間の暖炉で温まっていたパチュリーも席に着かせた所で各自が赤ワインを手に取った。

 レミリア様もそわそわしながらワイングラスを手に取り、高く掲げた。


「それでは紅魔館と博麗神社のクリスマスパーティーを祝し、かんぱーい!」

『乾杯!』


 カチャンとグラスが合わさり、一口飲む。赤ワインと言っても甘さや辛さが違い、苦みやコクも違う。このワインは咲夜が選んだもので甘く、苦みは少ない。アルコール度数も多分低い。でも美味しい。

 パーティーが始まり、しかし少しすると宴へと変化した。


「パルさーん! 紫様が、紫様がぁ……!!」

「いつもいつも門番がだらしないと苦情が――」

「あー! それ私のー!」

「早い者勝ちですよ!」

「ワイン追加ー!」


 皆、思い思いの愚痴と叫びを上げ、ドンドン騒がしくなっていく。

 ボクは藍を慰めつつ咲夜を諫めている。


「ケーキ持ってきましたよー」


 小悪魔がケーキを10ホール持って来ると全員の視線がケーキに向かい、取り合いが始まった。

 凄く騒がしいけどこれくらいの方がクリスマスらしくて良いとボクは思う。



 レミリア様とフラン様を酔い潰し、咲夜と藍が酔い潰れ、メンタたちはお風呂へに入っている最中、ボクはレミリア様たちをベッドに寝かした。  

 咲夜たちは居間に放置しても大丈夫だし暖炉と加湿器で気温を上げてあるから凍死することもないと思う。それにボクも後で居間に戻る。


「サンタクロースは寝ている人にしか来ないんですよ」


 さて、ボクは空間からレミリア様たち用のプレゼントを取り出して枕元の机に置き、扉を閉めて退出する。

 流石にバレるとは思うけどボクなりのサプライズだ。

 その足で台所に行って食器の片付けを済ませる。明日の朝はシチューを温め直せばいいかな、と庶民的な事を考えてつつ居間へと戻って来る。

 メンタたちが風呂から出るのを見て、次にお風呂へ向かう。


 

 お風呂を済ませて居間に戻って来ると霊夢たちは雑魚寝して適当に毛布を被っていた。メンタはソファーに座り、舟を漕ぎながらまだ起きているみたいだ。


「メンタ、眠いならもう寝た方が良いよ」

「ふぁぁ……パル姉……まだ、言い忘れていたことがあります……」


 メンタがボクを見るなりそう言って、ボクは疑問符を浮かべた。


「なぁに?」

「メリークリスマス、です……すー」


 ああ、とボクも思い当たる。確かに今日一日誰からもその言葉は聞いてなかった。


「メリークリスマス」


 ボクも笑みを浮かべてそう言い、眠りに落ちたメンタに毛布を掛けて横にする。


「……ボクも寝ようかなぁ」


 メンタの隣のに腰を掛け、消灯して、毛布を羽織ってボクも眠りに落ちていく。



 シャンシャンシャン、と何処からか鈴の音色が聞こえてくる。

 外はまだ銀色の世界。雪は積り、妖精たちが庭を飛び回る。

 空には赤い服を着たサンタクロースとトナカイが走り、プレゼントを配る。

 そんな光景がボクの夢に現れる。きっと地球にいた頃の妄想がまだ何処かに残っているからだろう。

 でもそれで良い。夢は楽しい方が良いから。



――メンタ――

 シャンシャンシャン、と何処からか鈴の音色が聞こえてくる。

 外はまだ銀色の世界。雪は積り、妖精たちが庭を飛び回る。

 空には赤い服を着たサンタクロースとトナカイが走り、プレゼントを配る。


「ぶぇくしょい! 寒いんですよ! 何が悲しくて子供にプレゼント配らなくちゃいけないんですかねぇ! ってかこれ巫女仕事じゃないですよね!!」


 事実、メンタと霊夢は皆が寝静まった頃を見計らって幻想郷の空を飛び回っていた。


「ガチガチガチ、同意するわ。でも数少ない収入源の一つなんだから文句言えないの」


 霊夢も震え上がる体を押さえつけながら空を飛翔してプレゼントを配っていた。

 家という家を飛び回り、メンタが鍵を開け、霊夢がプレゼントを置き、鍵を閉じて去る。勿論、その家の主たちからの依頼のため入っても大丈夫なのだが――。


「やってること強盗ですよね。クリスマスじゃなかったら犯罪ですよ」

「わーってるわよ。ほら、次開けて」

「パル姉がくれたこの手袋が無かったら指が壊死してます。ハイ」


 音もなく鍵を開け、プレゼントを投下し、閉める。

 それを繰り返すこと何万件。里、町、都会への移動は紫のスキマで移動するため時短は出来ているが全て配り終えられるのは朝方だ。それも子供が起きる日の出前には配り終える必要がある。

 一軒辺り200円で請け負っているが、割に合うかどうかと言われると実に微妙だ。



 朝4時。何とか配布し終えた霊夢とメンタはスキマで紅魔館へと戻り、温かいココアを入れて震える手足を暖炉で温めていた。


「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い」

「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い」  


 ガチガチガチガチガチガチと歯を鳴らしまくり、ココアを啜る。


『美味い』


 ホゥ、と息を吐いて次のココアを淹れる。

 しばらくすれば体も温まり、メンタたちは再び深い眠りについた。

 

 

 朝。12月25日。

 まだ冷たい気温と感想する空気がするはずの居間でパルは目覚め、不意に甘い匂いとほんのりと温かい室内に気付く。


「ん~」


 大きく背伸びをし、近くに大き目の箱が置いてあることに気付く。


「プレゼント?」


 赤い包装紙の上には『MerryXmas パル姉』と書かれたカードが差し込まれており、誰が置いたのかすぐに分かるようになっていた。 

 見れば暖炉の前でメンタと霊夢がサンタ衣装のまま眠りこけている。そんな二人を見てパルは笑みを浮かべ、布団をかけた。

 再びソファーに座り、プレゼントを膝を上に置いて開封していく。


「なにかな~」


 そこに入っていたのはハート形のチョコレートと二段目には――。


「う、うわああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 『最新刊』と帯に書かれたチェイルズ・オブ・ベルセリャの第25巻。

 


 そしてそのパルの絶叫によって眠っていた全員が叩き起こされることになる。  



てゐ「そーいや、このチェイルズって本の作者って誰なんだ?」

メンタ「果汁100%姉貴こと『フルーツ・レイン』さんです!」

てゐ「……一応聞くがペンネームだよな?」

メンタ「はい、ペンネームらしいです」

てゐ「外来人……地球人だよな」

メンタ「イエス! 日本人です!」

てゐ「じゃあ聞くが、何で幻想郷に最新刊があるんだ?」

メンタ「腐腐腐、俺にも色々伝手があるんですよ。紫さんとか紫さんとか」

紫「ハイハイ、呼んだかしら? ちなみに〆切りならまだまだ大丈夫よ」

メンタ「はい、お疲れ様でした」

紫「出番これだけ!? ねぇ! もっと、もっとあるでしょう!?」



グラたん「次回はいつも通り土曜日更新です」



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