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東方幻想腐女録  作者: グラたん
第一章
13/119

第十二話 闇の四天王(笑)、現る

グラたん「第十二話です!」

メンタ「闇の四天王(笑)って……ウケるんですけどー!」

グラたん「それと放送禁止用語注意です!」

 一方でスキマに入り飛んできたメンタたちは迷いの竹林の外へ来ていた。


「次の相手はここ――って、永遠亭ですね!」


 メンタとしては一度死にかけた場所でもあり、てゐや永琳と出会っているため内心では色々な感情が混ざり合いながらも表情は歓喜していた。

 霊夢と魔理沙は迷いの竹林の面倒さを良く知っているため非常にやる気を削がれた表情をしていて手には術符や木札を装備していた。それが物語るように彼女たちのしようとしていることもメンタは察していた。


「げぇ、迷いの竹林って入り組んで面倒なのよね」

「いっそマスパで全部吹っ飛ばすか?」


 魔理沙の一切迷いのない脳筋発言を霊夢が諫めた。


「それは没よ。それと守るのは付近の里だから」

「と言いつつも永遠亭の方が襲われて居そうだぜ」


 冗談紛れに言うと霊夢は肩を竦め、メンタも微笑した。


「永遠亭には兎共がいるから大丈夫よ。それよりもこっちを迎撃しましょう」


 振り返ればそこには大多数の妖怪が群れを成して里の方目指して進軍していた。霊夢たちがいる場所は丁度背後ということもあり、攻勢に出るにはうってつけと言えた。


「わっかりましたー! 速符「音速不可視の援護(イレイズ・グアドリガ)」!」


 先行してメンタが飛翔し、妖怪たちの背後へと迫り、交差させた腕を正面に向け、指に挟んでいたスペルカードを飛ばした。


「な、なんだ!?」 

「妖怪が勝手にやられていくぞ?」


 前線で戦っていた里人たちは勝手に死んで行く妖怪たちを怪訝に思い、空中に居るメンタはドヤ顔で誰とも知れずに説明を始めた。


「説明しましょう! 速符「音速不可視の援護(イレイズ・グアドリガ)」とは見えない弾で自動迎撃するスペルカードなのです!」


 だが実際は完全に不可視と言うわけではなく、弾丸も空気圧を最大収束した弾であるため視認はギリギリ出来る。しかし躱せるか、と言われると霊夢や魔理沙でも少々難しい。何せ数が多いのだ。その上でメンタは他のスペルカードを切って来るためあまり使わせたくない一枚でもある。ただし弾幕合戦に置いてこのカードは反則に近い攻撃のため使用はグレーゾーンと言わざるを得ない。


「ま、弾幕ゲームには向かないけどな」

「それ言わないでください……」


 メンタもそれを重々理解しており視線をそっと逸らした。


「それよりも今の一枚で概ね倒したんじゃないの?」


 戦場を見据えれば妖怪の残りは残党となっており駐屯している陰陽師たちでも十分対抗できる戦力差だ。里人の手にも香霖堂印の対妖怪剣や槍を持っているため完全に戦力外というわけではない。

 霊夢は、辺りを見回しても援軍の気配は無く戦闘モードを解除しようとするとメンタは指を立てて霊夢に注意した。


「いいえ、まだですよ。こういう時に限って出てくる奴等は絶対にいますから」


 霊夢には思い当たる節は無く、魔理沙にもなく首を傾げてメンタを見た。


「例えば?」


 その問いにメンタは自身満々に言い切った。


「四天王と言う名の雑魚です!」


 次いで、メンタの宣言を裏付けるかの如く近場の土壌が盛り上がり派手に爆散した。

土煙が舞い上がり破片となった土が降り注ぐ。土煙の中には巨大な獣人の影とカマキリみたいなシルエットが浮かび上がった。

 やがて煙が晴れ、露わになったのは茶色の猛々しい毛並み。手と足の爪は漆黒に染まり、剛毛に覆われた腕はそこらの妖怪を簡単に引き千切れそうなくらいの迫力がある。表情は狼の其れであり獰猛な笑みを浮かべている。

もう片方は文字通り蟲。カマキリの腕と鋭い鎌を持ち、しかし胴体は薄い黄緑色の人型を保っていて顔も目が爬虫類であることを除けば人間と同じ表面を思わせる。背中には薄暗い二対の羽根が伸びており空中戦も出来ることを意味していた。

 妖怪の中でも人型を保つ者は上位種と呼ばれる個体であり中には能力を持った個体すらいる。近い所で言えばレミリアや紫がその代表格だろう。最もあれらは最上位種に位置する個体であり彼らと比較してはいけない存在だ。

 しかし上位種は手練れの陰陽師すら、あっさりと殺害して喰らう強敵だ。


「ガハハハ! 俺ァは闇の四天王が一人、フールエンリール!」

「そして私がインアンドセクト! 憶え逝きなさい人間共!」


 ――目の前にいるのが人外共で無ければ圧勝出来ただろう。


「マジ乙」


 霊夢も魔理沙もやけに冷めた視線で二匹を見つめ、少々の憐みさえ憶えていた。霊夢たちにしてみれば雑魚に変わりないからだ。


「そしてあたしはここに宣言するわ。私この戦いが終わったら結婚するの……ぽっ」


 更に極めつけたのがこの宣言だ。霊夢にしろ魔理沙にしろ死亡フラグを知っているため尚の事気の毒に思えてきてしまった。

 だがフールエンリルたちは死亡フラグという概念を知らないため、魔理沙はわざわざ冥途の土産に教えてやることにした。


「それ死亡フラグだぜ」

「出てきて早々死にそうな奴ね」

「……」


 流石にそこまで言われればインアンドセクトとて理解する。蟲と獣ではあるが知能は人間と同等くらいにはあるのだから。


「だまらっしゃい! そうならないようにするのよ!」

「そうだそうだ! 人間如きに俺たちがやられるわけねぇだろうが!」


 彼らは死亡フラグを量産する。


「私は死なないわよ! どんな手を使ってでもあんたたちを倒して住み心地の良い世界をもぎ取って見せるわ!」

「そうさ! 田舎のオッカサンだってそれを望んでいるぜ!」


 大量生産していた。もはや取り返しはつかないだろう。

 それはさて置いて、先程から何も発言しないメンタを不審に思った魔理沙が其方を無理向くとメンタが凄く不愉快そうな表情で二匹を睨みつけていた。


「…なあ、さっきからメンタの目が座ってるんだが」

「ちっ」

「なんか舌打ちしたわよ」


 普段は何処かぶっ壊れているメンタだが笑みを絶やしたことは無い。それは霊夢と魔理沙も知っているのでこんな表情は初めて見ていた。

 会話が言ったん終わったのを見計らってからメンタは下唇をヘの字に曲げつつ数歩前に出て更に不愉快そうな口調で続けた。


「あ、台詞終わりました? じゃあ早速言いたい事があるんですけど良いですか?」

「な、なによ?」


 インアンドセクトとフールエンリルも自身等の発言に何か指摘する所でもあったのか、それとも何か物申したいことでもあるのかとメンタを見つめた。

 不愉快そうな表情から一転し、メンタは酷く歪んだ笑みを見せつけた。


「いや~、ぶっちゃけオレ、幸せを手に入れるためとか、ずっと一緒にいるためだとか、二人で破綻のない愛をはぐくむためだとか、夢を叶えるためだとか、親孝行とか、ひとくくりに言えば希望に満ち溢れて他人のために戦うやつって言えば良いですか…………そういうののために生きてる奴って、凄く胸糞悪くってムカつくんでございやがるますですよねぇぇええええええエエエ!!!!」


 メンタはブチ切れた。この上なく意味不明に。


「何か良く分からないけどメンタが切れたぜ」

「メンタの逆鱗って良く分からないわ」


 魔理沙は不思議そうにメンタを見て、霊夢は逆に呆れた。

 二匹に何ら非は無いがメンタは他人が幸せなのが許せない口だ。自身のことや友人になればまた話は変わるが、とにかく人の不幸は砂糖シロップの入った蜂蜜である。

 当然そんなことをキレて言われれば二匹とて不快に思う。


「なんだとっ! 愛する人のために戦うのがいけないとでもいうのか!」

「ダメに決まってんですよッッ!!」


 メンタは彼らの生きる意味を全否定する。ただ『むかつく』とそれだけのために。


『断言した!?』


 メンタのあまりの暴言に霊夢たちも驚愕し声を上げるが、メンタの口撃はまだ終わらない。いやこれからが本番だ。


「むしろ何で他人のためなんかに戦うんですか!? 馬鹿なんですか? 馬鹿なんですよね!? あんた等、何のために生きてるんですか!? 力なんて全て私利私欲のために使ってナンボでしょうが! 恋人のためとか、親のためとか、子供とか、友達とか、困っている人がいるとか、知り合いとかクラスメートとか、ほんの少しでもかかわってしまったからとか、そういう戯言は要らないんですよ! もっと自分の欲望のままに、忠実にもっと傲慢に、もっと怠惰に、強欲に、自分に正直になるべきなんです!」

「そんなわけないでしょう!自分だけが幸せになるなんてそんな自己中心的な考え方なんてありえないわ! 他人と歩み、生き進むことによって生物は喜びを感じるのよ!」

「はっ! 青臭くて反吐が出やがりますよ!」


 ペッと吐き捨て、魔理沙は半眼でメンタたちを見つつ呟いた。


「どっちが敵で悪なのか分からなくなってきたぜ」

「敵はあいつらで悪はメンタよ」


 霊夢の的確なツッコミに魔理沙は右手を顔に当てて空を仰いだ。


「それにしても闇の四天王ってわりには酷い名前が多いですね。フェンリルかと思いきやお馬鹿そうな狼だったり、虫けらみたいな名前だったり。いやぶっちゃけワンコと虫なんですよね外見が。虫の〇〇〇とかワンコの〇〇〇〇とか誰得ですか? いや異種族もありっちゃありなんですけどね。でもあれですね、わざわざ言わなかったんですけれど死亡フラグ量産し過ぎですよ? むしろMですか? Mですよね。ちなみにオレはSなんで相性良いですよ」

「誰も聞いてねぇよ!?」


 そう、誰もそんなこと聞いていない。だがHIGHテンションになったメンタにその叫びは届かず味方にも流れ弾が飛んできた。


「ちなみに霊夢さんもSで魔理沙さんはM/Sです」

「M/S!? 違う! 私はそんなんじゃない!」

「えっ? でもさっき香霖堂で巫女服の薄い本と霊夢さんを交互に見て理性は必死に言い聞かせつつも本能は境界線を越える一歩手前まで行ってましたよ?」


 壮絶な高火力散弾大誤爆フレンドリーファイアに魔理沙は顔を赤らめて叫ぶ。確かに性癖は当たっているが白昼堂々と暴露して良いことでは無かった。


「ええい! 余計な事言うな!」


 時既に遅く霊夢は魔理沙から一定以上に距離を取っており、魔理沙はそれに気付いて霊夢に弁明した。


「魔理沙……あんたもソッチ系なのね」

「違う! 誤解だ!」


 てんやわんやのコントが始まりかけるとインアンドセクトが鎌を広げて地面に突き刺し、霊夢を睨んだ。


「どうでも良いけどあたしたちを無視するな!」


 しかし霊夢にしてみれば『そんなこと』であり、それ以上に魔理沙に対して警戒せねばならなかった。そのため今すぐに決着を付けるため右手を向け大雑把に必殺を放った。


「虫けらは黙ってなさい! 夢想封印!」

「いやぁ――――!」


 適当と言っても距離感は問題ないため夢想封印がインアンドセクトに直撃し、彼女を炭へと変えた。それを機に戦闘は開始されようと――。


「インアンドセクトォォ! 己ぇ、許さんぞ貴様――」


 魔理沙は『それどころ』ではなく左手をフールエンリルに向けて叫んだ。


「今、私の見る目が関わる大事な所なんだから黙ってろクソワンコ! 恋符「マスタースパーク」!!」

「あー!」


 此方も一瞬でこんがり焼けた肉塊へと変化して、元凶であるメンタは歪に笑った。


「フラグ回収乙です」


 山が一つ片付いたことで魔理沙は霊夢に向き直るが霊夢は更に距離を取って両手で自分の体を抱き寄せる。


「さて、ちゃんと話し合おうぜ霊夢」

「嫌よ。私をそんな目で視ていたこと自体信じられないわ!」


 本当にそうなのか――メンタは能力を発動して霊夢の脳内を閲覧し、腐腐っと声を漏らして霊夢に告げた。


「と言いつつも実は満更ではないけどそれを知られたら魔理沙とオレに幻滅されそうだから理性で必死に押しとどめている辺り可愛いです――」

「だまらっしゃい!」


 霊夢の声は一瞬で裏返り、顔が一気に硬直する。メンタが言ったことは図星であり攻守の入れ替わった魔理沙が口元を真一文字に引き締めながら必死に笑いを堪えていた。


「……霊夢」

「ち、違うのよ! そんなこと、思って無いわよ!」


 プイっとそっぽを向き、メンタと魔理沙は今度こそ噴き出した。


「ツンデレですね! むしろバッチコーイ!」


 霊夢は更に赤くなり、震える右手をメンタたちに向けて叫んだ。


「う、うるさい! 夢想封印!!」

「ぎゃー!」

「ぎゃー!」


 メンタと魔理沙は夢想封印を躱し、霊夢は意地になって二人を追い回した。


「何してるのよ、貴方たち……」


 その背後からは迎えに来た紫がスキマの中で肘をついて呆れながら三人を見つめていた。ただ、その口元は少し笑っている。

 こうして霊夢、魔理沙、メンタの三人は四天王の二人を倒し里を守ることに成功した。里の被害はほとんどなく永遠亭の方はモブイナバたちの手により妖怪は駆逐され、また平穏が戻って来た。

 ――しかし悪の手はもうすぐそこまで迫っていた。


メンタ「ちなみにですが〇〇〇〇ってどういう意味ですか?」

グラたん「ご想像にお任せしますが……検索した後の責任は取りません。って、メンタさんは確信犯ですよね!?」

メンタ「腐腐腐……」

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