装蹄師
ついにヒストナイトのデビュー戦だ。
ヒストナイトは、生まれたときから世話をしている。
この馬は牝馬で身体は小さいが、底知れぬパワーが感じられる。私と同じだ。
装蹄師の私は、ヒストナイとの蹄に装着する。
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東京競馬1600m第3R
ヒストナイトは3枠6番に入った。
レースが始まった。
ヒストナイトは少し出遅れた。距離が短いこともあり、ジョッキーは早めに仕掛けた。
第3コーナーを曲がり、レースは最終コーナ直線勝負だ。
全馬が追い上げてきた。後ろから、すごい勢いで。
ヒストナイトは最後の100メートルで力尽き、結局4位となった。
デビュー戦後、ヒストナイトの目は、レース前より一段と輝いていた。
これからが楽しみだ。