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知らない場所

「うっ…」

重い瞼をゆっくり上げる。


暗い。

とにかく暗い。

だが目を凝らせば見えないレベルではない。

なんだここは。どこかの地下水道だろうか。

それにしては時代錯誤な造りだ、よく漫画やアニメででてくる中世ファンタジーのような…


とりあえず仰向けに倒れていた体を起こす。


ピチャ!という音が水道内を反響する。

どうやら体は半分水に浸かっていたみたいだ。


体を調べる。外傷は特になし。

服装も元の制服のままだ。


「どうなってんだ?」

独り呟く。頭がぼーっとする。

…。まずは状況を整理しよう。

確か俺はさっきまで藤宮に魔法部に連れていかれ小浮気先輩の魔法体験コースを受けていたはずだ。

それがなんで…。


頭も大分はっきりしてきたし辺りを探索することにした。

まぁ探索といっても、水道だ。目覚めた場所から右に行くか左に行くかってだけなんだけど。


俺はハンターハンターの法則に従って右に行くことにした。

なんでもいい、何かあってくれればいいのだが…。


20分くらい歩いただろうか。向かって通路右側に上階へ上がる階段を発見した。

他にあてがあるわけがないのでとりあえず上階を目指す。


階段を上ると突き当りについた。扉のようだな。

これまた中世風。上ってきた階段は石畳だったし。


……。


考えるのはやめよう。

俺は扉を開けようとするが鍵がかかっていた。


扉の隙間から光が射している。扉さえ開けられれば外であろう。


「誰か!誰か外にいるか!」

扉を叩きながら大声を上げる。

返事はない。そりゃそうだ、そんな都合よく人がいるわけ…


ガサッ


草を踏む音が聞こえたような気がした。


「お、おい誰かいるのか!悪い!

ここを開けてもらえないか!」

俺はすがる様な声を上げているのかもしれないが実際気持ち的にもそうだった。


ガチャガチャと音が聞こえる。

鎖を解くようなそんな音だ。


音が止み扉がゆっくりと開く。


そんなに時間がたったわけじゃないが随分と久しぶりに日光を浴びる気分だった。

目がゆっくりと光に慣れていく。


「あ、そうだ。なぁあんた。開けてくれてありが…」


ここはどこかの森の中。苔のついた岩がゴロゴロと転がっている。

それに覆いかぶさるように木が生えている。


そのすべての景色を置き去りにして俺の目に飛び込んできたのは女の子。

艶やかな金髪。透明感のある白い肌。そして吸い込まれるような大きい目。

美しい青い瞳。


控えめに言ってもとんでもない美少女が俺の目の前にいた。


終わる気配なし。

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