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期待と不安

「セシリア様ーっ!」

 屋敷に帰るとレナとミリィが駆け寄ってきた。

 目が見えるかもしれないということは二人には朝話している。

 結果がどうだったのかと期待と不安に落ち着かない様子でこちらを窺っているのがわかる。

「レナ、ミリィ」

 視線を顔の辺りに向けながらそれぞれの名前を呼ぶ。

 心配そうにこちらを覗き込もうとしているのがミリィ、胸の前で手を握りしめているのがレナ。

 影が見えるだけでも二人がわかった。

 瞳が合うことはなくても以前とは明らかに違う視線に二人が歓声を上げる。

「セシリア様、見えてるんですか!?」

「完全ではないけれど、二人がいることはわかるわ」

 どういうことかと訝しむレナたちに詳しく説明する。

「じゃあ、治ったわけじゃないんですね」

「ええ」

 ミリィが肩を落とす。

「私たちも影にしか見えないんですね?」

 確認するようにレナが言う。

 仕草や態度で大体わかるのだけれど、二人の髪の色すら見えてはいない。

「ええ、申し訳ないのだけれど」

「そんなこと言わないでください!」

「今後良くなっていく可能性もあるのですよね? それで充分ですよ」

 ミリィが強く否定するとレナも続いて慰めてくれた。

「ふたりとも、ありがとう」

 優しく慮ってくれる二人にお礼を言う。

 ふたりの手を取って「ありがとう」と言うとそれだけで感動してくれた。

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