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殺し屋さんと暮らすことになりました。

気まぐれで書いた小説です。

小動物な作者をショック死させないでください。


重たい瞼をあげて、目に飛び込んできたのはキラキラと光る金。

眩しくて思わず瞬きをして分かったのはそれが美しい金色の髪の毛だということ。


次に見えたのは海のように深い蒼の瞳。

ピンクに色づいた頬。

赤い唇。


そして、がっちりとした筋肉。


「きゃぁぁぁぁーーー!!!!!!」


叫んだことを責めないでほしい。

すばらしい体を見たら誰でもそうなるだろう。

ましてやそれが見目麗しい青年のものであれば。


とりあえず、心の中で合掌する。

筋肉をありがとう。ごちそうさま。

そして、密かに脳内フォルダにしまっておく。


そんなこんなで、私がフリーズしていると青年何かを言ってきた。


「jatr5ynsrvol5v4&25?」


……この人の言うことわけわかめ。

とりあえず日本語で挨拶する。


「こんにちは」

「&kts5ly4s#=&#54jawl5=m」


「HELLO」

「5vm5(tjt(8&jdmTjatjmtg」


「あにょはせよー」

「……………………………」


ぴーーーーーーーんち!!!!!!

世界の共通語であるはずの英語も通じないし、片言の挨拶に至ってはスルーされてしまった。


困ってしまって、他に人はいないのかと見回してみると………。

絶句。見渡すかぎりの、木、木、木。

どこやねん、ここ。


え、え、何があった?

いや、慌てちゃだめだ、おちつけ、落ち着こう。

こういう時のために我が国日本にはこんなことばがある。


私は誰?ーーー有田花火。普通のOL。23歳。

ここはどこ?ー日本!!東京!!…のはず。

今何時?ーーー深夜のはずだが、太陽出てるぅーー!!


は、意味わからん。

私はただ、残業が長引いて、最終電車に乗って、駅から自宅への短い距離を歩いていたはず。


なのに何でこんな森みたいなところにいるわけ?

東京の隅っことはいえ、近くに森なんてなかったはずなのに。


はっ、もしかして誘拐?

このかわいい花火ちゃんを狙って!!

………ないな。自分でいっておいてないな。


じゃあなんなんだろう?

もしかして殺人?

日頃溜まりにたまったストレスをこの花火ちゃんで解消する!?

ヤバイ、ヤバイ。逃げなきゃ。

と、頭のなかで逃げようとしたところを殺される、というシミレーションを三回ほどしたところで、やっと青年が動き始めた。


ぐい、私の腕を引っ張り、立たせると、ぐわっとお姫様だっこをする。


わっつはぷーーーーん!?

これが噂のHIMEDAKKO!!

ふーーーぅーーーー!!!!

お兄さんやるねぇーーーー‼


でも、慌てる私には構わず、お兄さんはどこかへ向かってさっさっと歩いてしまう。


えーと、歩くということは運ばれてるっということで。

おーまいごっどねす。

ついに花火ちゃんは短い生涯を終えてしまうのか。

なむあむだぶつ。


ついに殺し屋のお兄さん←決めつけ は小屋の前で立ち止まり、ガチャッと扉を開けてしまう。


そして見えてきたのは………。


なんということでしょう。


壁の木材を暖かい光が照らしています。

ーーーこれで朝でも深夜でも解体が可能に。


中央におかれた大きな丸いテーブルとたくさんのいす。

ーーー大勢の客が来ても平等に対象を観察することができます。


壁に平行に置かれた大きな棚。

そこにはたくさんの本が押し込められています。

ーーーもしかすると、解体新書でもあるのかもしれません。


そう、勘の鋭い人ならわかるだろう。

殺しにうってつけの家。

つまり、ここが私の死に場所であり、ここが私の墓です。



わたしのーお墓のーまーえーでー、なかないでくださいー。

そこにー、わたしはー、いませんー、天国ーにいますぅー。



思わず、あの名曲が流れてきました。

でも、心配しないでください、私は、生き続けます。



………………………………………………………………………前言撤回。


無理やり椅子に座らせられて、怪しげなカプセルを飲まされてしまった私は、もう、死んでいます。


「うぇぇーーーー。

ころさにゃいでーーーー。」


あー、もう涙がでてくる。

この、変態イケメン殺し屋めーー。


枕元にたってお皿数えてやる。




「おちつけ。俺の言ってることわかるか?」




………え?

言葉がわかるようになってる。

これが火事場の馬鹿力?…………ちがうか。


「なっ、何で言葉つうじてるの?」


「ん、今お前に言語切り替えのカプセルを飲ませたからだ」


うぇいと、うぇいと、うぇいと。

言語切り替え?

翻訳こんにゃく的なものを飲まされたってこと?


近頃はハイテクになったようで…。


「って、なんでやねん、ありえない!!」


「あー、まぁ、お前のすんでた世界にとってはあり得ないことだろうな。」


うん、そのとうり。

…………………え?

お前のすんでた世界……………………?


呆然としていると、説明が始まる。

まとめると、この村には一年に一回ほど異世界人が降りてくるらしい。これ常識。で、異世界人は貴重だから第一発見者が責任をもってサポートをする。そのために、異世界人用の道具もある。

さっきの翻訳カプセルみたいなね。


それで、少なくとも1年は経たないと元の世界に戻れないらしい。


はぁーーー?って、おもうよね。

でも、これは揺るぎようがない事実なんだって。




だから、これからこの、変態イケメンさんと暮らすことになったんだけど。


この人を好きになって、死ぬまでこっちの世界にいるって、いうのはまた別のお話。

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