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第4話  レベル上げをしましょう

 次の日。いつものように恵さんが料理を作っているのを、私たちはダイニングに座って待つ。

 ちなみに、昨日とその前で、三人の性格なんかがなんとなくわかってきた。


 雅さんは、とても優しくて、強い。理想のお姉さん。なのだけど。

 なんというか・・・。人を惑わすのが得意なのだ。主に男の人を。狐っていうのは、人を化かすものだから仕方ないのだけれど。しかも、やろうと思ってるわけじゃないから、どうする事も出来ない。

 雅さんは、魔法なんかじゃなく、自らの、妖的美しさで翻弄する。ずいぶんグラマーな体をしていらっしゃるわけで。

 ちなみに、漢字の『雅』は、洗練された上品さ、優美なんかだ。

 それから、家族のことをお母さん、優、麗、朱璃、琳と呼んでいる。


 優さんは、基本的に優しくて、大人しい。優しいお姉さんだ。

 ただ、麗のことが大好きで、まあ、依存していると言っても過言ではない。うん。

 家事もできるし、魔法も得意らしいけど、それはちょっとなぁ。

 『優』の字は、美しく上品、優しい、優れているという意味がある。

 家族のことはお母さん、雅お姉ちゃん、麗くん、朱璃ちゃん、琳ちゃんと呼んでいる。


 琳ちゃんは、元気で、随分賢い。家事もよく手伝っている。

 ちょっとおっちょこちょいなところがあるみたいだけど・・・。まあ、気にしない。

 『琳』は、美しい玉、もしくは、玉が触れ合って鳴る澄んだ音のことらしい。

 家族のことはお母さん、雅姉、優姉、麗兄、朱璃姉と呼んでいる。


 麗さんは・・・。まあ、この中ではちょっと居づらいよね。綺麗な顔をしているし、剣もよくできるみたいだけど。

 姉に使われ、妹の世話をして、などと忙しそうだ。

 だって、考えてよ、お姉ちゃん達の性格を! 意識しないでも人を惑わして誘惑してしまう雅さん、麗さんの事が大好きで大好きで仕方なくて、常について回っている優さん・・・。かわいそ・・・。

 『麗』という字は、整っていて美しい、麗しいという意味がある。

 家族のことをお母さん、雅姉さん、優姉さん、朱璃さん、琳と呼んでいる。


「ねえ、優さんとは、双子でしたよね? でも、お姉さんって呼ぶんですか?」

「え、ああ。優姉さんには勝てないんですよ」


 魔法では勝てず、魔法を使った優さんと剣を使った麗さんでも、勝てず、頭脳でも勝てず。

 流石に剣で対峙すれば勝てるらしいけど。優さん女の子だし。力じゃ勝てるよね。雅さんには負けるそうだけど。


「ほら、召し上がれ」

 いつの間にか、テーブルは料理で埋まっていた。

 黒いライ麦のパンに、ふわふわのオムレツ、ベーコン、トマトとレタスのサラダ、コーンスープ・・・。朝からこんなに良く作るなぁ。


「そうだ、今日はどうする?」

「朱璃ちゃんのレベル上げたほうがいいんじゃない?」


 ちなみに、私のレベルは5まで上がった。スキルポイントは15。1レベル上がると5手に入るらしい。ちなみにまだ振り分けていない。

 っていうか、昨日のマンドラゴラもの亜種っぽいやつの正式名称は、『マンドラゴラもどき』らしい。正式名称が? って感じだけど。


「そうでしょう。それから、ある程度近くの魔物の知識はあったほうがいいでしょうね」

 麗さんが食べながら、興味なさそうに言うけれど、言って来るってことはそうでもないんだろう。

「戦いながら教える?」

 琳は楽しそうだ。いつものことみたいだけど。

「そうね。じゃあ、今日も狩りに行きましょう」



 昨日行った草原に行く。今日も沢山の小ゴブリンの群れがある。

 私は昨日もらった小さなナイフ(ちなみに、昨日麗さんが手入れしてくれた)を握り締めた。


「朱璃ちゃん、倒せる?」

「ええ、やります」


 果物ナイフ並みの大きさでも、小ゴブリンなら問題ない。ザクザクと刺していく。

 血が飛ぶが、だいぶ気にならなくなった。終わった時には両手は真っ赤だったが。


 ふわりと手が光って、カードが出てくる。またもや小ゴブリンを手に入れてしまったようだ。

 しかも、パラメータも変わらない。何なんだろ、これ。


「じゃあ、今日はもうちょっと奥に行くわよ。森の手前までかしら」

「そこまでなら大丈夫でしょう。殺されるほどの敵はいませんし」


 ということで、てくてく歩いていく。

 目の前に赤い兎が現れた。本当に真っ赤なのだ。


「あれは炎兎ファイアラビット。ナイフでいけると思うわ」

「わかりました」


 走っていって一刺し。もともと真っ赤な兎が、さらに赤く染まっていく。

 抜くわけにもいかず、そのまま雅さんたちの方に持っていった。


「じゃあ、麗、解体」

「はい、ナイフ借りますね」


 見事な手さばきで解体していく。

 あっという間に炎兎ファイアラビットは、皮、肉、骨、内蔵に分けられた。


「すごい・・・」

「望むなら、というか、そのうち教えます。あ、いや、やはり強制的に」

 麗さんはまた無表情のまま私に言った。割といつも無表情。


 また何匹か炎兎ファイアラビットを倒すと、またカードが手に入った。


 弱火  レベル1  相手に炎系の小ダメージを与える。


「火。あ、炎兎ファイアラビットだからか」

「そうね。それに、属性のある生き物で、一番弱いのは兎なのよ」


 また歩いていると、たくさんの炎兎ファイアラビットが居た。群れか。

「これ・・・。なんて量」

「これは朱璃だけじゃ無理よね。百匹くらいいるもの」


 っていうか、こんなにたくさんいるの? どうなってるんだろう。

 とりあえず、戦うことになったので、みんな散り散りになって戦い始めた。



 体が光った。ああ、レベルアップか。そういえば、さっきも見たな。確認しないと。

 体が軽くなったような気がする。あと、兎を刺すのも楽になった気がする。レベルアップのおかげか。


 結局、十匹ほど倒して、弱火一枚と炎兎ファイアラビット一枚手に入った。

 それから、レベルを確認すると、いつの間にか10になっていた。スキルポイントも40になっている。


「スキルの振り分け、する?」

「あ、見てみます」

 ついでにパラメータの確認もしておく。


 立華 朱璃 13歳 ランクF パーティ『立華』 パーティランクD

 レベル10 ダメージ200 マジックパワー120 スタミナ100 力90 魔法200 守備100 速さ150 

 タロットカード入手可能

 スキルポイント40 振り分ける


 振り分けるをタッチする。

 お、多すぎる。この中から欲しいの選ぶとか・・・。ただ、割と綺麗に整理されてて見やすい。


「そうねぇ。武器系は欲しいところかしら。使いやすいのは、弓か、剣かしら?」

 とりあえず武器の項目をタッチする。弓か剣となると・・・。


 弓 レベル1 5ポイント

 短剣 レベル1 5ポイント

 剣 レベル1 5ポイント

 長剣 レベル1 5ポイント

 巨大剣 レベル1 10ポイント


 こんなところか。短剣でも取っておく? 5ポイント振り分ける。


 短剣 レベル2 10ポイント


 えっと、次、レベル2を取るには10ポイント必要って事?

 良く分からないな。後でパラメータを確認しておこう。


「それと、パラメータ強化かしら。もしくは、特殊パラメータを取るのもいいわね」

 特殊パラメータの項目をタッチしてみる。特殊パラメータは、ポイントが高いのが多いが、一回取れば終わりのものだ。

 例えば、魔眼とか、影移動とか、そんなものだ。


「いろいろありますね」

「ちゃんと考えてから取るのよ」


 ふと、私はあるところに目が止まった。


 ドロップ率UP 20ポイント


「ドロップ率UPってなんですか?」

「タロットみたいなドロップが増えるのよ。まあ、一番手頃で初期には役に立つスキルね」


 20ポイントか。まだ余裕はあるし、タロットが増えるのは便利だろう。

 思い切って振り分けて、ページを閉じた。


 立華 朱璃 13歳 ランクF パーティ『立華』 パーティランクD

 レベル10 ダメージ200 マジックパワー120 スタミナ100 力90 魔法200 守備100 速さ150 

 タロットカード入手可能 短剣レベル1 ドロップ率UP

 スキルポイント15 振り分ける


 こんなものか。何が手に入るのかちょっと楽しみだ。

 ドロップっていうくらいだし、タロットだけではないのだろうし。


「ほら、休憩しにするみたいだし、朱璃さん、ナイフの手入れをしておきますよ」

「あ、ありがとうございます」

「兄として、妹の面倒を見るのは当然ですよ」


 麗さんは優しい顔で言った。そうか、家族だった。

 麗さんは、私のこと、妹として見てるのか。じゃあ、私もそうしないと。


 なんだか、ナイフを振るのが楽になった気がする。これが短剣レベル1か。もっと高くなったらどうなるんだろう。っていうか、ナイフ、短剣に入れてもらえたんだ? ん? ナイフは短剣か? えっと・・・。ああ、もう良いや。


 ずいぶん久しぶりに見た気がする小ゴブリンを倒したら、タロットカードが手に入った。


 銅の短剣 レベル1 銅でできた短剣 力+20


「銅の短剣・・・?」

「ああ、アイテムドロップしたのね。召喚してみなさい」


 言われた通り召喚すると、綺麗な短剣が出てきた。そして、タロットカードは消え去った。

 なるほど、これが『アイテム』ドロップか。確かにアイテムだろう。カード消えたし。


 ていうか、小ゴブリンの持ってるしょぼいのが出てくるのかと思いきや、結構しっかりした、普通のやつだ。

 ドロップってよくわからないな。


「ちなみに、普通の冒険者はお金を払って魔法使いに頼んでアイテムを出してもらうのよ」

「そうなんですか?」

「魔法使い以外が召喚すると、失敗の可能性が高くなるのよ。それに、マジックパワーも使うし」


 確かに、マジックパワーが減っているようだ。パラメータの下に青い文字で、マジックパワー-10(110)と書いてある。

 気をつけて召喚しないといけないな。よく見ながら行こう。

 ちなみに、力の下に赤い文字で+20と書いてある。短剣のおかげだろう。



「あ、あれは植物兎プランツラビットよ」

 私はさっき手に入れたばかりの短剣を振った。ちょっと重いけど、よく切れるようだ。


「もうすぐ昼になるわね、帰りましょう」

「はい、そうですね」


 私たちは元来た道を歩き出す。所々赤いのは・・・。気にしないでおこう。

 弱い魔物は私が倒した。っていうか、弱い魔物しかいないから、ほぼ全部。



「ただいま、お母さん」

「おかえり。どうだった?」

「楽しかったです。レベルが12になりました」

 私が笑って言うと、お母さんも笑顔になった。


「で、何を狩ってきたの?」

炎兎ファイアラビットが大量だよ。朱璃姉がいっぱい倒したから」

 た、確かにたくさん倒したが。琳が弾んだ声で私のことを異常に褒め称えている。なんでかな。


「汗かいたでしょう? シャワー浴びてきたら?」

「そうね。朱璃、いってらっしゃい」

「え、あ」

「私たちは、あれくらいじゃ平気だもん」

 優が笑いながら言った。体力とレベルの差か。

「いってきます」



「そういえば、お姉さんたちはレベル、いくつなんですか?」

 私が聞くと、みんなカードをチラッと見た。覚えてないのか。


「私は50だよ」

 琳が褒めて! というように言った。

「私は60だねー」

「僕は63です」

 あ、麗さんの方が高いんだ。優さんも思ったのか、驚いたような顔だった。

「私は75ね。狩りが趣味だし」


 ・・・。凄いな、そんなに高いんだ。私も頑張んなきゃ。

 っていうか、こういった人って、パラメータどんななんだろう。ちょっと気になる。


「恵さんは・・・」

「今はもう狩りしないけど、60くらいかな」


 あ・・・。みんな結構高いんだ。

 追いつきたい!

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