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番外編 初雪

 さて、なかなか物語が進まないので、番外編を。

 なにせ、今日、ボクの家の方で初雪が降ったんです。午後になったらあられになっちゃいましたけれど。

 一応、朱璃の昔のお話です。

「わぁ、雪だよ、蒼泉くん!」

「・・・、ほんとだ」


 私が言うと、蒼泉くんはつまらなそうに外を見た。

 十二月のある寒い土曜日。時間は十一時くらい。蒼泉くんの家に居る。

 にしても、こんなに早く雪が降るなんて、ホワイトクリスマスとかあるかな?!


「綺麗だね」

「そう?」

「え? 蒼泉くんは興味ない?」

「降ってるのが、冷たい氷じゃなくて甘い砂糖なら良かったのに」

「ふふ、蒼泉くんらしい」


 大きな牡丹雪。ふわりふわりと宙を舞っている。

 蒼泉くんは甘いものが大好きだ。だから、砂糖なんて、蒼泉くんらしいよね、ほんと。

 まあ、私は蒼泉くんが兆寒がりなのを知って居てこの話を振っている。だから、興味なさそうなんだ。


「ねえ、積もるかなっ?!」

「無理だよ。昨日雨降ったから、地面が濡れてる」

「あ・・・。そっか」


 私ががっかりすると、蒼泉くんは「また降るさ」と言ってもう一度窓の外を眺めた。

 積もったら、一緒に遊びたかったのに。無理か。蒼泉くんって、凄い寒がりなんだもん、本当に。

 雪だるまとか、あ、でも、蒼泉くんは興味なさそうだよね・・・。


「一緒に遊びたかったのに」

「嫌だよ、寒い。にしても、雪か。どうりで寒いわけだよ」

「そんなに寒くないよ? この部屋、暖房強すぎない?」

「え?」


 まあ、蒼泉くんの部屋はいつでもこうだ。いつ来たってね。だから、蒼泉くんに聞いたところで仕方がない。

 にしても、雪なんて降ってたら、帰る時寒そうだなぁ。迎えに来てくれるだろうか? すぐ傍だけど。


「温かいものでも飲もうか。何が良い? ミルクティー? ホットチョコレート? ココア?」

「・・・、全部、私が飲まないの知ってて言ってるでしょ?」

「そりゃあ、もちろん。聖愛せれあ、ココアとカフェオレ」

「かしこまりました、青泉様」


 いつもお菓子を作っている、蒼泉くんのお気に入りのメイドさんだ。桃色のメイド服を着ている。

 蒼泉くんと私はその間、学校の事について話していた。もう四年生か。学校って、結構早いなぁ。

 私たちが話していると、聖愛さんがミルク少なめのカフェオレと、甘めのココアを持ってきた。これは、いつもの。


「もうあと一時間程度で昼食の準備が出来ますので、お菓子は無しですよ」

「分かっているよ。ありがとうね」

「いえ。では、昼食の準備がありますので私はこれで」


 少し苦めのカフェオレを飲んでいると、蒼泉くんが私をじっと見つめていた。私はなんだろうと思って訊いてみる。


「よくそんな苦いもの飲めるな、と思って」

「そんなこと言ったら、蒼泉くんこそ、良くそんなに甘いもの飲めるよね」

「そう? 美味しいけど・・・」

「じゃあ、そういうものだよ」


 蒼泉くんはそれで納得したようで、ふぅんと言って一口。

 私は、週末になると、必ず蒼泉くんの家に来る。婚約者フィアンセだから。親に強制的に来させられていたんだけど、そのうち、私も蒼泉くんの事大好きになっちゃったから。


「そのドレス、新しいでしょ?」

「え、なんで分かったの?」

「見た事ない。似合ってるよ」

「ふふ、ありがとう。これ、今日はじめて着たんだー」


 桃色がメインで、赤いリボンが付いた、フリルが沢山のドレス。

 でも、私のドレスは、みんな似たような感じだ。良く分かったなぁ・・・。

 みんな、ピンクか赤、白が基調。朱っていうのが赤で、璃っていうのが、瑠璃の事だけど、清浄って意味がある。清浄の赤、私は赤い服を着る事が多い。

 けれど、赤って、女んの子にはちょっと強すぎる。から、最近は、赤よりも、ピンクにする事が多い。

 一応お嬢様だし、それも、婚約者フィアンセの家に行くんだもん。ドレスを着ている。


「赤いネックレスとか、似合いそうだね」

「そうかな?」

「ふふ、大きくなったら、買ってあげるさ」

「そう? 覚えてるのかなー?」


 そんな話をしていると、聖愛さんが昼食の準備が出来たと呼びにきた。私たちはそろって立ち上がり、聖愛さんの案内に従って移動した。



 雪は、さらに強くなっていった。もはや吹雪のよう。風が強いからかな。

 これじゃあ、帰れない。迎え、でも、危なそうだなぁ・・・。


「朱璃、今日は泊まっていきなよ。危ないよ」

「でも、平気なの?」

「大丈夫。さっき、確認してきたから」

「じゃ、じゃあ・・・」


 すると、蒼泉くんは私の手を掴み、グイッと引き寄せた。


「え? ちょ、蒼泉くん?!」

「ああ、やっとここまで近くに来れた」

「えっ・・・」


 ああ、蒼泉くん、これじゃあ、雪も解けちゃうよ!



「ふわっ?!」

「あ、おはようございます、マスター」

「?!」


 夢・・・?! でも、これは、前に本当に有った事だ。そうか、四年生の時の事、思い出したよ。ファーストキスのシーンか。って!


「あれ、マスター、顔赤いですが・・・」

「だ、大丈夫だよ! それより、早くしないと、せっかくのボスラッシュだし!」

「あ、そうですね」


 なんだか、この前見た夢と、かぶるところがあるなぁ・・・。

 ボスラッシュの中の夢、という感じです。うーん、やっぱり、この感じだと、あの夢を見てすぐ、といった感じでしょうかね? そこまでは考えてなかったのですが。

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